患者は自分のために薬を飲んでなくて、何の事無い医者と医療施設と製薬会社のために薬を飲んでいる?

イメージ 1

●高血圧のアジルバ、糖尿病のジャヌビアは年間1万円以上かかる
コレステロールのクレストールは筋肉が溶けていく
痛風ザイロリックの思わぬ副作用
●胃痛のネキシウムは骨が弱くなるほか
 
読者から圧倒的な反響が届いている本誌の「薬特集」。今回は、生活習慣病薬をやめることの難しさや日本と海外の薬の飲み方の違いに着目。「医療の犠牲者」にならないために知っておきたいこと――。
 
■降圧剤をやめるのは至難の業
「長年、血圧の薬を飲んできたが、本当に効いているのか。運動をしているおかげで血圧が下がっているのではないか。薬をやめようと思うのだが、どう思うか?
「最近、物忘れがひどいので、認知症薬を飲み始めたが、下痢が止まらない。薬をやめたほうがいいだろうか?
本誌・先週号、先々週号において特集した「飲み続けてはいけない薬」は大反響を呼び、読者の方々から多くの質問や意見が寄せられている。その内容の多くが、右記のような「長期間、薬を飲み続けること」への不安や「はたして薬を飲み続ける意味があるのか」という疑問であった。
もちろん、自分勝手な判断で薬を飲むのをやめることはリスクを伴う。医者とよく相談して決めることが大切だ。
しかし、医者と相談したところで、長期間飲んできた薬、とりわけ生活習慣病の薬をやめるのはかなり難しいということも、また事実だ。
「降圧剤のブロプレスを飲み続けて5年になります。血圧は下がっているのですが、医者からは『薬を飲んでいるから下がっているので、やめたら元に戻りますよ』と言われていて、なかなかやめられません」
こう語るのは、大塚雅嗣さん(62歳・仮名)。ブロプレスはARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)と呼ばれる比較的新しいタイプの降圧剤で、サイアザイド系利尿剤やカルシウム拮抗薬、ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)といった従来の血圧の薬に比べて高価な薬だ。
大手製薬会社のMR(医療情報担当者、医者に新薬の情報などを提供する役割)が語る。
「高血圧を始めとした生活習慣病の薬は、一度飲み始めた患者がうまくいけば一生飲んでくれるので、製薬会社にとってドル箱です。だからできるだけ高い最新の薬をお医者さんたちには紹介し、処方してもらうようにするのが私たちの仕事です。
ブロプレスは、最近ではジェネリックが出始めて薬価も下がってきている。ですからほとんど同様の効果ですが、別の新しい薬であるアジルバを売ろうというのが、製薬会社の戦略ですね」
ちなみにアジルバの薬価は1日あたり141(20mg)1年飲むと51319(3割負担で約15000円強)になる。実際には、1ヵ月に1度の診察費や検査費用、薬局でかかる基準調剤加算などがかかってくるので、年間3万円くらいは実費がかかると考えたほうがいい。
これをサイアザイド系の利尿剤であるラシックス(40mg)に切り替えれば、1日あたりの薬代は約15円で済む。ARB系の薬に比べたらわずか10分の1程度だ。
新潟大学名誉教授の岡田正彦氏は「サイアザイド系の利尿剤は総死亡率を下げるというデータがありますが、ARBにはそのような科学的な根拠がない」と断言する。
ARBには腎機能を保護する作用があるという説明がよくされますが、そのせいで寿命が延びるといったデータは存在しません」(岡田氏)
 
