谷垣禎一幹事長の後任人事がとんでもない第三者にスポットが当たる気がする

 安倍晋三首相(自民党総裁)は谷垣禎一幹事長の後任に、二階俊博総務会長(77)を充てる方針を決め、二階氏に打診した。二階氏は受け入れる考えを伝えた。首相は二階氏が2014年9月に総務会長に就いてから、政権を全面的に支えてきた実績を評価。首相官邸と密接に連携し、自民党内の取りまとめを任せられると判断した。
 首相は1日午前、首相官邸で二階氏と面会した。幹事長への就任を要請したとみられる。自民党の役員人事は内閣改造と併せて3日に行う。政権内には頸髄(けいずい)を損傷して入院中の谷垣氏の続投を探る動きもあった。だが、谷垣氏が周辺を通じて首相に辞意を伝え、当面は復帰のめども立たないことから、幹事長を交代させざるを得ないと判断した。
 二階氏は当選11回で、経済産業相や運輸相などを歴任。自民党二階派を率いるベテラン議員で、首相には一貫して強い支持を表明してきた。最近は18年9月までの首相の党総裁任期について、「対応を柔軟に考えていくのは大いに検討に値する」と語り、延長論にも言及していた。
 ログイン前の続き首相は今後、憲法改正や大型経済対策の議論などが本格化することを踏まえ、政権運営の安定を最優先にして新たな布陣を構える方針。党内ににらみがきくベテランの二階氏を党の中枢に据えて、衆参両院で過半数の勢力を持つに至った党の動きを掌握したい考えだ。二階氏は中国政府とのパイプもあり、政権内のバランスに寄与するとの判断も働いた。
 谷垣氏の後任幹事長には細田博之幹事長代行や岸田文雄外相を推す声もあった。だが、首相の出身派閥と同じ細田派の細田氏が幹事長になれば他派閥の反発を招きかねないとの懸念もあり、昇格は見送った。岸田氏には、首相が重視する日韓や日ロ外交を推進するため引き続き外相を続投させる方針だ。
 
 
これ「自民党幹事長に二階氏起用へ 首相方針、谷垣氏は交代」と題した朝日デジタル811141分の報道記事である。
 
 
 安倍晋三首相(自民党総裁)が党ナンバー2の新たな幹事長に選んだのは、ベテラン議員の二階俊博総務会長(77)だった。首相への忠誠を強調してきた二階氏を党の中枢に据え、3年半を過ぎた政権運営の足元を固める考えだ。ただ、老練な二階氏の発言力が強まれば、政権内のバランスが崩れかねないとの懸念も与党内では出ている。
 1日午前、首相官邸。首相と20分弱の会談を終えた二階氏は記者団に、入院中の谷垣禎一幹事長について「できるだけ早い機会にお見舞いしたい。今後の党の運営について、意見を十分承って対応しなければいけない」と語り、党のかじ取りへの意欲をにじませた。
 首相は3日に内閣改造自民党の役員人事を併せて行う。新たな布陣も官邸主導で臨む考えで、党中枢の幹事長には首相の意向を体現してもらう必要があった。首相が頸髄(けいずい)損傷で入院中の谷垣氏を続投させる可能性を探ったのも、「谷垣氏は何でも従順にやってくれる」(首相周辺)との評価が定着していたからだ。
 その谷垣氏の続投を断念した首相が着目したのは、二階氏の忠誠ぶりだった。
 二階氏は政権内の意見が割れると常に首相の側に立ってきた。昨年12月、消費増税時に適用する軽減税率の範囲について、対象をより広くする公明党案を丸のみすることで与党合意の流れを作った。今年5月には消費増税を再延期したい官邸の意向をくみ、いち早く先送りの提言をまとめた。
 今後、憲法改正皇室典範改正などの議論が本格化することを見据え、二階氏の「熟練ならではの手腕」(政府高官)に期待する声は強い。
 二階氏は裏方の役回りが多く、高齢のため「ポスト安倍」候補に名を連ねていないのも首相にとって好都合だった。首相はすでに、2018年9月までの総裁任期の延長を視野に入れている。幹事長に「ポスト安倍」世代を充てれば、首相の勢いが衰えたときに交代論が強まりかねない。一方の二階氏は、総裁任期の延長を「検討に値する」と条件付きで支持する考えだ。
 自民党関係者は「首相はポスト安倍を本気で育てるつもりがない。二階氏だったら、とって代わられることがないと安心したのだろう」と解説する。
 二階氏に期待を寄せる首相周辺は語る。「安倍政権の先はまだ長い。じっくりやっていけばよい」
 
