戦後の政治史において、安倍・菅政権の不祥事は稀に見る政治の私物化と言えるが、それは永田町論理で本命でない者が権力を握ったからだ!

 菅義偉首相の長男らによる接待問題で、総務省は参加した幹部4人を月内にも処分する方針を固めた。複数の政府関係者が21日、明らかにした。職務上の「利害関係者」から接待を受け、国家公務員倫理規程に違反した疑いが強く、懲戒処分を軸に検討している。会食回数や費用の負担者などの調査結果は22日に公表する。

 人事院規則は、利害関係者からの接待は、減給か戒告の懲戒処分と規定する。総務省は今後、人事院の国家公務員倫理審査会に対し、幹部4人の処分案と調査結果を報告。審査会が妥当と判断すれば、武田良太総務相が正式に処分する。

 

 4人は谷脇康彦、吉田真人両総務審議官と、20日付で事実上更迭された秋本芳徳前情報流通行政局長と湯本博信前官房審議官。本省の課長級以上の職員は、減給処分だと1年半、戒告なら1年間、それぞれ昇任できなくなる。谷脇氏は有力な事務次官候補で懲戒処分となれば総務省の幹部人事に大きく影響する。

 

 国会では22日、菅首相出席の下、衆院予算委員会の集中審議を行う。接待問題を巡り、首相は長男とは「別人格だ」と距離を置いており、与党は調査報告を受けて、幕引きを図る構え。野党は首相の責任も厳しくただし、全容の解明を迫る。

 

 

これ「菅首相長男の接待問題 総務省、参加幹部4人を処分へ…懲戒処分を軸に検討」と題したスポニチ 2021年2月22日 05:30の報道記事である。

 

 

 

 

 総務省の幹部4人が放送関連会社に勤める菅義偉首相の長男から接待を受けていた問題は、会食した同省局長が所管事業に関するやりとりがあったと一転して認めたことで疑惑がさらに深まった。政府は幹部2人の更迭を発表して幕引きを図るが、野党は「首相の長男だから、特別扱いしたのでは」と追及姿勢をさらに強める。批判は与党内からも上がり始めており、政権は新たな難題を抱えた格好だ。

 「(衛星放送に関する)発言はあったかもしれない」。総務省の秋本芳徳情報流通行政局長は19日の衆院予算委員会で、衛星放送の話題が会食の場で出たと認めた。長男の会社の子会社は衛星放送事業者で、同省は衛星放送の許認可権を有している。秋本氏はこの日、「(長男らは)利害関係者と認識している」とも答弁した。

 

 秋本氏の説明は連日、二転三転している。17日の衆院予算委では、会食の趣旨を「東北出身者らの懇談」とし「衛星放送が話題に上った記憶はない」と答弁。同日付の「文春オンライン」が「BS」という衛星放送を示す言葉を含む音声を「会食時の記録」として公開すると、18日はこの部分とは別のやりとりのみを「自分の声」とした。立憲民主党などは不自然さを指摘し、審議拒否に打って出ていた。

 

 「うそにうそを固めている」(自民党関係者)「後手後手になることが信頼を落としている」(自民中堅)…。総務省サイドの姿勢に、与党内からも疑問の声が上がる。

 

 武田良太総務相は19日、秋本氏ら接待を受けた幹部2人を更迭する人事を発表した。総務省の上層部は更迭の意図について「正式な処分結果が出る前に先手を打つことで事態の収束を図ろうとした」と強調するが、野党側は「トカゲの尻尾切りだ」(立民の辻元清美氏)と反発。「放送行政はゆがめられていない」との武田氏の答弁も問題視し、「組織ぐるみの隠蔽(いんぺい)だ」と攻勢を強める。首相の身内が関与する問題で、政権にダメージを与える戦略だ。

 

 一連の問題で予算委は日程に遅れが生じている。今国会では新型コロナウイルスに対応する改正特別措置法を優先したため、政府、与党が年度内の成立を目指す2021年度予算案の審議日程に余裕はない。

 

 政府関係者によると、首相は「全て武田氏に任せている」と周囲に語る一方、いら立ちを隠せない様子だという。 (森井徹)

 

 

こっちは『「トカゲの尻尾切り」総務省2幹部更迭 会食説明一転、深まる疑惑』と題した西日本新聞 2/20(土) 10:52の配信記事だ。

 

 

4年前朝日新聞の報道で発覚した森友学園公有地格安払い下げ事件を始めとした安倍政権の政治の私物化問題、その後の加計学園問題や桜を見る会問題、政権が菅政権に代わった現在も、菅首相の長男の総務省幹部接待問題、これら全ては高等な政治問題ではなく、全てがトップの権力者の私的な事から始まっている、言わば低俗的な政治の私物化問題から来ているといって良い。これは戦後の政治家の資質と言うより権力者になった喜びの大きさで有頂天になって起こされた仕業と言えなくは無い。言い方を変えれば田舎者と言える。真の本命では無い者が権力を握ったからと言えるのではないか? 当時郵政民営化という馬鹿の一つ覚えで絶頂を極めた気狂い小泉純一郎首相の後を引き継いだ安倍晋三さんは当時麻生太郎さんか谷垣禎一さんという本命を抑えて日本では政治的に若い安倍さんという選択肢は無かった筈だが、当時無名だった現菅首相が担いだ安倍さんが総裁となり日本国宰相となった安倍さんだったし、担いだ菅さんは論功で総務相から官房長官となり最後は首相を射止めた。共に何と運が良かったのかと言わざるを得ない。最近の国会中継の答弁等見聴きしてれば、何となく軽さを感じる。時代が違うから一概には言えないが政治家(とは言いたくないが・・・・)としての質が小粒になった感が拭えないのは否めない事実である。