■糖尿病で稼ぐ製薬会社
JCHO(地域医療機能推進機構)本部総合診療顧問の徳田安春氏も「あまりに多くの医者がARBを使いすぎていますね」と語る。
「糖尿病や慢性腎臓病、慢性心不全などを併発している高血圧では、私はACE阻害薬をスタンダード薬として処方するのがよいと思います。そちらのほうがコストもずっと安く抑えられます。また、ACE阻害薬は、最近の研究で肺炎の予防につながることも明らかになってきています。
日本でARBが多用されているのは、忙しい医師が薬に関して勉強する時間がなく、ARBを推奨する広告を信じてしまうからでしょう」
一度飲み始めた薬は、効果に疑問があってもやめるのは難しい。本来、高血圧や高脂血症は食事や生活習慣を改めれば改善することができるケースがほとんどだ。
血圧は上が150、下が100ぐらいを超えてくると、降圧剤の処方を勧められることが多いが、実際のところこのレベルなら、健康的な生活を送るように心がければすぐに回復する。ところが、検査で血圧が基準を少し超えただけで、「3ヵ月ほど薬を飲んで様子を見ましょう」と、薬を出したがる医者が多い。
前出のMRが語る。
3ヵ月で薬を飲むのをやめるというケースは、ほとんどありません。一度薬を飲み始めると、急にやめたら血圧が跳ね上がるかもしれないという恐怖心を患者も医者も抱いてしまうからです。
医者にしてみれば、『やめてもいいですよ』といった後に高血圧で患者が倒れたら、訴えられる可能性だってある。だから『本当は必要ないと思うが、大事をとって』という軽い気持ちで処方される薬があまりに多いのです。また、病院側からすれば毎月診察に来てくれる患者をつかまえておきたいという経営的な判断もあります」
こうして一度飲み始めた生活習慣病薬は「患者の不安」と「医者・病院側の都合」が合致して、延々と(場合によっては死ぬまで)飲み続けることになるのだ。
副作用がないならまだいい。だが、副作用のない薬など存在しないし、そもそも血圧を下げさえすれば健康になるかといえば、そう単純な話ではない。医療ジャーナリストの田辺功氏が語る。
「高血圧の薬というのは、夜飲むと明け方に血圧が下がりやすい。生活習慣を改善し、薬なしでも血圧が正常に下がっているのに薬を飲み続けると、逆に低血圧の症状で具合が悪くなることがあります。例えば、明け方にトイレに行った際、転倒するようなこともよく起きている」
糖尿病のジャヌビアも比較的高価な薬だ。1(50mg)149(3割負担で年に約16000)。普通は11錠だが、人によっては2錠飲む場合もある。
「糖尿病は高血圧や高脂血症以上に治る見込みが低く、逆に進行していくことが多いので、薬を飲み続けるしかありません。また、悪化していく過程でジャヌビアだけでなくスーグラなど他の薬も併用されることが多い。
なにより問題なのは、現在主に使われているジャヌビアなどのDPP-4阻害薬が、他の安価な薬に比べて治療効果が高くないということです。メトグルコという薬価がジャヌビアの10分の1近い薬は、糖尿病の合併症だけでなく、心筋梗塞脳卒中まで予防するというデータがある。DPP-4阻害薬にはそのような効果がありません」(大学病院内科医)
糖尿病は今後も患者数が増加すると予想されており、製薬会社は新しい治療薬の開発にしのぎを削っている。治療の効果が不明でも、ただ新しいというだけで高い薬価がつけられる。薬価のカラクリをなにも知らずに投薬される患者は病院や製薬会社の「囚われの身」になるようなものだ。
 
