福島原発被曝の作業員等、電力会社は口入屋?

 東京電力は24日東日本大震災で深刻な被害を受けた東京電力福島第1原子力発電3号機で、復旧作業中に作業員3人被曝した。そのうち、2人が関電工の社員で、1人が関電工の関連会社社員であることを明らかにした。また、入院した2人の作業員についても、同社社員という。
 
 電気工事業界は特殊で、普通工事と違い縦割りと横割りがキチッとすみ分けされている業界である。
 
 日本の電力は一般電気事業者と言う規制の下、事業範囲が地方ごとに北海道電力東北電力東京電力北陸電力中部電力関西電力中国電力四国電力九州電力沖縄電力となっている。そして、この電力会社の電気工事は全て系列電気工事会社に請け負わせている。それがそれぞれ、北海道電気工事(北海道)、ユアテック(東北)、関電工(関東)、北陸電気工事(北陸)トーエネック(東海)、きんでん(関西)、中電工(四国)、九電工(九州)等である。
 
 これらの工事会社には、またそれぞれ下請け会社が連なっており、一番末端には、いわゆる1人事業者と言う零細の個人電気工事屋さん達が居るのである。皆さん達が見る道路の電柱の上で電気の工事しているのは、こう言う末端の電気屋さん達なのである。やる内容が同じでも工事金額はいくらもなくなるのである。殆んどが安い手間受け程度となる。何故なら前述した大手の電気工事業者は、各電力会社の天下りを押し付けられ、その経費を下請け業者にに払わせていると言っても良いのであり、現場には大手の電気工事会社の社員など居ないのである。だから今回のこの大震災の原発の修理も、特命で関電工なのであろうが、現場の作業員はこう言う末端の零細業者なのである。しかし、原発は電気と言っても、電気とは言えない特殊だから関電工の社員なのであろう。そう考えれば、実際現場を作業するためには、電力会社と大手の電気工事業者は自分の手を汚さない口入屋と言っても差し支えないと私は思う。ある意味、法に触らない独占事業と民間ゆえに、天下りと癒着による収賄等が許される特殊な事業なのである。

 また、このような事だから今回の被爆も現場の直接の作業員も、にわか仕立てのにわか安全詰め込みのせいでは、つまり原子力発電と言う特殊な慣れない工事だったのでは、未熟だったのではと私は考えている。
 
 

参考までに口入れ屋(くちいれや)日本大百科全書小学館)で調べてみると下記になる。
 江戸・明治時代の職業周旋業者。「口入れ」とは口を挟むことで、転じて仲介・周旋の意となったのは古代末期で、当時は「くにゅう」とよんだが、周旋が職業となっていたかは不明。営利事業としては中世末~近世初期に発達し、近世中期には「くちいれ」の訓読みが始まる。入口(いれくち)、肝煎(きもいり)、慶庵(けいあん)、人入れ、女衒(ぜげん)などの呼称があり、求人先の身分や求人の職種・性別によって口入れ屋にも専門的分野があった。正規の奉公人には請人(うけにん)(保証人)の証文を入れて紹介手数料を徴収した。特殊な形態に寄子(よりこ)制の職業における寄親(よりおや)がある。明治以後は営業の行政監督が強化されるとともに公益的紹介業の発達をみ、1938年(昭和13)の職業紹介法改正による国営化のため転廃業し、やがて消滅した。