国家予算何故税制改革を成したオーストラリアを見習わないのか

 国の来年度予算案の概算要求がまとまり、財務省は、高齢化で「社会保障費」が膨らんだことなどから、一般会計の総額は今年度予算よりも6兆6380億円増え、過去最大の99兆2500億円になったと発表しました。
 財務省は、先月末に締め切られた来年度予算案の概算要求の総額を4日発表しました。
 内訳を見ますと、医療や年金などの「社会保障費」は、高齢化の進展で今年度予算の28兆4000億円に比べほぼ1兆円増えるほか、成長戦略などの重点政策について別枠で要求を受け付ける「優先課題推進枠」は、各省庁が、ほぼ上限にあたる要求をしたため、3兆5170億円となりました。
 また、国の借金の元利払いに充てる「国債費」は、3兆370億円多い25兆2790億円でした。
 その結果、一般会計の総額は、今年度予算よりも6兆6380億円増え、過去最大の99兆2500億円となりました。
 消費税率を引き上げるかどうかが決まっていないため、今回の概算要求では、消費増税分を見込むとしている待機児童対策などの事業に具体的な金額が盛り込まれておらず、引き上げることになれば、歳出はさらに膨らむ可能性があり、どう歳出を抑えるかが大きな課題となります。
 これについて、山口俊一財務副大臣は、会見で、「財政健全化のための中期財政計画に反することになれば、国民から見放される。施策を含め抜本的に見直し、厳しくメリハリを付けていく」と述べました。
 

これ「国の来年度の概算要求 99兆2500億円に」と題したNHKニュースの報道である。
 

 財政を立て直したオーストラリアの改革手法を端的に現せば、日本の概算要求みたいな、「欲しいもの、やって欲しい事を列挙せよ」式では無い。こんな官僚的、役人的な発想では無く、もっと簡単な民間的発想である。オーストラリアは何も難しい事やった訳では決して無い。つまり、あなたのところでは来年度はこのくらいの予算に致しますから、考えてその予算に収まるように頑張って下さいと言う事だけである。本当に理に適ってる。これしかないのでこれでと言う当たり前の事である。何故我日本国では出来無いのか。端的に言えば自分が悪者になりたくないからである。自分の金じゃないから「あなたのところはこの位にしてもらいます」と言えない訳である。さも頑張ったがどうしようもなく、何とか堪えて下さいと言う様なパフォーマンスを演じている訳である。そうする事によって、この厳しい予算を真剣に考えてやっていると見せているのである。私に言わせれば何の事無い自己責任の回避であり、役人特有の「皆で渡ろう赤信号」である。
 余談であるが私はいつもこの霞が関の官僚達を批判し卑下してる訳でも無い。私はいつか紹介した事があるが、大学浪人中(昭和41年)東京で学費を稼ぐため、当時のデパートでお歳暮の配達のアルバイトをした時があった。その時に、今で言う霞が関の官僚の一番働く省庁の係長のお宅にお歳暮の配達した事がある。余りの寒さに閉口して苦しんで配達してるのを見かねた、係長と思われる奥様に、同郷のよしみだったろうが温かい飲み物を頂いた事があったが、その奥様のお話を聞いて、大変壮絶な宮仕えの話を聞いて、本当に大変尊敬される職業だと思った事があった。当時私も若かったから、そして大学浪人である。その受けた影響ははかり知れなかったのは事実である。ただそれで終わってれば良かったろうが、ここからがまずいのである。事実霞が関の官僚は予算時になれば、それこそ人間の生活とは言えない壮絶な生活である。余りの忙しさに病気等してられない。そんな忙しさである。但し、それも係長以下の若い役人たちだけである。じゃあ課長補佐や課長以上の管理職は何をやってるかと言えば、彼らは課の総括だから、忙しい事は忙しいが、実務を係長以下に指示しやらせて、一応徹夜仕事は免れる。じゃあ係長以下の若い役人たちは何の使命感で仕事をしてるのかと、言えば、現職の課長以上の役付きのように、実務をしなくて良いし、今までの壮絶な仕事に対する、お礼やボーナスの代わりに、楽をして定年後もゆっくりと称した、「天下り」と言うおいしい第二の人生が待っているからである。私はそれを見てからである。官僚・役人を毛嫌いするようになったのは。だったら係長以下の若い役人たちにそれ相応の報酬を払い、天下りを廃止と考えるようになったのである。