新銀行東京が東京TYへ 東京都は経営撤退の報 石原元都知事に責任を!

 東京都が出資する新銀行東京(新宿区)が、地方銀行グループ「東京TYフィナンシャルグループ」(同)と経営統合し、傘下に入る方向で交渉していることが関係者の話で分かった。石原慎太郎元知事の主導で都が設立した銀行だったが、経営統合が実現すれば、都は経営から事実上、退くことになる。
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 都は新銀行東京の株式を議決権ベースで80%超保有している。関係者によると、都が持つ株式と同グループの株式とを交換し、グループの傘下に入る方向で協議しているという。近く寺井宏隆社長が退任を発表し、週明けにも株主総会を開いて、経営統合と新社長を決める見通しだ。
  新銀行東京は当時の石原知事の発案で、資金繰りに苦しむ中小企業を支援しようと設立された。都が1000億円を出資して2005年に開業した。しかし、ずさんな融資で経営が悪化し、08年3月期決算での累積赤字は1000億円を超え、同年に都から400億円の追加出資を受けた。07年には旧経営陣を刷新し、08年に最大10あった店舗を本店だけに統廃合するなど経営再建を進めてきた。
  15年3月期の最終利益は15億円で6期連続の黒字となっており、都は再建に一定のメドが立ったと判断し、東京TYとの経営統合を判断したとみられる。15年3月期決算で預金残高は2615億円、融資残高は2007億円。
  一方、東京TYは東京都民銀行八千代銀行経営統合し、14年10月に誕生した。【武本光政】
  ◇東京TYフィナンシャルグループ
 東京都民銀行八千代銀行が2014年10月に経営統合して発足した共同持ち株会社。両行が傘下に入る。両行を合わせた預金残高は4兆4913億円(15年3月時点)で、統合時は関東の地銀で6番目の規模だった。本社は東京都新宿区。
  ◇中小企業への影響懸念
  石原都政の象徴として、自治体による中小企業支援を目的に設立された新銀行東京が、その役目を事実上終える見通しになった。地方銀行グループ「東京TYフィナンシャルグループ」の傘下に入る方向で協議が進められているが、今後は東京都が新銀行に投入した税金の行方や融資を受けていた中小企業への影響が焦点になる。
  都が東京TYと新銀行東京の株式を交換するにあたり、どういった比率で協議が進められているのか、現時点で明らかになっていない。都の財産の処分を巡っては都議会の議決が必要となるだけに、今回の株式交換で、都がこれまでに投入した税金がどういった形で処理されるのかが注目点となる。
  経営危機に陥った新銀行東京に対し、当初の1000億円に加え400億円を追加出資する補正予算案について、都議会が2008年に可決した際、追加出資分を毀損(きそん)させないことを確約させる付帯決議をした経緯がある。この点は都が東京TYとの交渉にあたり、最も重視したポイントだったとみられる。だが、グループ傘下に入ることは新銀行救済の側面が色濃いと言え、都のペースで協議を進めることは困難だ。
  今後、経営統合の詳細が明らかにされることになるが、内容次第では、新たな都議会での「火種」となる可能性は否定できない。
  一方、首都圏では、地銀最大手の横浜銀行横浜市)と都内が地盤の東日本銀行中央区)が16年4月の経営統合で合意するなど、銀行間の競争が激しさを増しており、そうした中での今回の動きは波紋を呼びそうだ。
  元東京都副知事の青山?飲(やすし)・明治大大学院教授は「銀行への不信感が募っていた当時、中小企業のためにとつくった銀行だったが、その目的を達したかというと厳しい評価をせざるを得ない。経営統合で長年の懸案にケリをつけるなら評価できる。新銀行東京により経営が支えられている中小企業もあり、統合したとしても支障がないよう努める必要がある」と指摘した。
  醍醐聡・東京大名誉教授(財務会計論)は「開業当初から赤字が続いているなど、銀行としての存在価値はないに等しい。融資を受けたり預金したりしている中小企業が保護されるか、統合時の条件を見極めることが重要だ」と話した。【山本浩資、山下俊輔、高木香奈】

これ「<新銀行東京>東京TYと経営統合交渉 東京都は経営撤退へ」と題した毎日新聞 5月26日(火)23時28分配信報道である。

 新銀行東京の評価は全く持って二分される。法を考えなければ、融資を受けた中小企業から見ればそれを作った石原元都知事は神様に見え、足を向けては寝られないだろうが、法に照らして、企業原理に基づいて考えればこんな理不尽な金融機関余りにもズサンで論評にも値しないくらい酷いモノだ。恥ずかしいくらいである。そう言う意味に於いてはは、それを作り東京都の公金を使った東京都知事だった石原慎太郎氏は特別背任に値し、糾弾されてもおかしくは無い。彼の論法は支離滅裂だった。リスクを考えず保全を取らない融資なんて破たんは当然の帰結だった。それを彼は新銀行の経営陣の能力に転嫁した事だった。金融機関の当たり前のルールに従わず、自分勝手に作り東京都の公金1000億円をドブ(融資を受けた中小企業から見れば地金)に捨てたも同然の所業である。それを誰も彼を糾弾しないのもおかしな事である。誰もが何に気を遣っているのか。甚だ疑問ではある。
 大体今回の新銀行の設立は経済界にとって見た場合は邪道と言っても良かった。正にこれは東京都知事だった石原慎太郎の独裁の証とも言え、我儘のなせるパフォーマンスの業だったと言って良い。唯それで終わってれば良かったが、その設立の責任を新銀行の経営陣になすり付けた彼は、知事としての全ての業績を否定する正に人間性の欠如をを表した証でもある。今を考えるに、彼にその新銀行東京の損失の一端を個人的に埋め合わせさせるよう、都議会も考える責任もあろうと私は思う。