西岡武夫参院議長ついに堪忍袋の緒が切れた

 西岡武夫参院議長が、首相退陣を求める論文を読売新聞に発表した。国会のトップである議長が、行政府の長である首相に対して退陣要求するのは、極めて異例。西岡議長は今は党籍を離れているが、もともと民主党議員。菅首相にとっては、「三権の長」という身内の実力者から造反が出た形で、政権へのダメージは必至な情勢だ。
 読売では社説で「菅政権が十分に機能しないのであれば、新たな政治体制を模索する必要がある」と足並みを揃えるが、ライバル紙である朝日新聞は「三権分立の関連からも、発言の是非が問われそうだ」と発言を問題視している。東日本大震災の復興や、東京電力の損害賠償をどうするかをめぐり、政府の対応に注目されているが、西岡論文がきっかけで「菅降ろし」の流れが、一層加速する可能性も出てきた。
 読売の5月19日朝刊で発表された西岡議長の論文は、菅首相へのメッセージの形を取ったもので、以下のように始まっている。
 

菅直人内閣総理大臣殿

昼夜を分かたぬご心労、推察致します。ご苦労さまです。私は、国権の最高機関を代表する一人として、この一文で敢えて率直なことを申し上げます。
菅首相、貴方は、即刻、首相を辞任すべきです。
 3月11日の震災発生以来、菅直人氏は、首相としての責務を放棄し続けてこられました。(略)今、菅首相がお辞めにならなければ、東日本の被災者の皆さんの課題のみならず、この時点でも、空中に、地中に放射能放射線を出し続け、汚染水は海に流されているという、原発事故がもたらす事後の重大な課題も解決できません。
野党が多数の参院で問責決議案を可決しても、貴方は居座るかもしれません。もし、お辞めにならないのであれば、26、27両日の主要8か国(G8)首脳会議前に、野党が衆院内閣不信任決議案を出す以外に道はないのです。

以上が読売に出した菅直人首相宛の西岡議長論文である。
 
 思うに、読売新聞と言うところが少し匂うが、いづれにしてもこの西岡議長、かなり頭に血が上っていらっしゃるようである。
 さもありなんて言うか、私でも頭にきて、もう菅と聞いただけでも虫唾が走ってる状態だから、百戦練磨のこの議長頭に来ない方がおかしい。私なんぞテレビで菅の映像見ただけでテレビのスイッチ消してしまう位嫌いだから、尚更であろう。
 だが、識者コメントでも、野中尚人・学習院大教授が「議長の発言としては極めて不適切だ」と批判。大山礼子・駒沢大教授も「議長が党派対立から離れ、中立的な立場を取ることで、その権威を確立してきた従来の慣行からは逸脱しており、議長の権威が揺らぐ可能性がある」と、西岡議長を冷たく突き放している。
 
 しかし、人間の気持ちは正直である。嫌いなものは嫌いなのである。政治の世界は特にこれなのである。昔から言われている事だが、3人寄れば派閥が出来ると政治の世界だけでなく世の常である。ま、菅直人首相、それだけ西岡武夫参院議長に嫌われたと言う事なのだろう。