働く女性の育児休業取得期間延長保護を目指す安倍政権政策、何か働く女性を担保の建前論に思えてならない

 働く親が、最長で子が1歳半になるまで取得できる育児休業について、厚生労働省は取得期間を延長する方向で、法改正の検討を始めた。0歳児の保育ニーズを減らすと共に、保育所不足を理由とした離職を防ぐ狙いだ。一方、長期の休業は企業や職場の損失になる、女性の活躍推進に反する、との意見も出ている。
 東京都内の女性(43)は今年2月、約5年間勤めた不動産会社を退職した。20147月に出産した長女(2)の預け先が見つからず、職場復帰できなかった。
 出産後、1歳まで育児休業を取得。151月から保育所を探したが空きがなく、1歳時点で育休を半年間延長した。しかし結局どこにも預けられず、退職せざるを得なかった。「仕事を続けたかった。何よりも家計が苦しくなった。働きたいのに、保育所に入れないのは不公平」と憤る。
 この女性の例のような、育児を理由とした離職を防ぐことなどを目的に、政府は8月、育休期間を延長する方針を明らかにした。9月には厚労省労働政策審議会分科会で、育児・介護休業法の改正について議論を開始。現行法では1歳時点で延長できる育休期間は半年間だが、これをさらに延ばす方向で検討している。来年の通常国会に、改正案を提出することを目指している。
0歳ニーズ減らす狙い
 育休期間の延長には育休者の離職防止と共に、待機児童対策の狙いもある。
 国が定める認可保育所の保育士配置基準では、子どもの年齢が低いほど、保育士を多く配置する必要がある。0歳児はおおむね3人に対して保育士1人が必要で、12歳児が6人に対して保育士1人なのに比べ、人手がかかる。
 今年4月時点で23553人いる待機児童のうち、約7割が12歳児だ。保育所を確保するために、入所しやすい0歳のうちに子どもを預け、育休を短縮する人もいる。そこで取得できる育休期間を延長し、早い時期から子どもを預けようとする人が減れば0歳児保育のニーズも減少し、その分の定員や保育士を、12歳児に振り分けられる、と考えられている。
 待機児童が多くいる東京都杉並区の田中良区長は「出産後12年は子育てに専念したいが、経済的な理由や企業の人手不足のために働いている人もいる。育休期間を延長し収入も保障するなどして、希望する人がだれでも育休を取れるようにすべきだ」と話す。
 中京大教授(家族社会学)の松田茂樹さんは「首都圏では用地不足で保育所の増設は限界。北欧などでは0歳児は家庭で育てることが主流で、日本のように0歳児の集団保育サービスを実施している国は少ない」と指摘し、育休期間の延長に賛同する。
 
■「女性活躍の流れに逆行」
 一方、人手不足や女性社員の育成に悩む企業からは、反対の声も上がる。大手金融機関の人事担当者は「1年以上も休んだら、本人にとっても会社にとっても損失。なるべく早く復帰してもらいたい」と話す。
 6日に開かれた厚労省の審議会分科会でも、育休延長への反対意見が相次いだ。分科会委員で法政大教授(女性労働論)の武石恵美子さんは「育休を主に女性が取得すると、女性の職場離脱が長引き、活躍推進という社会の流れに水を差すことになる」と危惧する。
 厚労省の調査では、15年度の育児休業取得率は女性の815%に対し、男性は265%。武石さんは「育休の一定期間を父親に割り当てるなど、男性を含めた働き方の改革が必要。育休の期間を延長しただけでは、待機児童問題は解決できない」と話している。(竹之内知宣)
 
育児・介護休業法に基づく制度。原則として、子が1歳になるまで取得できる。ただし1歳時点で保育所に入所できないなどの事情がある場合は、半年間の延長が可能。育休中は、雇用保険を財源とする育児休業給付金が支給される。企業が独自の制度や育休期間を設けている場合もある。
 
 
これ『法定育休「1歳半まで」、延長論に賛否』と題した読売新聞YOMIURI online 1013()1210分の配信記事である。
 
 
 確かに女性の労働時間問題は、女性に対して必ずしも理解されているとは言い難い現状である。戦後の女性参政権と合わせて、日本の技術革新による経済成長に沿って男女同権の精神が格段に向上したのは誰もが認める事実である。しかし、それに合わせ社会に進出する女性が増え、家庭に縛られない女性が男性と同じ環境で働ける社会が実現したのである。反面、子の産まない女性が増え、少子高齢社会を形成しつつあるのも否めない事実である。これを良しとするかしないかは、後世の判断に委ねる他は無い。
現在の安倍自民党政権は、最近のこうした社会事情を反映した働く女性の子育てを援助するため、上記労働環境を改良すべく育児休業の取得期間を延長する方向を示唆した。確かに考えればその通りとは思うが、いつも通りの建前改正論しか見えないのではと私は考える。何故なら安倍自民はいつもその対象を大企業本位としか見えないのである。僅か総企業の1%くらいの大企業の労働環境に合わせた改良にしか見えない。残りの9割以上の小企業零細企業はいつも置き去りである。この記事でも指摘してるが、長期の休業は企業や職場の損失になると言うのが小企業零細企業の現状だからである。大企業並みの労働環境をしたくても体力の無さにより出来ないのである。それを強制的に法で締められれば、やっていけない企業が大量に発生するのが現実である。喜ぶのはそれらの苦しい企業が納める税金で営業してる各種自治体=公務員の方々であろう。特に厚生労働省はいつもその先陣を切っている。ふた昔前の我が国の働き過ぎを是正するために、一週40時間労働を決めた際にも、国家公務員である厚生労働省がモデルケースとして先陣を切った筈である。このデフレ不況で国民が苦しんでいる時でさえ、年二回のボーナスが貰え、尚且つ国民の平均年収の2~3倍も貰っててもである。役所は民間に比べてと言う相対式が好きみたいだが、その相対の相手が恵まれた一流大企業である。しかもそれを決めるのが、自分らの身内同然の人事院の勧告である。もちろん法的拘束力は無いが、だれも反対はしない。だって都会と田舎の地域間格差は無く、都会の役人より、田舎の役人なんかはバラ色と言える。かえって田舎の実情に合わせ、そぐわない田舎の多い待遇の部分を都会の役人に付け替えた方が実情に合ってると言えるのに、それさえも解らない横並びに染まってる役人堅気の頭脳連中の集まりが人事院と言える。こう言う輩の答申だ解りような気がする。
話は横道に逸れたが、私は昔みたいに、働きに出ないと生活出来ないから働くのじゃ無く、働きたいと願う女性への環境整備と言え、そのような環境にある女性たちへの整備つくりの前に、昔ながらとは言うつもりはないが、今の安倍政権の格差社会を助長する、働く女性を担保の建前論に思えてならないのである。