東京湾北部地震 予想されるなら何故対策を?

 都心部、想定外の震度7も…東京湾北部地震でと題した記事が次のように読売からあった。
 
 首都直下で起こる東京湾北部地震で、これまで想定していなかった震度7の揺れが都心部を襲う可能性があることが分かった。
 文部科学省が進めてきた地下構造調査で、地震を起こすプレート(地球を覆う岩板)の境界が約10キロ浅くなる部分があると判明したため。国は新年度、被害想定と対策の見直しを始める。
 東京湾北部地震は、国の中央防災会議が18通りの発生領域を想定している首都直下地震の一つ。震源は陸のプレートと、その下に沈み込むフィリピン海プレートの境界で、規模はマグニチュード(M)7・3。同会議が2004年に公表した震度分布の最大震度は6強だった。
 しかし、大学や研究機関などが参加する文科省の研究チームが07~11年度、首都圏約300地点に地震計を設置し、地震波を解析した結果、東京湾北部のプレート境界の深さが、同会議の想定(30~40キロ)より約10キロ浅くなる部分があることが確認された。
 
 
 私の嫌いな言葉に「想定外」と言う言葉がある。何故に嫌いか、それは、この度3.11の東日本大震災でさも当然の如くに何度も語られたからに他ならない。暴論かも知れないが、私は何度も叫ばれたこの「想定外」と言う言葉、何か行政の責任逃れの言葉に聞こえたからである。
 
 今回のこの「想定外」と言う言葉、いい例がある。宮城県石巻市で生徒の7割近くが津波で亡くなった大川小学校の「地震マニュアル」である。この小学校では恐ろしい事にこの「地震マニュアル」が無かったのである。教育委員会をはじめとする、行政側が、どの自治体でもあった地震の安全マニュアル無かったのである。一番被害を受けやすい河口岸にありながらである。基本となる安全マニュアルが無いのに「想定外」と言う言葉が先行したのである。つまり最低限度の基本さえ無いのにである。これ人災と言わないで何と言おうか。これ正に大人の責任である。
 
 視点を変えれば、東電福島第一原発の被害もそうである。「想定外」と言うからには、じゃぁ、どこまで想定したのかとも言いたい。
 思うに今回の被害を見れば、「想定外」どころか何も考えずにこの原発を造ったのではと思う。でなければ、津波を予想して、緊急時の原発冷温対策における最も安全対策上の、緊急発電機施設を津波到達高さに置く訳が無いからである。同じ条件の東北電の女川原発が免れたのにである。要するに原発は安全だの先入観による相対観念を失い、何が「想定外」だったのかと言いたい。
 
 これらから考えるに、もし、今都心部にそれこそ「想定外」の震度7以上の地震があったら、それこそ、今回の東日本大震災、そして20数年前の阪神淡路大震災の比では無いだろう。これはもう「想定外」では無いのである。それこそ100%の確率で起こるのである。
 
それこそ政府と行政、ひいては関東圏民の方々も少し現実を見つめなければ、その予想される被害、もうそこまで来ているのである。