この2月24日から始まる「プレミアムフライデー」 政府・国や大企業はまたもや中小企業を置き去りだ 狂ってるとしか思えない

 毎月月末の金曜日はみんなが午後3時で会社を出る社会になる?--。官民挙げた取り組み「プレミアムフライデー」が2月24日から始まる。企業や官公庁が従業員らに早く退社するよう促し、買い物や旅行などをしてもらって消費を呼び起こそうとの狙いだ。残業から公然と解放されるならうれしいが、どれだけの人が早く帰れるだろう。そもそも長く低迷する消費がそんなことで上向くのか。【宇田川恵】

早帰り、大企業と役所だけ?/「足りないのは時間より金」

 「ちょっと予想外でした。家でのんびり過ごしたい人がこれほど多いとは。休みを増やせば自動的に消費が増えるなどと楽観的に考えるべきじゃないってことですね」。そう話すのは博報堂行動デザイン研究所長の國田圭作さんだ。

 研究所は昨年10月末、20~59歳の男女800人を対象に、プレミアムフライデーの過ごし方についてアンケート調査をした。それによると、トップは「旅行」(31・5%)。だが「自宅でのんびり過ごす」(30・3%)がほぼ並び、この二つが他を圧倒した。
 休みが増えれば基本的に消費は増える。自由な時間を持てば、人は街に繰り出し、買い物や外食をしたり、旅行に出たりするためだ。プレミアムフライデーは米国で11月末の感謝祭直後に行われる安売りセール「ブラックフライデー(黒字の金曜日)」を参考に、経済産業省経団連などが消費喚起策として考案、タッグを組み推進している。
 経団連は既に会員企業約1300社に、月末金曜午後3時ごろまでには従業員を退社させるよう要請。有給休暇や、出社・退社の時間を自由に決められる「フレックスタイム」など既存の制度を活用するよう助言している。経産省も他の中央官庁や地方自治体に要請しつつあり、経産省が作った統一ロゴマーク=右上のイラスト=を使用したいという企業の申請は既に300社を超えるという。
 小売りや旅行業界の消費喚起に対する期待は高い。ある百貨店幹部は「40代半ばぐらいまでの比較的若い、キャリアを持つ女性や男性は、今までなかなか取り込めない層でした」と話し、新たな客層を得るチャンスだと歓迎。さまざまな業界が今、これに合わせたイベントや商品開発を準備している。
 だが、実際に消費拡大につながるかには疑問の声が多い。国内経済に詳しい大和総研のシニアエコノミスト、長内智さんに聞くと、「方向としては個人消費にプラスに働くでしょう。でも実際には課題が多く、しばらくは期待感などで押し上げられても、長期的に消費を引き上げるにはかなり力不足の面がある」と指摘する。

 その理由は何か。長内さんは3点を挙げる。まず、博報堂の調査で表れたように、外に向かわず、帰宅する人が相当数いるであろうことだ。2点目は、参加できる企業がどれほどの数に上るか。経団連に加盟する大企業や役所はともかく、日本で大半を占める中小企業は今や、人手不足に窮しているのが現状だ。

 3点目は、金曜に物を買えば、土日曜に買い物を控えるなど、消費の前倒し効果しか期待できそうもないこと。消費が一瞬増えても、反動でその後、減る懸念さえある。

 「そもそも家計の懐が温まっていなければ、消費には向かいません」と長内さんは言い切る。労働時間が少し減ったとしても、その分、所得が削られたりすれば、かえって消費は冷え込んでしまう。

 家族社会学を専門とする中央大教授の山田昌弘さんも、強調する。「時間がないから消費できないというのはバブル時代の話です。今、お金に余裕があるのは高齢者で、現役世代はお金がないから使えない。足りないのは時間じゃなくて、お金ですよ」。皮肉まじりに続けてこうも言う。「消費拡大のためには、むしろ空いた時間を副業に使い、お金をかせいでもらった方がよほどいいかもしれない」

 長内さんは「重要なのはまず賃上げをしっかりすること」と強調する。消費低迷の最大要因とも言える節約志向は人々の不安から来る。これをぬぐい去る有効な手立てが賃上げだ。ただ2017年春闘の見通しは甘くない。14年以来、3年連続で2%を超えてきた大企業の賃上げ率が今年も維持できるかは微妙だ。とはいえ、経済界が本当に消費喚起を望むなら、プレミアムフライデーだけでなく、賃上げこそ真剣に取り組むべきだと言えよう。

