安倍晋三首相の後継者として岸田文雄さんには安倍晋三首相に戦いを挑んで倒してほしい

 以前から安倍晋三首相の後継者として名前が挙がる岸田文雄氏だが、明確な意思表示をしたイメージは薄い。前回2018年9月の総裁選を断念したのも、「禅譲」を期待し、安倍支持にまわったとの見方が強い。
禅譲という制度はありません。総裁選を戦わないと総裁になれないということはどんな状況であれ、変わりはありません。ぜひ私もその一人として、総裁選に臨みたいと思っています」

 安倍首相の4選の声が出ていることにはこう述べた。

「今の党のルールは3選までとなっています。それを前提に考えるべきだと思いますし、それが全てだと思います」

 気になるのは最大のライバルだが。

「わかりません。そもそも、総裁選がいつあるのかわかりませんし、実際、手を上げるのが誰かもわからない。今から他人のことを言うのはちょっと難しい」

 岸田氏の地元は広島県だが、他の地域でも後援会が発足している。総裁選での地方の党員・党友票獲得を考えてのことなのだろうか。

「地方の後援会は準備中を含めれば10を超えます。たしかに、みんな総裁選は意識していると思います。ただ、いろんなご縁で地方に人脈ができて、応援してやろうということで、後援会を作ってくださっています。経済界から声がかかったり、議員が努力をしてくれたりと、いろいろなケースがあります」

 岸田氏は宏池会の会長だ。宏池会軽武装、経済重視の現実路線と言われる。もし、岸田政権が誕生したら、何を目指すのか。

 「この7年間、金融政策、財政政策を中心に取り組み、経済はGDPをはじめ活力を回復してきました。これを持続させるためには、本格的に経済の成長戦略を進めなければいけない。経済の成長力をしっかり引き出したい」

 先進国の中で最悪と言われている日本の財政事情については、
「デフレからの脱却は大事ですが、合わせて経済の効率や生産性を高める必要がある。大企業では内部留保がたまっていき、給料に下りてこない。成長することは大事だけど、その果実を賃金として、また地方へと分配することはもっと大事」

 岸田氏は広島県出身の政治家として、世界の非核化、核軍縮に取り組んできた。外相だった16年5月、当時の米国大統領だったオバマ氏の広島訪問の立役者ともなった。その時の思いについて、16年6月の『週刊朝日』のインタビューでこう答えている。

「米国の大統領に広島へ来てもらいたかった。被爆地を知ってもらいたいとずっと思い続けてきました」

 今、世界の非核化についてどう見ているか。

「かつては、世界に7万発以上あった核兵器は、現在1万数千発にまで減りましたが、それでも膨大な数の核兵器が存在しているということです。にもかかわらず、核兵器保有国と非保有国の対立のもとに、核兵器のない世界へ向けての歩みが滞ってしまっています」

 核兵器の数は減っている。だが、威力は増している。世界の非核化へ向けて、日本の果たすべき役割とは。

「日本は双方の橋渡し役として努めていかなければいけない。核兵器の実態を透明化するのが信頼への第一歩だと思います。お互いの信頼関係を醸成し、核兵器のない世界に向かって努力を続けることが大事だと思います」

 5年に1回、「核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議」が開かれており、20年はニューヨークでの予定だ。

「5年前の会議では核兵器保有国と非保有国が対立し、文書もまとまらずに終わった。その苦い経験を踏まえ、ぜひ次は両者がしっかり話し合って協力し、成果を出せる会議にしたい。日本はそのために汗をかくことが大事なのではないかと思います」

 20年の豊富は?

「政治家として政策を磨き、力を蓄えること。特に経済の成長戦略を自分なりに磨き上げたい。将来、総裁選の出馬を考えるというのならなおさらのことです」

(本誌・上田耕司)

週刊朝日  2020年1月3‐10日新春合併号に加筆


これ『100人の顔)岸田文雄(62)自民党政調会長 「戦わないと総裁にはなれない」〈週刊朝日〉』と題したAERA.dot 1/6(月) 7:00の配信記事だ。


この人確かに言っている事はまともだが、何て言うかいまいちインパクトに欠ける。それも昔からの宏池会と言う派閥の伝統と言え、公家集団と言われる所以だろう。だからこそ安倍首相も軽く見て潰さずに来たのだろう。だが一国の宰相も要は闘いなのである。どうして戦わずして権力を勝ち取る事出来ようか。例え禅譲なんかで権力を勝ち取っても、まともな実行力何ぞ発揮できないのは、鈴木善幸元首相や海部俊樹元首相で解かっている筈なのにどうしてまた同じ轍を踏もうとしてるのか、私にはどうしても理解出来ない。だが人間的には自民党でありながらのハト派的考え方には共鳴はしてる。今でも良い安倍首相に戦いを挑んで勝ち取ってほしいと願っている。