政治資金規正法違反、菅首相小沢元党首より悪質

 菅首相資金管理団体を巡る献金問題が、政権の新たな火種になってきた。
 自民党の追及に首相は逃げの姿勢を示し、民主党内からも説明責任を果たすよう求める声が突きつけられている。この問題は終盤国会の大きな焦点に浮上しそうだ。
 「菅首相の『政治とカネ』の問題を追及し、いかに首相にふさわしくないかを国民に示すつもりだ」
 自民党脇雅史参院国会対策委員長は27日、記者団にこう述べ、国会で首相の献金問題を徹底追及する方針を強調した。追及の場には、参院東日本大震災復興特別委員会や、8月11日に「当面の課題」をテーマに開く参院予算委員会の集中審議などを想定している。
 首相が抱える献金問題は二つある。
 首相の資金管理団体草志会」(東京都武蔵野市)は、在日韓国人系金融機関の中央商銀信用組合横浜市)の元理事から計104万円の献金を受領・返金したが、在日韓国人からの献金は外国人からの献金を禁じた政治資金規正法に触れる問題で、東日本大震災当日の3月11日に明るみに出た。
 もう一つは、日本人拉致事件の容疑者親族が関係する政治団体市民の党」と連携している政治団体政権交代をめざす市民の会」(市民の会、神奈川県座間市)に、草志会側が6000万円超の不透明な政治献金をしていた問題だ。との読売報道だ。

 菅首相は以前より「政治とカネ」問題には特に気を配り、そして、小沢氏の問題を特別視して攻撃して来た。また、今年には小沢氏に出処進退はご自分で判断をと、再三再四言って来たその首相本人が、本年の年頭の会見で次のような事も言っていたので、下記に紹介したい

 菅直人首相は、2011年1月4日、年頭の記者会見を開き、新年の挨拶をするとともに、「最小不幸社会」など国のあり方についての理念を提示した。また、「今年を『政治とカネ』の問題のけじめをつける年にしたい」と述べ、近く強制起訴される小沢一郎元代表に対して強い姿勢をのぞむことを強調した。
 菅首相が提示した国のあり方についての理念は、「平成23年(2011年)を平成の開国元年にする」「最小不幸社会を目指す」「不条理を正す政治」という3点。
 今年を明治維新や戦後に続く、日本人が世界に羽ばたく開国元年として、そのために貧困・失業といった「不幸」になる要素を「最小化」することが何よりも必要だと説明。今後の社会保障に必要な財源の確保のために消費税を含む税制改革をしなければならないと、超党派の議論を野党に呼びかけた。
 さらに正すべき不条理として、「政治とカネ」の問題に言及。菅首相は「今年を『政治とカネ』の問題のけじめをつける年にしたい」と明言し、小沢元代表に対して強気の姿勢をみせた。「小沢氏が強制起訴になった場合はどうするか?」という記者からの質問に対して、菅首相は「起訴が実際に行われたら、本人が政治家としての出処進退を明らかにして、裁判に専念にされるのであればそうされるべき」と、民主党離党や議員辞職を含めた対応を小沢氏に促した。と発言してたのである。
 

 その菅直人首相がよりによって、この「政治とカネ」の問題を「不条理」とまで断言してたのである。
 その「不条理」を一番糾弾してた菅首相本人が「政治とカネ」の問題に対して前記の報道のような違反をしてたとは、何をかいわんやである。これでは小沢問題より悪質である。とても他人の事言えた義理ではないだろう。これなんか小沢問題以上に、もしかすれば刑事に発展する事件とも言えなくも無い。
 菅直人首相は今まで事と時ある如に小沢一郎を糾弾して来た。
 その首相がこれである。どのような申し開きをするのか、私はじかに聞いてみたい心境に駆られている。

 
※参考
【外国人からの献金を禁止】
 政治資金規正法は第22条で、政治団体が外国人から献金を受け取ることを禁じている。また、外国人や外国法人が株式の過半を所有する企業から献金を受け取ることも原則禁じている。違反した場合は3年以下の禁錮または50万円以下の罰金。有罪が確定した場合、選挙権や被選挙権といった公民権が停止される。
資金管理団体
 国会議員・地方議員・自治体首長など公職の候補者が政治資金の提供を受け、取り扱うために設置する団体。政治資金規正法に基づいて一人につき一団体のみ指定できる。資金管理団体は政治家個人の資金を管理する団体で、個人献金のみ受け取ることが認められ、企業献金・団体献金の受け取りは禁止されている。政党が設置する政治資金団体とは異なる。→政治献金
資金管理団体の代表は候補者本人が務める。資金管理団体への個人献金の年間限度額は一人あたり150万円。資金管理団体への企業・団体献金は平成12年(2000)1月から全面的に禁止されている。