外国人の日本語、特に上手いのは相撲力士である。それには訳がありそうだ

 興味深い研究があります。早稲田大学大学院の宮崎里司教授(日本語教育)は、ある日「プロ野球の外国人選手は全然日本語が上達しないのに、外国人力士は日本語がどんどんうまくなるのはなぜか」に疑問を持ちました。そして力士の生活に密着したのです。この研究は宮崎教授の著書『外国人力士はなぜ日本語がうまいのか』(明治書院)で詳細に紹介されています。

 外国人力士の多くはほとんど日本語ができないまま相撲部屋に入ります。最初に覚える日本語は「イタイ」。けがをしたことを伝えるのに必要だからですね。彼らはまた番付表を読むために漢字をどんどん覚えます。対戦相手が分からないと困るからです。

 力士は、来日した時はいわばアマチュアです。相撲部屋の団体生活で、朝から晩まで日本語の環境にどっぷりとつかり、日本語を使うことを求められる。ところが外国人野球選手はプロとして来日します。自宅が用意され、通訳も付く。だから長い間日本にいても日本語がうまくならない。

 宮崎教授の研究から二つ、学べることがあります。一つは学ぼうとする言語にどれだけたくさん触れるか、が大事だということ。二つ目は、使う必要があるから上手くなる、使う必要がないと上手くならない……ということ。多くの日本人は日常的に英語に触れる機会も少なければ、英語を使う必要もあまりない……これでは苦手なままでも仕方がありません。

 
 
これ「同じ外国人でも、なぜ力士は日本語が上手でプロ野球選手は下手なのか」と題した毎日新聞に載ってた記事である。
 
 
私は今は相撲が嫌いで見てなかったが、スポーツニュースで見る時に、そういえば力士は日本語が上手だなーといつも思ってた。この記事読むと、確かにその通りだと思った。自分なりには、力士はあんまりしゃべらないから、良く日本語を聞くだけは聞いてたから上手いのだろうと漠然と思ってた。
 余談だが高校時代に体育の恩師(ラグビーの専門)がいた。その先生学校が合わないと、定年前に辞めて何を思ったか単身でスペインに行った。当然にスペイン語等解かる筈も無く、どうして暮らしたのかも分からないまま忘れていた。ところが私がたまたまバルセロナオリンピックの前の年に、業界の慰安旅行でスペインに行ったらひょんな事で再会した。ゲッソリ痩せてたが言葉の解からない我々の前で流暢?なスペイン語話すではないか。私は驚いた。聞けば、知らない外国のマドリード3年間一言も日本語離さなかったそうである。普段の生活では手真似足真似でのコミニケーション、さすがにストレスが溜まり胃を病んだらしい。ところがである。面白い事に、3年位経ったある日の朝に本当に知らないうちに、スペイン語で急に話が出来たそうである。その話を聞いた我々はそんなのジョークだろうと取り合わなかったが、本当に本人が顔を真っ赤にして真面目にしゃべったのである。これには後日談がある。その次の日私は大変な目にあった。長い飛行機旅で疲れていたのだろう。私は高熱で倒れてしまった。何度も海外旅行をしてた親父に口を酸っぱくして言われていたため、病気した時のためとして、インスタントのおかゆを含めて持って行った日本食、この恩師に殆ど取られてしまって一食も残っていなかった。お蔭で熱が下がらず、その夜に楽しみにしてたフラメンコ実演ディナーショーに行けなかったのである。本当に人騒がしな恩師であった。その恩師も今は亡くなりもういないが、言葉はこの記事にあるように、本当に必要に駆られるからしゃべれるようになるんだな、と言う事が解かったのである。