■公共事業「古い自民と見られないか」
 二階氏には「政界渡り鳥」との異名もある。
 1993年、小沢一郎氏(現・生活の党と山本太郎となかまたち代表)とともに当時の宮沢内閣への不信任決議案に賛成して自民党を離党、新生党を結成した。その後、新進党自由党と渡り歩いたが、小沢氏とも路線対立がもとでたもとを分かつことになった。
 自民党に復党後は自身の派閥拡大に力を注いできた。現在二階派の所属議員は36人で、この1年間で3人増加。今後もさらに3人の加入が見込まれる。
 幹事長ポストは党内の人事や選挙の公認権、党資金を握るだけに、二階氏の影響力がさらに増す可能性もある。ある派閥領袖(りょうしゅう)は「二階氏は谷垣氏とは違った権力の使い方を知っている」と警戒感を強める。
 政策面では、災害に強いインフラ整備のために全国で公共事業を拡大する「国土強靱(きょうじん)化計画」が、いまや二階氏の代名詞だ。「10年間で200兆円」という多額の公共投資を提唱。昨年には地元・和歌山県広川町に伝わる故事をもとに国連に津波対策を働きかけ、11月5日を「世界津波の日」とすることに成功した。
 最近では、JR東海リニア中央新幹線の全線開業の前倒しやクルーズ船を受け入れる港湾施設の整備などを盛り込んだ提言を自らが率いる議連で取りまとめた。これらは、2日に閣議決定される政府の経済対策に盛り込まれる見通しだ。
 こうした二階氏の振る舞いについて、自民党のある中堅議員は「さらに公共事業で好き勝手にやれば、古い自民党に戻ったと見られないだろうか」と懸念する声を上げている。
 
■二階氏、これまでの主な歩み
1983年12月 和歌山県議を経て自民党公認衆院初当選
1993年 6月 宮沢内閣不信任決議案に賛成し、自民党を離党。小沢一郎氏と新生党結成に参加
1998年 1月 新進党解体に伴い、小沢氏側近として自由党結党に参加
1999年10月 自自公連立政権の小渕第2次改造内閣で運輸相兼北海道開発庁長官として初入閣
2000年 4月 連立離脱を主張する小沢氏とたもとを分かち、保守党結成に参加
2001年 9月 保守党幹事長に就任。自民の山崎拓、公明の冬柴鉄三両幹事長と小泉政権を支える
2003年11月 自民党に復党。旧保守新党の議員らと派閥「新しい波」(二階グループ)を結成
2005年10月 第3次小泉改造内閣経済産業相就任
2007年 8月 第1次安倍改造内閣で党総務会長就任
2009年11月 伊吹派に合流し、二階派は解消
12月  西松建設献金事件で政策秘書が略式起訴され党選挙対策局長を辞          任
2012年12月 衆院議長に就任した伊吹文明氏から伊吹派会長を引き継ぎ、二階派とする
2014年 9月 第2次安倍改造内閣で党総務会長に再任
 
 
こっちは『二階氏の幹事長起用、思惑は 「ポスト安倍」世代を回避』と題した朝日デジタル8月21008分の報道記事である。
 
 
 この人事では恐らく安倍首相が目論む総裁延長は出来ないだろう。重要な党務には「ポスト安倍」世代を囲い込み、野に放つのは「ポスト安倍」を狙えない人間を配置するべきであった。恐らく二階さんみたいな老獪者を囲い込んでおけばの気持ちだったのだろうとは思うが、私は考えがまるで逆である。「ポスト安倍」を自由にさせれば何を考え何をしでかすかわからないからである。だからこそ今度野に下るように部下に助言され、自由に動ける道を選んだ石破さんは正解である。だが正直もう石破さんは終わってる。総裁の任期延長さえ拒めば今度は自分にと考えたのであろうが、私はかえって菅官房の方が危険と考える。本人の色気より、腹案を隠してる方が怖い。
とにかく「政権は一寸先は闇」である。