御厨貴(みくりや たかし、1951年4月27日 - )・東大名誉教授の話 都民ファーストの会の大勝は、小池百合子都知事への積極的支持だけが要因とは考えられない。小池氏の政策には賛否両論がある。国政での自民党の批判票が相当程度、向かったととらえるべきだ。小池氏には出来過ぎの結果だ。次の都議選では議席を減らさざるを得ないだろう。
政策で政権浮揚をはかるには弾が尽きた感がある。憲法改正も、首相が思い描くような日程で進めるのは困難になったとみていい。首相が事態を打開するには早期の内閣改造か衆院解散しかないだろう。それでも効果は未知数だ。
首相にとって、唯一の救いは民進党が政権選択の受け皿になり得ていないことだ。自民党内にもすぐに首相に取って代わる存在がいない。とはいえ首相はこれから、針の穴を通すような厳しい政権運営を迫られる。じり貧かもしれない。
確かに現在の政権の危機は、上記の通りであり、誰も異論の余地はないが、
これには私は首を傾げる。現在の「安倍1強の因はそもそも小選挙区制度の弊害」と言えるもの。選挙の獲得投票数に比例しない歪のために、3割強の投票数で国会の議席の過半数を得られ、尚且つ、莫大な税金の政党助成金を党のトップが自由に出来るため、議員個人個人が党やトップを批判出来ずにこの元凶を招いたのである。それが「安倍1強を招いた」のである。この状況での都議選の惨敗である。当然に議員個人個人の今の気持ちは、現状改革の機運であろうと思われる。だとすれば内閣改造と言う旧来の手法で満足するのは大臣待望組位なもんであろう。ましてや、このような状況下で衆院解散をする馬鹿いる?
現状の憲法改正の出来る議員数を割る事が確実なリスクを冒してまで解散する?狂気の沙汰と私は思う。現状においては与党は国会閉会中審査に応ずる構えを見せているところをみると、総合的に自民にとっては打開策とはならず、この国会において何か終焉を迎えるような気がしてならない。