安倍内閣東京都議選の不利を衆議院の解散総選挙で焦点ボカしか?

 国政選挙4連勝と負け知らずの安倍晋三首相が72日投開票の東京都議選「惨敗」の予測に衝撃を受けている。
 
自民党は“善戦”でも現有の57議席から20以上減らす〉──自民党選対本部から官邸にそんな見通しが伝えられているのだ。
 実際、強まる一方の小池旋風で都議会自民党は崩壊寸前だ。都議選の前哨戦となった2月の千代田区長選では自民党候補がトリプルスコアで大敗。“都議会のドン”と小池百合子都知事に名指しされた内田茂・都議が引退に追い込まれ、都議会は百条委員会で石原慎太郎・元都知事の証人喚問を決定した。泥船の都議会自民党からは離党者が相次いでいる。
 都議選(定数127)は定数1千代田区から定数8の世田谷区までが混在するが、小池知事の「都民ファーストの会」は全選挙区に70人以上の候補を立てて過半数を狙う構えだ。自民党東京都連の選対スタッフの表情は引き攣っている。
「小池氏がそこまでの数の立候補者を立てるとなれば、自民党7つある1人区で全敗する可能性が高い。最低1議席は確保できると思われていた152人区も相当厳しくなる。このままでは20議席減どころか、過去最低だった2009年都議選の38議席を大きく割り込む歴史的大敗になるかもしれない」
 都連幹部から最新の選挙情勢の報告を受けた安倍首相は、「そこまで悪いのか」と絶句したという。
 10年前の第1安倍内閣当時、参院選大敗をきっかけに政権を失った経験がある安倍首相は「選挙常勝」に強いこだわりを持つ。講演でも、「私は国政選挙4連勝。これは、戦後では佐藤栄作・元総理と並ぶ」と選挙の強さを誇ってきた。
 地方選挙とはいえ首都決戦で大敗すれば、それが蟻の一穴となって政権基盤を揺るがす可能性がある。都議選は負けるわけにはいかないのだ。
 そこで、官邸では小池旋風にカウンターパンチを浴びせる秘策が練られている。「7月総選挙」だ。官邸に太いパイプを持つ永田町関係者が語る。
 
「永田町でも霞が関でも解散は秋以降とみられているが、官邸では早期解散論が消えていない。東京で小池旋風が吹き荒れているといっても、全国的に見れば安倍内閣の支持率は60%と高く、野党の蓮舫民進党はガタガタ。いま解散を打てば自民党の敗北はまず考えられない。
 メディアは総選挙報道シフトを敷き、都議選での小池新党vs都議会自民党という局地的な対立の構図をウヤムヤにできる。逆に、安倍首相が解散を先送りするほど総選挙のタイミングが難しくなる。国際情勢は不安定で、経済もいつ失速するかわからない。だから7月都議選に解散総選挙をぶつけてダブル選挙にするという案を官邸は捨てていない」
 都議選のために解散総選挙を打つとは本末転倒に思えるが、相対的に都政への注目度が下がるのは確かだろう。東京選出の自民党代議士は「都議選で大敗した後の総選挙は自民党には不利」とダブルを期待する言い方をする。
「都議選で自民党都議が大量に落選すれば次の総選挙での“選挙運動の手足”がなくなってしまう。現在、自民党は東京の衆院25小選挙区のうち22議席を持っているが、民進党がいくら弱いといっても、次の総選挙に共産党を含めた野党統一候補を立てられると自民党は東京で大きく議席を減らすことを覚悟しなければならない。その点、総選挙と都議選のダブルになれば都議と一緒にフルに選挙運動ができる。相乗効果は非常に高い」
 もうひとつ、「都議選ダブル」なら自民党に有利な現行制度で総選挙を行なうラストチャンスとなるかもしれない。
 国会では昨年、「1票の格差」是正のために衆院定数を10削減する法案が成立。定数減となるのは青森、鹿児島など自民党の地盤が強い県がほとんどであるため、定数削減前の現行制度での総選挙を求める声がある。
「仮に、総理が政府の区割り審議会の答申(527日が期限)が出される前の52326日に衆院を解散すれば、憲法40日以内の総選挙と定められているので、自民党議員の多くが望む現行の選挙制度下で72日投票の総選挙日程がギリギリ可能となる」(同前)
週刊ポスト2017317日号
 
 
これ「都議選 自民20議席以上減らす大敗予測に衆院解散で対抗か」と題したNEWS ポストセブン 3/6() 7:00の配信記事である
 
 
私にはこの専門家の予想には賛成出来ない。東京で野党共闘が成されれば東京都議選に拘わらず、自民は惨敗は確実な筈だ。そうなれば最初から不利な自民はダブルで総崩れは確実なのに何故都議選と絡めるのかが全然理解が出来ない。それでなくとも公明が小池知事と争わないと言うに、中央と東京は違うのか?かえって焦点をボカされた小池知事は有利になり圧勝の予測さえ考えられる。いづれにしても、もし東京都議選解散総選挙をぶつければ、かえって全国の野党共闘陣営が勢いを増すのではないかと私は思う。