小沢幹事長参議院選複数定員区複数擁立その真意は

 表題の記事を書く前にあらかじめ断っておきたいが、何度も小沢一郎について書いて来た私としては、現在までの鳩山首相の宰相としての言動を見るにつけ、政治に「~してたら、~してれば」と言う言葉は禁句ではあるが、もし、その言葉を使わせて頂くなら、一度でいい、小沢一郎が宰相だったらと何度思ったことか。いや、これからでもいい許せるならと思っている私である事を初めに明言しておきたい。
 先月民主党小沢幹事長は7月の参議院選挙において、2人の定員の12の選挙区に2人擁立する事を言明した。前原国土交通相は支持率が落ちている今、共倒れの危険性有りとして反対を表明しているが、大方のマスコミやジャーナリストは一様に賛同の意を表しているが、そこが小沢の小沢たる所以と私は思っている。
 それでは小沢の狙いは何処に?。小沢にとって参議院選は政治家最後のご奉公と決めているフシがある。だからこそフィフティフィフティの戦いは好まず、最後の仕上げとしたのが複数定員区複数擁立だ。それは自民党時代に彼は、自ら進んで自民党を離党したのでは無く、既得権益を持った一部の議員に追い出されたのだと言う思いが自民党を徹底的に叩き潰す事に政治生命を賭けたと言って良い、時には理由付けの無い理由からと思えば少しは納得がいくのかも知れない。
 4月1日付けの毎日新聞電子版によれば、【京都では府連が推していた女性を拒否し、昨年の衆院選で初当選した河上満栄衆院議員(比例代表近畿ブロック)をくら替えさせる。衆院選比例 代表近畿ブロックの民主党候補は全員当選し、繰り上げ当選者がいないため、河上氏がくら替えすれば同党は衆院で1議席減となる。衆院選での民意を重く見な い異例の対応には批判も出そう。】とあるが、小沢が何を考えているか解る一番の事例である。
 政権を磐石なものにするには痛み分け的甘い戦法では勝利はおぼつかない。勝利する事で徹底的に自民党を叩く事が出来ると共に「2人擁立」は、自陣の参院現職に「中選挙区制的ぬるま湯」を許さぬという事であり、安全策に逃げる自民党も受けて立つべきであろうと思う。
 今回の複数擁立は見方を変えれば、複数と見ず、あくまで1人区のつもりで戦い、後の候補者は小沢自身が請け負うと見れば皆さんどう思われるだろう。つまり、2人目は皆さんに迷惑をかけず、小沢が仕切るという事になれば、誰も文句は無いと思うし、小沢自身がそれらしき事を言っているのも事実である。もしそうなら、田中角栄直伝の戦法ドブ板選挙そのものを民主党の議員は見直すべきと私は考える。しかし、小沢と言う男恐ろしい男と私は考えるし、このまま終わらせたくは無い政治家ではある。