 政府はプレミアムフライデー導入で「働き方改革」につなげたいとも狙う。働き方改革は安倍政権の重要課題として浮上している。

 実際、長時間労働の改善などにつながるだろうか。山田さんに見通しを聞くと、「政府が主導するのはいいこと。ほんの少しずつでも改善の可能性は出てくる」と話す。多くの企業で残業が常態化し、長時間労働が当たり前になっているのは、上司や同僚の目を気にして定時に退社できないなど、日本独特の気質や慣行があるためだ。「日本は横並び主義で、ありとあらゆることが自主的には変わらない。政治主導でも何でも、上から圧力をかけ続けることでしか現状は変わらないんです」

 ただ心配もあるという。最大の懸念は、金曜午後の労働時間を削った分、他の曜日の残業が増えるなどしわ寄せが生じて、結果的に労働時間が削減されないことだ。「プレミアムフライデーで足りなくなった労働力は、残業などで補うのではなく、新たに人を雇って仕事を分かち合う『ワークシェアリング』で対応すべきです。1人当たりの労働時間を減らしたうえで、雇用が増えるなら、働き方改革は前進する」と山田さん。多くの企業が雇用増まで踏み込むかは未知数だ。だが大きな注目点ともいえる。

 一方、企業に働き方の改善指導などをしている「ワーク・ライフバランス」の社長、小室淑恵さんに尋ねると、「重要な流れが来ている」と指摘する。「つい最近まで、経済界は労働時間の削減は日本経済の成長を阻害すると主張してきました。でも、ようやく、働く時間を制限した方が経済が活性化するんじゃないか、という逆転の発想が出てきた」。長時間労働は男性の育児参加を阻み、過労死につながる危険もあるうえ、少子高齢化など国力を弱める事態を招く。プレミアムフライデーの前提には、そうした現状をとらえ、改善しようという考えが社会的合意になってきたことがあると言うのだ。

 中小企業を中心に人手不足は深刻化している。だが小室さんは中小企業ほどプレミアムフライデーをうまく利用すべきだと訴える。「単に福利厚生ととらえてはいけない。今の学生たちはブラック企業にだけは就職しないという意識がとても強い。プレミアムフライデー導入企業という看板は、優秀な人材を呼ぶ重要な手段になるはずです」

 さて、月末の金曜日、街や家庭はどう変わり、経済や人々の働き方はどう改善していくのか。注意深く見守りたい。
 
 
これ『来月スタート「プレミアムフライデー」 本当に消費拡大するか』と題した毎日新聞117日東京夕刊の記事だ。
 
 
今回私は政府・国や大企業をこいつらと呼ばして頂く!
 こいつらは世の中の本質を解っていないし、解ろうともしない大馬鹿者である。私は心から怒りを覚える。まず、当事者である公務員の連中何と思ってると思う?
 東京都の職員と東京都の自治体や大都市、県庁所在地やそれに次ぐ市役所の職員を除くその他の自治体職員の若い職員は大変喜ぶだろうが、自治体の一番の働き手の職員は冗談じゃ無いと思っている事と私は思う。何故なら休みが増えるごとに仕事が増え(就業時間が少なくなるために、減らない仕事が休日の時間に繰り延べされるため)かえってやってはいけない残業にしわ寄せがいく。仕事に責任の無い若い職員は進んで休むだろうが、その分、主任や係長クラスにしわ寄せがいく。少し裕福な消費するであろう一番の消費人口世帯に、かえってデメリットとなるは考えなくても道理の世界である。
もっと現実に目をやれば、企業にとっての損益を考えれば、休む分給料は下げないのだから、当然その分は今よりは商品等の原価が上がる事になる。だが商品の売値は上げる訳にはいかないと言う事だ。この繰り返しによって、政府や大企業が実質消費にブレーキをかけている事が解らない大馬鹿者である。休みが増えれば余暇が増えそれが消費に回ると本当にそう思っているのか。だから役人の机上の馬鹿計算と言われるのである。私だったら、私が安倍首相だったら、働き過ぎないような時間で、かえって休みを減らし、その分原価が下がるから、その下がった分商品の売値を下げ、かえって安くして消費者が買いやすいようにして、消費人口を増やす。そうすれば給料も若干増え、その分消費に回ると推察する。今のデフレは時間じゃ無い!金が無いのである、消費に回す金が少ないのである。もし今の休みが多い方が良い若者は、給料が変わらないのだったら休みは多い方が良いと言う事だからである。若者に尋ねてみたらよい。休みが多いのと、給料が多いのとではどっち?と。