安倍首相にベッタリで「次期首相」の呼び声が高い稲田朋美政調会長(56)だが、政治資金の使い方はメチャクチャだ。本紙は、稲田氏が代表を務める資金管理団体「ともみ組」の1件1万円以下の支出に関わる「少額領収書」(2011~13年分)の写しを入手。精査すると怪しい支出が続々と出てきた。
〈アサヒスーパードライ缶350ML〉〈サッポロエビス缶350ML〉――11年2月28日付の領収書を見ると、缶ビールの他にアイスクリームや牛乳に2007円支出していることが分かる。他にも、コンビニでカップラーメンや菓子パン、喫茶店でクリームソーダやコーヒーなんかを年がら年中買っている。
理解しがたいのは、これらの支出が全て「事務所費」に計上されていることだ。総務省は事務所費について、「事務所の維持に通常必要とされるもの」と定義づけていて、政治団体の家賃、通信費、清掃・修繕費、各種保険料などが該当する。事務所の維持のために「缶ビール代」を経費として認める組織が民間にあるとは思えない。
「事務所費については、来客用の菓子やお茶代ですら計上できるか微妙なところです。缶ビールやアイスクリームなど、私費で購入するのが常識でしょう。公私の区別が曖昧なのか、何でも政治資金を使っていいと考えているようにも見えます」(神戸学院大大学院教授の上脇博之氏)
それだけじゃない。13年11月22日付の領収書には〈自由民主党北海道第八選挙区支部〉と支出先が印字され、〈¥20000〉と金額が記されている。総務省のホームページで公開されている政治資金収支報告書の各項目で、使途の詳細を明記せず「その他の支出」に一括で計上できるのが1件1万円以下の「少額」の支出だ。1万円超の支出を隠したかったのかと疑いたくもなる。
また、コンビニに1175円を支出したことが分かる11年2月1日付の領収書は、「組織活動費」に計上されているが、あろうことか、全く同じ領収書が「事務所費」の項目にも貼付されている。二重計上していれば完全にアウトだ。稲田事務所に問い合わせると、担当者は電話でこう返答した。
「缶ビールやアイスの件は、仕事が遅くまでかかった際の、スタッフ用の軽食です。2万円の領収書と1175円の領収書は、作業上の単純ミス。金銭上は適正に処理されていますが、早期に訂正します」
とても首相が務まるとは思えない。