「2012年の総裁選では石破茂氏に地方票でリードを許した。総裁選後の石破氏の影響力を抑えるためにも、地方票でも負けるわけにはいかない」
自民党総裁選は1人1票の国会議員票(今回405票)と、同数の地方票で争う。
●現政権は「貴族の政治」
安倍首相は8月26日に訪問先の鹿児島県で立候補を正式表明する方針だ。鹿児島を選んだのにも、地方重視の姿勢を示す狙いがあると見られている。
石破陣営は石破派(20人)に加え、竹下派(55人)の一部の支持を取りつけたが、国会議員票では安倍首相に遠く及ばない。ただ、石破陣営に感触を尋ねると、具体的な回答は避けたが、
「石破派の幹部の顔はみんな明るいですよ」(石破派の議員)
政治ジャーナリストの鈴木哲夫さんはこう話す。
「岸田派(48人)のなかには、岸田文雄氏の不出馬の判断をいいと思わない若手もいて、一枚岩ではない。石原派のなかにも石破支持はいる。無派閥(73人)の半分は安倍3選支持と言われるが、残り半分はわからない。石破氏は12年(国会議員票34票)を大きく上回り、3桁に届く可能性は十分にある」
地方票はどうなのか。石破派の議員は自信をのぞかせた。
「自民党が野党だった12年の総裁選とは違い、相手は現職の総理大臣。前回ほど票を集めることは難しいと見ているが、反応はとてもいい。アベノミクスの実感が地方にはなく、地方から見れば安倍政権は貴族の政治のように映っている。首相周辺のお友達は何をしても許され、問題は官僚に押しつけられ、財務省の公文書改竄に至っては自殺者まで出た。それでいて政治家は誰も責任を取らない」
●離党する覚悟で戦って
前出の鈴木さんが続ける。
「石破氏が地方票の半分をとれれば国会議員票と合わせ全体の4割近くとなり、安倍圧勝とは言えない。総裁任期は党則で3期9年まで。安倍首相は3選してもレームダック化する。公明党の反対で来夏の参院選まで憲法改正に着手できず、そこで負けて安倍退陣となれば、今回の総裁選の結果次第では一気に石破総理誕生もあり得る」
石破氏は8月10日、すでに総裁選への出馬を表明している。政策論戦に持ち込みたいが、
出るからには勝たねばならない。石破氏は出馬会見で「正直、公正」な政治姿勢を主張したが、政治評論家の森田実さんは、「この言葉は森友・加計学園問題を巡る安倍政権の対応を指すのは明らかだ。はっきりと、安倍政治のウソに反対するなどと言うべきだ。負けたら最後、離党する覚悟で戦ってほしい」
「安倍圧勝」という報道が目立つ。石破派議員の一人は、「安倍圧勝。石破派は選挙後に壊滅と書いといてください」
相手は緩んだままがいい。いわば「負けたふり作戦」とでも言うべきか。(編集部・澤田晃宏)※AERA 2018年9月3日号
これ『「安倍圧勝と書いてよ」 石破陣営が自民党総裁選で負けたふり作戦 勝機は?』と題したAERAdot
8/25(土) 12:10の配信記事である。
戦後の自民党史にあって、対抗馬不在に近い状況でこんなにも嫌われた総裁も珍しい。確かに現選挙制度に救われた感は事実だが、対抗馬の石破さんと比べては見た目は確かに良いが、国会答弁を聞いてもあの滑舌の甲高い何を言ってるか解らない発言を聞くに、ジックリくどい位ゆっくりハッキリ発言する石破さんと比べたら最初から勝負にはならないだろうと思う。それに政策論争一つとっても安倍さんの負は明らかである。だからこそ解ってるからテレビ局が討論会を計画しても逃げ回ってる訳だ。今まででは現職総裁としては珍しい限りである。どうしてこんな男が長期の政権を維持してるのか私には理解できない。それにマスコミや国民も良くこんな事を許してると思う。こんな寛大な国や国民は居ない筈だが、このように実際は居るのである。何と運の良い男だ。これは自民党はもとより国会議員の質の低下と言えるだろう。