◇熟柿を待つ
「自分は政局の一番中心にいる。党に任せるので、政局から離れた環境づくりを大事に、国民に理解してもらえるよう進めてほしい」。首相は10月26日、自民党の保岡興治憲法改正推進本部長と首相官邸で会い、党主導で国会の憲法論議が進むことに期待感を示した。
首相にとって改憲は、祖父の岸信介元首相以来の悲願だ。わずか1年の短命に終わった第1次政権の在任中、改憲手続きを定めた国民投票法を成立させると、第2次政権でも自ら旗振り役となって、改憲の必要性を訴え続けてきた。
その首相が、今年7月の参院選で勝利し、改憲への足掛かりを築くと、一転して憲法論議への深入りを避けている。「首相が改憲に言及するほど、野党からいろいろ言われる」(政府筋)との経験則から、自身の存在感を抑えることで、与野党の協調を促す作戦だ。
改憲は最終的に、国民投票で過半数の賛成を得る必要がある。その際、世論を二分する事態を避けるには、野党第1党の民進党との協調は不可欠だ。自民党の二階俊博幹事長は10月29日放送のBS番組で、「野党の理解を得るため最大限の努力をする。数が多いから(押し切る)、という道は取らない」と強調した。
公明党は、自民党が前のめりになることを警戒している。戦争放棄を定めた9条改正の是非に対し、両党の立場は相いれない。先月再開した党憲法調査会に関し、山口那津男代表は「ゼロから議論をスタートする」と強調。現行憲法を維持し、新たな項目を盛り込む「加憲」の論議に時間をかける姿勢を示すことで、自民党に慎重対応を促す狙いが透けて見える。
◇「安倍」改憲拒否で結束
民進党は、党内に改憲積極派と慎重派を抱える。「安倍政権の改憲論議には参加できない」とのスタンスは、改憲の是非に踏み込まず、党の結束を維持する苦肉の策だ。共産、自由、社民各党との共闘の基盤にもなっている。
「立憲主義がどういうものかという認識を各党で共有しないと(いけない)。そこがずれたまま憲法を審議し、改憲の発議に向かっていくのは難しい」。民進党の蓮舫代表は10月27日の記者会見でこう述べ、自民党をけん制した。
蓮舫氏の発言の下地は、昨年6月の衆院憲法審査会の参考人質疑にある。立憲主義をテーマにした意見聴取では、与党推薦を含む参考人全員が安全保障関連法を「憲法違反」と批判した。安保法反対で野党共闘態勢が固まると同時に、国会の憲法論議が停滞するきっかけとなった。
これに対し、日本維新の会は、他の野党と一線を画し、改憲姿勢を鮮明にすることで存在感を発揮したい考え。統治機構改革や憲法裁判所設置などを盛り込んだ独自の改憲案を取りまとめたほか、党幹部が衆参両院の憲法審査会長に早期の議論再開を直談判している。
国会議員は日本語解っているのか。
日本国憲法9条の条文を下記に示す。
第2章 戦争の放棄
第9条日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
これが憲法9条の条文だ。
私はこの条文を見て決して時代に合わなく、しかも戦後の敗戦国の占領下の押し付け憲法とは理解してない。
決して今後生活し得る内においては精神的にも何んの不都合も感じないし、古いとも思わない。何でこの条文に拘るのかも失敬だが解らない。改憲と言うよりは、不都合があったと民主的に思ったのだったら加筆したらと思う。何も意固地に改める事無いのではとも思っている。遅ればせながら私は改憲派でも護憲派でもない。自然に今の条文が本当に不都合なのかと考える人間である。そう言う意味においては、改憲に血眼になる安倍首相の考えが解らないのである。強いて言えば、前記記事にあるように、爺の岸信介元首相の遺言を全うするだけの意味しか無い、言わば自分勝手の、岸・安倍家の都合ではないのか。
たかがそんな事のためにこの日本の日本国民が国を二分して争わなければならないと言うのには、私は我慢がならないのである。
この決着は最後に行われる国民投票によって決まる事になっている。私は粛々とそれに基づき、否決したいし、それで自分勝手に何事も出来無い事を見せつけてやりたい。