リニア工事でゼネコンの幹部が逮捕 工事調整(巷ではこれを談合と呼ぶ)は必要悪?

 リニア工事のような高度な技術を必要とする工事で談合が問われたケースはまれだ。立証に向けたハードルも高いとみられていただけに、スーパーゼネコン幹部2人が逮捕される事態に業界に衝撃が走った。
 「これが談合といわれるなら、もうリニアには手を出しづらくなる。大成と鹿島が徹底抗戦したくなる気持ちは分かる」。リニア工事を受注した準大手のゼネコン関係者は、戸惑いを隠せない様子で語る。別のゼネコン関係者は「JR東海は積算や設計をゼネコンに手伝わせていた。工法の研究対象が重ならないよう情報交換をしてもいけないのか」と嘆いた。
 「うちはあの工区、一生懸命やっていますよ。そちらはどうですか」「うちは手がいっぱいですよ」-。鹿島建設の幹部によれば、大手4社の営業担当者は月に1回、東京都内の会合で顔を合わせた際、こうした情報を交換していた。
 不正な受注調整を否定しながら、幹部が逮捕された大成は「約3カ月にわたり任意で応じているにもかかわらず逮捕され、到底承服いたしかねる」と怒りをあらわにした。大成の関係者は「公判でも徹底的に戦う」と検察との対決姿勢を鮮明にしている。
 一方、検察幹部の一人は立件の意義をこう強調した。「9兆円の国家事業でなれ合いをしていたことが信じられない。こんなことをしていたら社会が腐り、日本企業の競争力が損なわれてしまう」
 
 
これ『「これが談合ならリニアできない」 ゼネコン衝撃』と題した産経新聞3/3() 9:02の配信記事である。
 
 
何かが違う。
何10年も建設に携わった者としては、どうしても解らない。何故日本と言う国はこうも本音と建て前を使い分ける民族なのだろうか。
普段の零細の建設業者として考えれば、ゼネコンのやり方には正直怒りさえ覚えるが、純真に工事の施工技術の能力の高さには舌を巻く位、尊敬はしないが感嘆さえ覚える。我々零細中小の建設業者が何10も束になってかかっても、決してやれない事をゼネコンはやる。もはやこれは芸術に近い。それに特殊技術工事等は設計の段階からこのゼネコンが関与してるのが実態なのである。それを平等の原則から我々中小の業者が対等に闘おうとしても、所詮は技術力や資本力で月とスッポンの違いなのである。もしこの工事調整(巷ではこれを談合と呼ぶ)が行なわれなく、ゼネコンがこれらの工事から手を引けば、この大事業の完成は恐らく出来ず絵に描いた餅となるは必定である。これが全国の特殊工事と言われる全ての工事がゼネコンの手の内にある現実なのである。もう事業計画段階からこれらゼネコンが関与してるこの現状を無視は出来ないのである。時にはそれを事前に鼻にかけるこれらゼネコンの姿程憎らしいのは無いのだがしょうがないのである。だから建前では談合は悪とは思うが、どうしようもない現実と言え、必要悪?と言われても反論は出来ないものと考えざるを得ないのである。