国家予算編成今もってバカな前年度比予算主義

 社会保障の財源確保と財政健全化を目指した消費税増税法が成立したが、現行5%の税率が2段階で2015年10月に10%に引き上げられても、国家財政の赤字体質は変わらない。
  財政健全化には歳出削減が欠かせないのに、野田内閣の取り組みは極めて不十分だ。国際公約となった20年度までの国・地方の基礎的財政収支プライマリーバランス)黒字化を実現するためにも、歳出削減の道筋を確かにする責務がある。
  同増税法の国会審議で、野田首相は税率10%は財政再建の第一歩にすぎない、と述べている。
 12年度、国の税収見込みは42兆円で90兆円余の予算の半分も賄うことができない。「国の歳出は、公債または借入金以外の歳入をもって、その財源としなければならない」とする財政法の原則を大きく踏み外している。
  大幅な歳入不足を目の当たりにすると、消費税10%は野田首相の言うように財政再建の一歩にすぎないが、問題は単年度の赤字にとどまらない。
 野田首相が昨年9月、国連総会で表明した基礎的財政収支との関係だ。首相は20年度までに国と地方を合わせた基礎的財政収支の黒字化、つまり国債の元利払いを除いた歳出を税収の範囲内に収めることを約束している。
  財政法の精神からは当然の国際公約だが、内閣府の試算によると、税率を10%に引き上げても20年度の収支は16兆6千億円の赤字になるという。消費税に換算すると6%分で、安住財務相からは早くも再増税を視野に入れたような発言が出ている。
  消費税10%に対しても国民の反発が強いのに、それを超える税率の論議は現実的ではない。今、優先すべきは歳出削減ではないか。
 民主党政権はこの3年間、歳出削減を課題に掲げたものの、その実績は09年衆院選マニフェスト政権公約)でうたった「徹底した無駄削減」には程遠い。鳴り物入りの「事業仕分け」なども中途半端で終わっている。
  政府、民主党は先日、13年度予算編成の基本方針を決めたが、膨らみ続ける歳出構造にどうメスを入れるかが問われる。それと同時に独立行政法人特別会計の統廃合などを通じて行政構造をスリム化することだ。
  求心力の低下した野田首相には荷の重いテーマだが、それができないと政権運営は困難さを増すに違いない。
 
 
これローカル高知新聞の社説の記事である。
 
 
 
 どうしてこうも日本の官僚や役人・公務員は前例を踏襲しようとするのか、やはりこれは前例を踏襲する事によって、冒険では無く前の例を提示する事によって、何の事は無い責任の回避である。要するにリスク回避である。これではミスは犯さない堅実経営は認めるがしかし、一歩踏み込んだ斬新なる政策も皆無に近い。こうやって自民党55年体制以来染み付いた役人根性が生まれてしまった。
 どうして、何故に、危機的財政を打破しようと、オーストラリアに見る財政ルールを定めた目標と予算マネジメントの改革をしなかったのだろうか。前記のように染み付いてしまった、役人根性が阻害してしまったのかも知れない。
 でも頭の良い官僚や役人・公務員である、オーストラリアに出来て何故日本で出来ないのか不思議である。我々素人でも解かる簡単な手法である。ある意味怠慢だったとしか思えない。
 ではそのオーストラリアはどうしたか。何の事は無い、実行できる予算書を作らなかったからである。前例は無視し、各担当省に「あなたの省は来年度○兆円でお願いします」と総理が一言言えば良いだけです。後は各省の独立採算制にすれば、必然的に歳入及び歳出は、その省で考えるから予算の上限も関係なくなる。何故出来ないのか、それは政治が官僚に全てを丸投げするからである。だからしがらみに縛られて出来なくなるのである。オーストラリアの手法をとれば官僚や役人・公務員自らが歳出の見直しをしなければやっていけなくなるのである。そうすれば初めて霞ヶ関のタブーと言われる、総務費の公務員の給料までも手を突っ込まざるを得なくなるのである。それをしない省はいづれ消えて行くしかなくなるのである。そうする事によりシロアリ退治も出来一石二鳥であり、目出度し目出度しとなるのである。そうさせないためにも日本の官僚や役人・公務員はスクラムを組み、政治家を操り国民を操っているのである。
 私は即提言したい、オーストラリアの財政改革を真似せよと。