安倍首相 総裁4選の如何に拘わらず長期安定政権の実績を考えれば現体制を貫く筈

政治ジャーナリスト・泉 宏
 2019年の7・21参院選での与党勝利を受けて、政府与党内では安倍晋三首相による党役員・内閣改造人事の行方に、関心が集まっている。
 
 「政権の3本柱」と位置付けられる麻生太郎副総理兼財務相二階俊博自民党幹事長、菅義偉官房長官のそれぞれの処遇が焦点で、自民党内では続投説が有力視される一方で、人心一新のための交代説もあり、国政選挙6連勝で求心力を維持する首相の判断が注目の的だ。
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 令和初の国政選挙となった参院選は、自民党が57議席公明党が14議席で与党71議席と、前回16年参院選の実績(70議席)を上回った。これにより、「安倍1強体制」は今後も継続する見通しだ。
 そこで注目されるのが、首相が人事を断行して発足させる予定の第4次安倍再改造内閣自民党役員の顔触れだ。
 党内には「次が“安倍流人事”の集大成」(長老)との見方もあり、首相自身が「政権の骨格」と重用してきた麻生氏らの続投という安全策を取るのか、人心一新による新体制で「長期政権の仕上げを目指す」のかが見どころとなる。
 首相は第1次政権以来、すでに10回の組閣・内閣改造人事を断行して、歴代最多記録を更新中だ。首相は、夏から秋口にかけての首脳外交の日程などから、人事は9月中旬とする方向で調整しているとされる。
 12年12月の第2次政権発足以降、首相は一貫して麻生、菅両氏をそれぞれ副総理兼財務相官房長官という「内閣の要」に起用し続けてきた。
 また、二階氏は前回参院選後の16年8月の人事で、党ナンバー2の幹事長に就任して以来、党運営などで剛腕を発揮して、麻生、菅両氏と共に「政権の3本柱」と呼ばれている。
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目立ち始めた「3本柱」の主導権争い
 ただ、「安倍政権を全力で支える」ことでは一致している3氏も、首相との個人的関係や政治理念、手法などは「三者三様」(自民幹部)だ。
 首相の「後見人」を自認する麻生氏は、「首相の精神安定剤」(官邸筋)とも呼ばれるが、財務省の公文書改ざん事件や、「老後資金2000万円不足」問題での金融庁報告書の受け取り拒否などで、担当閣僚としての責任を問われ続けて久しい。
 また、首相が「政治的技術は最高」と評価する二階氏も、80歳と高齢で、強引な派閥勢力拡大が党内の反発を買っている。
 その一方、「政権の黒子」だった菅氏は、新元号発表で「令和おじさん」と国民的人気が急上昇し、ポスト安倍の有力候補とも目されるなど、麻生、二階両氏と肩を並べる党内実力者にのし上がってきた。
 こうした状況の変化もあって、現在の3氏の関係は「極めて微妙」(自民長老)とされる。
 首相との距離では「一番近いのが麻生氏で、遠いのが二階氏。菅氏はその中間だが、首相への忠誠心は一番」(自民幹部)との見方が多く、永田町では「麻生、菅両氏の不仲説」も広く取り沙汰されている。
 また、二階氏も麻生、菅両氏とは「一定の距離を置いている」(同)とみられている。このため、ここにきて影響力を増す菅氏と、「年齢的にも政界引退間近」(自民長老)とされる麻生、二階両氏との政権運営をめぐる主導権争いも目立ち始めている。
 これまで首相は、3氏を政権の骨格と位置付けることで、党内基盤の安定化を図ってきた。このため、反安倍の立場を鮮明にする石破茂元幹事長や、首相からの政権禅譲論が取り沙汰される岸田文雄政調会長というポスト安倍の有力候補も、「3本柱」の陰に隠れる状況が続いてきた。
 それだけに、「3氏を要職から外せば政権が不安定化する」(細田派幹部)との声も多く、首相にとっての新体制づくりの人事は、これまで以上に「熟考」が必要となりそうだ。
 
 
これ「【点描・永田町】3本柱続投、それとも人心一新」と題した時事通信社「地方行政」2019729日号の記事である。
 
 
先日の参議院選において政権へのマスコミの忖度と御用組合的報道が重なり、実質自民の負けなのに過半数維持と言う自公政権の勝利報道だけが独り歩きだ。中には恐ろしいかな安倍4選の話まで二階幹事長が出してきた。このような主張は、安倍体制にすがり権力を維持したいがための輩たちであろう。
私事的には4選不可能なればこそ無風退陣を狙い、人選一新をしたいところだが・・・・・・・