おおさか維新の会の存在感が低下している。自らを第3の勢力と位置付け、民進党など共闘が進む野党への批判を強めるあまり、結果的に与党寄りの対応を取ることが増えた。関西圏の議員が多い中、4月下旬の衆院京都3区補欠選挙で民進党候補に惨敗。「強い個性と発信力」のある橋下徹前代表が引退した影響は大きく、夏の参院選を前に与野党のはざまで埋没する懸念も出始める。
国会質問では、野党への批判を繰り返す。所属議員が質問中に「民進党はあほ」などと暴言を重ね、謝罪に追い込まれたこともあった。
軸足が定まらなかったのが、与党と民進党がそれぞれ提出した衆院選挙制度改革に関する法案対応だ。民進党案を「立場が近い」と評価していたのに、4月下旬の衆院採決では一転、与党案に賛成した。関係者は「菅義偉宣房長官から働き掛けがあった」と明かした。 改憲勢力と見る安倍晋三首相も国会答弁で気遣い、他の野党と差をつける場面も目立つ。他の野党は「おおさか維新は与党へのすり寄りが露骨すぎる」(民進党国対筋)として距離を置く。
政党支持率を共同通信世論調査結果で見ると、結党直後の昨年11月は5・1%だった。直近の4月末は3・6%。おおさか維新の幹部は「アピールに向けた橋下氏の努力はすごく、とてもまねできない。参院選が迫るのに、地味な小政党になりつつある」と嘆く。
これ共同通信配給のあるローカル新聞の4月2日の記事である。