民(国民)が望んだ民主党の「マニフェスト」潰したの誰だ!

 先ほど年金支給開始年齢 引き上げ検討へと題したニュースが流れた。NHKニュースである。厚生労働省は、年金の支給開始年齢について、急速に進む少子高齢化に対応するには、将来的に68歳から70歳程度へ引き上げることを視野に検討を進める必要があるとして、今週から本格的な議論を始める方針だそうである。これはまるで詐欺である。
 
 最近の歳入減と歳出削減に踏み込んだのが、紛れも無い2年前の民主党の「マニフェスト」であった。もう一度おさらいして見たい。
 
子ども手当・出産支援(年額31.2万円の子ども手当、出産一時金)
公立高校の実質無償化(私立高校生にも相当額助成)
年金制度の改革(年金記録問題への対応、新たな年金制度の創設)
医療・介護の再生(医師不足の解消、新型インフルエンザ対策等、介護労働者の待遇改)
農業の戸別所得補償(販売農家を対象に所得を補償)
暫定税率の廃止(ガソリン税などの暫定税率の廃止・減税)
高速道路の無料化(原則として、高速道路を無料化)
雇用対策(雇用保険非正規労働者に拡大適用、求職者支援等)
所要額概算として平成22年度7.1兆円、平成23年度12.6兆円、平成24年度13.2兆円、平成25年度13.2兆円そして上記以外の政策として(後期高齢者医療制度廃止、大学奨学金拡充、最低賃金引き上げ、中小企業支援等)に平成25年度3.6兆円となっていたのである。が、この2年間でそれぞれ試行錯誤を繰り返したが、結局出来ずに終わってしまった。
 
 何故出来なかったのか。出来なかったと言うより潰されたのである。ではそれは誰か。言うまでも無いその犯人は大きく分けて5人いる。まず最大の犯人は財務省を初めとする各省庁の官僚・役人である。彼らは明治以来の日本の国は官僚が司ってる的、どっぷりと頭と体が浸かって、染み付いた体質破壊の回避による策略、それに乗っかった記者クラブのマスコミ、また同じく55年体制以来の既得権維持のための自民党、それにキャステングボードをてこに与党の甘汁が忘れられない公明党、それに民主党のご存知反小沢の5人衆(菅直人岡田克也、前原誠二、仙谷義人、玄葉光一郎)である。この5人衆は単純にただ小沢嫌いだけの理由で、野党の自公と組み潰したのである。その証として歳出削減に、パフォーマンス的事業仕分けをやったに過ぎず、何1つこの5人衆は歳出削減に努力した形跡0である。
 権勢常道の衆議院300以上を有しながらである。いかに民(国民)の為にと言う公僕の意識は全く無かったのである。
 
 何も難しい事は無かった筈である。何を官僚に気を遣ったのか。官僚にそっぽを向かれれば、鳩山元首相を見る鏡と考えたのか。赤信号皆でも用心深くしても渡らない官僚に気遣ったとしか考えられない。重大な失政である。
 
 私は今この官僚と政権運営について、韓流ドラマ「イ・サン」に重ね合わせている。
 見た事が無い人のために、そのあらすじを示せば次の様になる。
 このドラマ「イ・サン」は李氏朝鮮王朝22代国王である正祖(チョンジョ)(イ・サン)を主人公とした時代劇ドラマである。サンの即位を阻止しようとする官僚的派閥「老論(のろん)派」の陰謀、即位後も常に命を狙われつつ、政治の改革に着手するサンの波乱に富んだストーリーである。私は面白くて毎回3部くらい録画をブルーレイに落としている。何が面白いかと言うと、この王「イ・サン」が政務の官僚を「民」を主体に考えない輩を次々と失脚させ、代わりに「民」を思う新しい官僚を登用し政治の改革を成し遂げる事である。私はこのストーリーが今の政治にも当てはめたらと思うとゾクゾクしながら楽しんで見てるのである。このドラマではないが、現在のどっぷりと染まった官僚を全部クビにして先日経済産業省を辞任した、古賀さんのような人材を登用し改革したらどうなっただろうかと思うと本当に愉快である。
 
 冗談別に、もし小沢一郎が首相だったら、このような事出来たかも知れないと思っていながらまた今日も「イ・サン」を見てる私である。
 
 

※「イ・サン」(全77話 10/9第25回) 地上波NHK総合日曜23:00~24:00