役所の不条理(その2)

 一昨日に引き続き、私が普段より見聞きしてる役所の不条理について正したいと思う。
 
 私は現在国や自治体が国民にサービスの向上に努めていながら、それが実を結ばず逆に、阻害されている事がある。しかもそれが当り前のように思われ、所謂国民に対する気の配りが足らないようににも思われる。恐らく私が商売柄(建設と不動産の業種であり、社員の数の少なさにより、分業出来ず何でもやらなければならない中小・零細業者)、それを利用上必要不可欠の立場に居るから、余計そう思うのかも知れないが。いずれにしても不親切極まりない。 それは何かと言えば、全ての行政上の仕組みに、インターネットが組み込まれている事である。
 
 私の商売を例にとれば、建設では、もう10年以上前に、建設CALS/EC(キャルス)と言って、全てを電子化でと言う事、つまりはペーパーレス(紙文章を無くす)に他ならない。当事私のところは、既に電子化に取り組んでいて、昭和60年代より、今で言うワープロと言うよりは、時の印刷屋が使っていた機械(Canon EZPS Pro1000)を使っていた。時のワープロはいみじくも文字の大きさは等倍、横倍角、縦倍角、縦横倍角の4種類しか無い時代だったが、私の所のこの機械はOSはLinuxで文字の大きさは今のwindowsと遜色ないポイント性だった。しかも、その時代に今のwindowsと同じくモニターに画面がいくつも出せる、正に今のwindowsそのものと言えた。但し、かなり高かった事を覚えている。外車を買う値段はした。話は逸れたが、要するに手書きが機械で書く(PCで)事になり、パソコン、プリンタ、それにそのためのアプリケーションソフト、そしてPDF化出来るコピーや、同じく図面のための大判コピー等デジタル化出来る機械等揃えねば公共の工事が出来なくなってしまった。これだけでも200万円~500万円の投資と相成る。極めつけは、商売してない人は理解出来ないかも知れないが、全て情報はインターネットのホームページを見れと言う事に他ならない。我々業者は出社すればまず何をするかと言えば、パソコンのスイッチオンである。そして今日新しい工事発注されてないか、目を皿のようにして見るのである。これが営業の最大の仕事である。そして発注工事見つけると、工事の詳細を見るため、工事内容と入札参加期日及び入札期日を確かめPCに保存しておく。PCに慣れない技術者が多い会社の場合は、これら情報をいちいちプリントアウトしてペーパー化する。紙代やプリンタのトナー代バカにならない。そして入札も全てパソコンで会社で出来、一見自由化され良いように見えるが、私が今回問題にしてるのはこれらの事なのである。確かに役所に行かなくて良くなった半面(つまり、手間と営業の足である車をあまり使わなくなったからガソリン代が浮く)、前記したパソコン以下の機器類と維持費が掛かる。
 
 私が言いたいのは、これら全て便利になった反面、いらぬ出費が増えた。ならば、役所はどうか、いろんな公示や公告は全てホームページだし、出先での役所への申請や用紙もホームページである。しかもその申請書は申請者自身が用意して提出である。とするなら役所の役人の仕事は半分以上も無くなってしまっているのに、人員は増えるこそすれ減らないのである。こんな不合理、こんな不条理他に無いのではと私は真剣に思っているところである。国民に痛みを強いるなら、自分らも同列に考えるなら、何故職員を合理化しないのか、そして体が悪く誰が見ても仕事の出来そうに無い職員を、仕事もさせずに置いておくのか、私はその場に行って糾弾したい気持ちで一杯である。