改憲に絡んだ首相発言が完全にひっくり返ってしまいましたが、むしろその事実の方が問題かもしれません。詳細は以下から。
◆当日に石破氏からも突っ込まれた「6割以上が協力を拒否」発言
なお、同日に防衛相の経験のある石破茂元幹事長は「『憲法違反なんで自衛隊の募集に協力しない』と言った自治体を私は知らない」と語り、「去年は自衛隊を憲法違反と言っている学者がいるから、憲法を変えるという論法だった。今年は自衛隊募集に協力しない自治体があるから、憲法を変えるという論法だった」とも指摘しています。
◆岩屋防衛相が首相発言を否定
岩屋防衛相によると、募集対象者の情報提供について、全国1741市区町村のうち、4割から氏名や住所などの資料提供がある他、「3割は(自治体が)該当情報を抽出して閲覧」、「2割は防衛省職員が全部を閲覧して自ら抽出しなければならない」、「1割はそういう協力もいただけていない」と述べており、実際には約9割の自治体が防衛省職員の住民基本台帳閲覧を認めています。
◆自治体の「9割が協力」そのものが問題という指摘
これはつまり、先日大きな反響となったTポイントカードをはじめとする大手ポイントカード会社などが利用規約への明示もなく、令状無しでの捜査当局への情報提供を行っていた問題と同じ構図なのではないかという話です。
しかも任意に加入する民間のポイントカード会社と違い、住んでいる自治体の住民基本台帳には否応なく個人情報が掲載される事になります。そうした個人情報が、本人の了解を得ずに防衛省に利用されている状況はより深刻と言えるのかもしれません。
【2/13 17:20追記】
安倍首相が2月13日の衆院予算委員会で、自衛官の募集について「6割以上の自治体は法令に基づく防衛相の求めに応じず、資料を提出していない。募集に対する協力の現状は誠に残念と言わざるを得ない」と発言しました。
進んで募集対象者の個人情報を提供しなければ、例え住民基本台帳の閲覧を認めていたとしても協力には当たらないとする立場を鮮明にした事になります。
驚く他無い。15年も前に制定した個人情保護法、行政が個人の権利利益を保護することを目的として、氏名、住所、生年月日などの個人に関するあらゆる情報を適正に扱う事が当然の情報が、権力者である国の宰相の意如何で自由に扱える事がそもそもおかしく、尚且つそれを自らの政策(改憲)に利用する事を可能にし、又それのその如何が政策の実現の手段に利用とは、我が日本国は共産主義社会の独裁国家になったのか?
私は以前よりこの個人情保護法はそれこそ国・行政の特に検察・警察の捜査のメリットのためだけに利用するために制定したもので、反対だった。でもそれの作成出来る行政機構だけへの制裁法だと思っていたが、国民にも制裁となれば、やはり現実悪法以外の何物でもない。考えて見れば、道交法と同じく解らなければ制裁されないこの法、作成し閲覧出来得る身近に居る役所を思えば自宅に泥棒を飼っているに等しく、国は再考が必要ではと私は思う。