広島は６日、被爆７２年目となる「原爆の日」を迎えた。広島市中区の平和記念公園では午前８時から平和記念式典が開かれ、広島市の松井一実（かずみ）市長が「平和宣言」を読み上げた。７月に国連で採択された核兵器禁止条約に触れ、日本政府に「核保有国と非核保有国との橋渡しに本気で取り組んでいただきたい」と求めた。一方、続いてあいさつした安倍晋三首相は、条約に言及しなかった。
松井市長は平和宣言で改めて核兵器を「絶対悪」と強調。「核兵器の使用は、一発の威力が７２年前の数千倍にもなった今、敵対国のみならず自国をも含む全世界の人々を地獄へと突き落とす行為であり、人類として決して許されない行為です」と述べた。
日本政府は「核兵器国と非核兵器国の対立をいっそう深め、両者の協力を重視する我が国の立場に合致しない」（岸田文雄・前外相）などとして、核保有国とともに条約交渉をボイコットし、署名もしない方針を明らかにしている。
この日の式典には各国駐日大使らが参列。核保有国では米、英、仏、ロシアが出席したが、中国は欠席した。
広島・長崎の被爆者は高齢化が進み、３月末の厚生労働省のまとめによると、平均年齢は８１・４１歳。被爆者健康手帳を持つ人の数は１６万４６２１人で、１９５７年度の手帳交付開始以降、過去最少となった。（宮崎園子）
私は６日は日曜日だったので、朝からジックリとテレビでその式典の様子を見させてもらった。戦争の体験のない団塊の世代だが、毎年繰り返して行われる式典だが、実際に爆弾投下された8：15の黙とう時にその悲惨さには、言うに語れない想いが交差して、どうにもならない気持ちになってしまう。確か昨年だったと記憶してるが、爆弾投下当事国の現職のオバマ米大統領が、史上初めて式典に出席をした感慨深い気持ちがこみ上げてきた。毎年のことながら私はいつも涙する。特に今年はあの広島市長が原子爆弾を「絶対悪」と言った言葉が頭から離れない。その後での安倍首相の挨拶が、いつものあの軽い甲高い声で、いとも容易く「絶対悪」の非難を聞いても、私には何か空しく聞こえ、首相自身がこの場であいさつするその気持ちが理解できず、この場にふさわしくない様が恥ずかしく思えた。この場に来てもらいたくないし、来るべき人でもないと思えたのは私だけであったのか。
