衆院が解散され、与野党は10月22日投開票の衆院選に向け一斉に走りだした。民進党は小池百合子東京都知事が率いる希望の党との合流を了承。民進の名は衆院選で消えることになるが、「非自民・非共産」勢力結集による安倍政権打倒を優先した格好だ。一方、全国規模での候補者擁立に一定のめどを付けた小池氏は存在感を急拡大。対決構図は「自民対希望」に一変し、安倍晋三首相の目算は狂いつつある。
◇屈辱の合流
28日の民進党両院議員総会で、前原氏が提案した希望への合流方針は満場一致で了承された。前原氏は「これは他党に合流するということではない。政権交代を実現する。もう一度大きなプラットフォーム(基盤)をわれわれ自身がつくるということだ」と説明したが、党中堅は「どう強弁しても、吸収合併か身売りだ」と嘆いた。閣僚経験者は「前原氏の独断、クーデターに等しい」と憤りを隠せない。
選挙区で共産党との共闘ができつつあった逢坂誠二前衆院議員も記者団に「驚天動地だ。劇薬だから副作用もある」と反発した。公示まで10日余りでもはや後戻りできない事情が、発足間もない急造新党に野党第1党がのみ込まれるという「屈辱的」(若手)な合流を受け入れさせた。
前原氏は会見で、民進党の政策を実現させるためだとして「いくら商品が良くても、お客さんに買ってもらえなければ物は売れない」と理解を求めた。解党論を唱えていた玉木雄一郎前衆院議員は「前原氏が身を捨てて決断した。高く評価したい」と歓迎した。
◇安保で踏み絵
希望との交渉を一任されている前原氏は「とにかく全力を尽くすということに尽きる」と強調したが、全員公認は確約しなかった。
リベラル系議員が集まる旧社会党系グループも前原氏の方針に従い、民進党を離れて希望に公認申請する。同グループは小池氏と安保政策で隔たりが大きい。メンバーの一人は「公認を決めるのは小池氏。拒否されたらどうするのか」と不安を隠さない。
前原氏は安保法制を「憲法違反の法律は駄目だ。国家の土台が崩れる」と見直しを主張している。一方で、小池氏は安保法制に賛成しており、立場が異なることも懸念材料だ。
◇攻守逆転
「かつての新党ブームの結果、政治は混乱し日本は長い経済の停滞に突入した。ブームからは決して『希望』は生まれない」。首相は28日夕、JR渋谷駅前で山口那津男公明党代表と街頭に立ち、こう小池新党をあてこすった。山口氏も「自公政権に託してほしい」と支持を訴えた。
希望と民進の事実上の合流で攻守が入れ替わりかねない状況に、与党内に当初あった楽観論は吹き飛んだ。27日の希望の結党会見後、自民党の二階俊博幹事長が首相と会談すると、党内には「解散を止めに行った」との情報が駆け巡った。都議選惨敗の記憶が残る複数の東京選出議員が党幹部に「解散を見送った方がいい」と伝えるなど危機感は広がる一方だ。
首相が勝敗ラインに掲げる「与党で過半数」を獲得したとしても、「50議席減らせば責任論が噴出する」(閣僚経験者)というのが一致した党内の見方。ある党幹部は「本当に厳しくなってきた。選挙後は党内政局かもしれない」と真顔で語った。
私は安倍政治の安保法制は評価してないが、リベラルを入れるには反対である。特に社民党系の考え方には共産とは違った意味で私は支持もしてない。解散された今回の政局と合わせて、政治の節目節目での安倍首相の言葉や考え方にはいつも違和感を持っている。この男は何様なのか。国民に対する謙虚さは何も持持ち合わせていないと見える。特に『7月1日の東京都議選遊説で秋葉原遊説は聴衆の「辞めろ」コールを「演説を邪魔する行為」と批判し、「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と激高した。』事と『大阪市内での街頭演説で、民進党出身者の希望の党への合流について「希望も夢もあったものではない。「当選ファーストの党」みたいなものだ。野望、野合の党と言われている人たちに政権を任せられない」と批判した。』と言った二点の言葉だ。こんなのに何年もの我が国のかじ取りをさせてしまった事、本当に私は悔やんでも悔やみきれないでいる。そこに同じ保守系の「希望の党」の小池東京都知事の登場である。私は本当に、この小池東京都知事を「神風」と思っている。長期の自民党政治の終わりの方の実力者だった現自由党党首の小沢一郎が標榜した二大政党政治の小選挙区制度、今それにこんなにも悩まされるとは思ってもみなかったろうが、真の意味のそれがようやく実ろうとしているように私には見える。