勝ち過ぎた自民党の苦悩

自民党はちょっと勝ちすぎた感もなきにしもあらずだ」
 谷垣禎一法相は21日夜、都内で開かれた自民党所属議員のパーティーであいさつし、昨年末の衆院選自民党大勝についてこう漏らした。また「119人と大量に新人が当選したが、こんなに振幅の多い選挙をやっていて本当に良いのか。若い政治家が育つのか」とも述べた。
 谷垣氏は、昨年9月の自民党総裁選に、再選への意欲を見せながらも断念に追い込まれ、その後の衆院選の陣頭指揮に立つことができなかった。
 これに対し、衆院選を指揮した石破茂幹事長は「結果は結果としてある」と反論。衆院初当選組を対象に22日から本格化する党主導の「新人教育」を前に「(新人は)なぜ国会議員になれたのか忘れないでほしい。当選1回だから何も分からないとなれば、選挙区の有権者に申し訳ない」と強調した。
 
 
産経の報道である。
 
 
 谷垣禎一法相ならず共、皆そう思っている事だろうと理解する。特に政治信条、性格的に似ている、石破幹事長等本格派たちの共通の認識である。
 この状態は、大学の教養課程経ずに専門課程に進学したようなものである。3年前の政権交代時に大量当選した新人議員に苦慮し、民主党の当時の小沢幹事長がやろうとした事を今石破幹事長がやろうとしているのである。がしかし、政治を志した人間に今何を教えようとしているのか。少なくとも議員を志した時点で、最低の常識である、憲法や条約、法律、規則規定等は理解済みであろうから、後は議員としての最低のルールの叩き込みしかないだろう。裏を返せば、議員としての裏の駆け引きを覚えよと、石破幹事長は言ってるようにも私には聞こえる。つまり、善し悪し別にアウンの呼吸であろうと解釈せざるを得ないのである。ここが民主党小沢幹事長との違いと思われる。
 同じ新人教育なれど、この2人の教育方針は、全く対照である。小沢さんの場合の議員としての最低条件は、2度目に必ず赤じゅうたんに帰って来るための教育であるが、石破さんの場合は、それこそ学校教育的教育方針である。つまり本音と建前の教育であるが、どちらがどうだとは言えないが、議員としての本分から考えるに、まずその資格が入口と考えるならば私は、それこそ善し悪し別にと考えれば、小沢さんの考えに共鳴する。問題はその後にと考えれば、その善し悪しはその議員の資質に依存するからである。