菅首相前代未聞の参院本会議での身内よりの退陣勧告

 民主党小見山幸治参院議員は25日、2011年度第2次補正予算を可決した参院本会議で賛成討論に立ち、「民主党が一刻も早く新たな体制でスタートできるよう、菅直人首相に潔く決断していただく以外に選択肢はない」と述べ、壇上から首相に即時退陣を促した。
 小見山氏は「現政権はエネルギー政策の根幹を短期間で変更するなど、場当たり的な対応はもはや政権の体をなしていない。政府に対する信頼は失墜し、国民の間に底知れぬ焦燥感と絶望感がまん延している」と、首相を厳しく批判した。
 小見山氏は岐阜選挙区選出で当選1回。
 
 以上が時事通信の報道だ。
 
 
 こんな事ってあるのだろうか。委員会での質問やぶら下がり取材では無く、はたまた記者の質問への回答発言でも無い。参議院本会議場での、それも賛成討論としての場であった本当の話である。政党政治の由々しき事態である。戦後の議会政治の常識を覆す異常事態であるが、当の行政の最大公権力者である菅首相、何と思い聞いていたのであろうか。それこそ6月2日の辞任表明(菅首相本人はそう思っていない)後、次から次へと意気軒昂的に政策を繰り出す様は、ホント異常である。
 
 3.11に起こった大震災は、菅首相の宰相としての資質の正体を現してくれた唯一の出来事であった。逆に菅首相から見れば正に命果報であった事は事実である。何て幸運な男であったろうか。が彼はこの大惨事を前にしてその緊急大災害にも拘らず、どうして国家の危機管理の大原則である、緊急事態法を提言しなかったのか、地方自治体同士の規制がこう言う場合は必ず邪魔をする事は目に見えていた筈であるし、最大の失敗は、原発事故の事実を東電とグルになって隠蔽したから、被害状況が悪化したのではなかったか。また、菅首相自ら「理系だから原発には詳しい」と称し、対策本部長自らが指揮系統を守らず指揮をした事も、原発沈静化処置を遅らせた結果ともなった。これ正に世界の笑いものとなった感は否めない。
 
 事ここに至っては、自己の思いは捨て去り、公僕としての国民への謝意として、1日も早く現政治の閉塞の打破と信頼を取り戻すための退陣を促したい。