原発事故後の賠償額算定方法の「一律50%ルール」の否定から存在の認めは「これが役人だ!」

 「文書はない」。否定からわずか1カ月、コピーを示されると一転して存在を認めた??。原発事故の賠償を裁判外で解決する手続き(原発ADR)を巡り、国の「原子力損害賠償紛争解決センター」が死亡慰謝料を「一律5割」とする内部文書を作成していた問題。センターは他にも、賠償額を算定するために多数の文書を作成しているが、公開していない。「すべて開示すべきだ」。被災者側の弁護士から批判の声が上がっている。【高島博之、関谷俊介】
 7月25日、センターの実務を担当する原子力損害賠償紛争和解仲介室の団藤丈士(じょうじ)室長は、取材に訪れた記者にA4判1枚のペーパーを手渡した。原発事故による避難で死亡した場合の慰謝料を「ほぼ一律に50%」と算定していることを指摘した7月9日の毎日新聞の記事に対する反論だった。「正しい理解を欠き、客観的事実にも反する内容で遺憾」と記載。「一律50%のルールは一切ありません」と語った。記者が文書の有無を確認したところ「そんなものございません」と言い切った。
 ところが、毎日新聞が「一律5割」と明記された内部文書を入手すると説明を一変させた。8月7日、コピーを示された団藤室長は「文書にはクレジット(作成者の名前)がないからよく分からないが、私が見ていなかったのかもしれない」と後退した。さらに「文書の管理ができていない。(センターは)弁護士の集合体なので行政文書(としてきちんと管理する)概念がない。どんな書類が行き来しているか問われても(分からない)」と開き直りとも言える主張を展開した。
 文書の存否を明言しないため確認を求めると、後日、団藤室長の部下の職員から記者に電話があった。「文書はありました。複数の調査官が持っている」。公文書管理法は「職務上作成し、組織的に用いるものとして保有するもの」を行政文書と定めており、情報公開請求の対象となる。複数が所持しているなら、行政文書に該当する可能性が高い。このため、記者が「行政文書であり開示すべきだ」と言うと、職員は「個人の興味(で作成されたメモ)の可能性もある」と述べ、開示対象とならないとする独自の見解を示した。

これ『原発賠償:原発ADR「一律5割」 国の説明、二転三転』と題した毎日新聞30日2:30の不動記事である。

 これらの詳細は他者に譲るとして私は、役人の真髄を見た。これ等その見本である。一言で言えば何の事無い役人特有の「自己責任の回避」そのものである。とにかくやる前から責任の所在への議論のみである。どうすれば自分のところに責任が来ないのか、仕事とは「責任の回避」のテクニック、手法を考える事だけである。主人公は国民市民ではない。ある意味自分たちである。この補償問題だって、事故当時の義捐金問題を即交付も出来なかった事と合わせて、全てが自分たちに降りかかって来る責任への回避そのものである。だから誰にへもそれなりのも文句はあろうが、かと言ってまるっきりの落ち度とも言われない足して2で割る「一律50%ルール」見たいのを考えたのであろう。彼ららしい発想である。しかし、本当の意味の斬新らしさは、それがある限り皆無であろうし、それが役人と言うものである。