「総理大臣を指名する国会の長である議長経験者が、一閣僚となって総理の下についてしまっては、国会の品位が下がるのだよ」
「大蔵官僚出身で文科大臣2期をはじめ、財務大臣、労働大臣など4つの閣僚と幹事長を歴任して国権の最高機関である議長を経験した伊吹さんは現在の自民党で唯一、霞が関を信服させることができる人物。だから総理は文科相に白羽の矢を立てた。その伊吹さんに断わられたことで、政権を立て直すための改造人事の構想が完全に狂ってしまった」(内閣官房の中堅官僚)
ちなみに「10年前の安倍第一次政権で“閣議学級崩壊”となった時にも伊吹氏はベテラン大臣(文科相)として安倍首相を諌めたことがあった」(閣僚経験者)というのも因果を感じさせる。伊吹氏の行動は与党内に衝撃を与え、政権からの離反ドミノが始まっていった。
安倍首相は公明党をつなぎ止めるために留任が内定していた石井啓一・国交相に加えて、「2人目の入閣」を提案。何もせずに大臣ポストが増えるのだからこんなおいしい話はないはずだった。ところが、山口那津男・代表はこれを断わる。“お前の政権はもう死に体だ”と宣告されたに等しい。
「官邸は首相の政敵である石破茂氏、政権の救世主として期待された小泉進次郎氏にも間接的に入閣の意向を探ったが、首を縦に振らなかった。そこで政権を維持するためには岸田氏を閣内にとどめておくことが必要だった。総理は岸田氏も留任を受けるものだと考えていたようだが、そうした流れを感じとって『党3役でなければ受けない』と留任を拒否した」
改造人事の真相は、本命に嫌われ、“泥船でもいいから大臣になりたい議員”を寄せ集めたのが実情だった。
つまり安倍さんはこの期に及んでも未だ自民党議員は内閣の権力者である自分の言う事を聞くと思っていたのだろう。断わられるとはつゆほどに思っていなかった。そこが今の安倍晋三と言う男の本質である。何も変わらず安倍1強は続いていると思っていた。がそうである事に気付いていたのか気付いていなかったのかは、誰も知る由もないが、大臣の要請は断られるとは思っていなかった事だけは事実であったろう。正直国民は安倍晋三に飽きている、と言うよりはあの軽々しい甲高い口の回らない滑舌言葉を信用してなかったと言った方が正解だ。それは今尚忖度問題の森友と加計学園問題での「真摯に丁寧に」と言葉では言いながらも、実際に行動では一向にそれの約束を行っていない総理大臣安倍晋三の「有言不実行」に国民は見限っていたと言った方が正しい。ある意味安倍総理は「裸の王様」に近い。さていつまで続くかが今後の焦点である。