コレステロール薬は無意味
コストがかかるという点では、心筋梗塞脳梗塞の再発防止などに使用されるプラビックスも非常に高い(3割負担で年間3万円程度)。血液がサラサラになる薬で、売り上げが日本で一番多い薬としても知られる。必ずしも副作用が危険な薬ではないが、多剤併用されることが多いのが問題だ。
「循環器系の患者には、プラビックスに加えてパナルジンなど血液の流れを改善する薬が数種類出されることが多い。加えて糖尿病や高脂血症のリスクも高い患者が多いため、それらの薬を処方すると、すぐに7~8種類になる。当然、飲み合わせの問題も出てきますし、薬代だってバカにならなくなってきます」(前出の大学病院内科医)
コレステロールはスタチン系と呼ばれる薬でコントロールされることが多い(代表薬はクレストールなど)高脂血症のリスクが高い人にとっては効果のある重要な薬だ。だが、リスクの低い人にまで処方されているのが現状だ。
前出の徳田氏が語る。
「日本人の中年女性は、コレステロール値が多少高くても虚血性心疾患のリスクが低いということが臨床疫学的にわかっています。にもかかわらず、薬を飲んでいる人が多い。
スタチンには横紋筋融解症(骨格筋が壊死し、筋細胞中の成分が血液中に滲出する病気)などの副作用もありますから、低リスクの人が服用するときはかかりつけの医師とよく相談すべきです」
効果がないのに飲まれている無駄な薬は他にもある。代表的なものは不整脈の薬だ。医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が語る。
「アンカロン、ベプリコールなどの抗不整脈薬はここ5年くらいで、治療効果がないことが海外で証明されていますが、今でも使われているようです。このような新しい情報は、町医者すべてに伝わるには時間がかかるものです」
痛風の痛みは、ある日突然襲ってくる。だから尿酸値が高くなってくると薬を飲む人が多い。典型的な薬はザイロリック。体内での尿酸合成を抑える薬で、コストはそれほど高くないが(3割負担で年に8000円程度)、腎機能が低下している高齢者は高い血中濃度が持続するおそれがあるので、十分な注意が必要だ。
またこの薬も副作用として横紋筋融解症があらわれるという報告もある。痛風の痛みに比べれば、副作用のリスクはやむなしと考える人もいるだろうが、生活習慣から見直すにこしたことはない。
PPIと呼ばれるタイプの胃薬もよく処方されている(代表的な薬はネキシウム)
「胃・十二指腸潰瘍や逆流性食道炎の治療には非常に有効な薬です。だが、不必要に長期間処方されているケースが多い。PPIは長期的に飲み続けていると骨粗鬆症になり骨折リスクが高まることが分かっています。
他にも偽膜性大腸炎や肺炎のリスクを高めたり、ビタミン欠乏症などさまざまな副作用があります。安易に長期間飲み続けるのではなく、賢く終了することも大切なのです」(前出の徳田氏)
前出の岡田氏も、PPIの使われすぎに警鐘を鳴らす。
PPIが出始めた時期に、『逆流性食道炎』という新しい病名がしきりに喧伝されるようになった。これまではただの『胸やけ』といわれていたものをあたかも新しい病気が発見されたかのように呼び名をつけるわけです。
元をたどれば、製薬会社が主催したセミナーや学会で突然、使用されるようになったもの。まさにPPIを売らんとする製薬会社の戦略です」
製薬会社の社員や医者にも、患者の病気をよくしたいという純粋な気持ちはあるだろう。だが、ときに新薬の開発が「新しい病気」を作り出すという矛盾した現象が起こっている。
一人一人に悪意はなくとも、医療という巨大なシステム、そして医療もまた経営=金儲けであるという現実がそうさせるのだ。
高齢化が進む日本社会では、医療保険制度が崩壊の危機に瀕している。多くの人が不要な薬を飲み続けることは、副作用で自分の体を傷つけるだけでなく、日本の医療経済を疲弊させ、本当に必要な治療が施されない医療崩壊を招くことにもなりかねない。
今一度、自分のお薬手帳と向き合って、本当に必要な薬の精査を行ってみてはいかがだろう。
 
 
これ『生活習慣病のアリ地獄!飲み始めたらヤメられない薬〜死ぬまで飲み続ける「覚悟」と「カネ」ありますか  高血圧、糖尿病、高脂血症痛風……』と題した「週刊現代625日号の記事である。
 
 
 実は私も平成19年暮れの病気(左小脳出血)で倒れて以来、直ぐ血圧降下剤を処方されたが、その副作用にて、腎臓をやられ、後戻り出来ないほどの後遺症を併発してしまい、今では人工透析の一歩手前で、何とか食事療法にてかろうじて踏み止まっているが、そのエネルギーたるや大変なものである。主治医を怨みたいが後の祭りである。それらから考えるに、医療法上の処方薬、患者のためとは言い難く、要は医者と医療施設と製薬会社の保険を介した馴れ合いでしかないと思う。恐らく患者の皆さんはその光景を見た事があると思われるが、病院等でお昼頃になればどこからともなく集まるスーツ姿の集団の事である。医療用語でプロパーと言う集団である。彼らは製薬会社の営業マンで、医者に自社の薬を売り込みに来た製薬会社の営業社員何であって、如何に自社の薬を使ってもらえるかの売込みでもある。そこには袖の下や医療研究論文の代書を含め、あの手この手の医者懐柔作戦でアタックしてるのである。恐らく殆どの患者は医療の名の下のモルモットに過ぎないのである。圧巻は、医療法上(いわゆるレセプトと言う請求の可能文書)金の貰える実験台として患者を利用出来るメリットだろうと思える。だからこそ必要悪の処方箋が多用されるのである。この記事ではないが、呑んでる薬をやめた方が身体が逆に良くなるのも本当だろうと思う。何の事無い患者と国は、医療の名の下に医者と医療施設と製薬会社のために掛かっていると言っても過言ではない。