「野党再編」路線に水を差した橋下さん辞めた者が何を今更

 維新の党の橋下徹最高顧問(大阪市長)が安倍晋三首相との会談直後の15日、民主党を痛烈に批判した。維新の松野頼久代表らは民主を相手にする「野党再編」路線だが、橋下氏の発言で急ブレーキがかかる可能性がある。首相も世論の批判が強い安全保障関連法案などを与党だけで採決し、批判を浴びるのを避けたいのが本音。橋下氏にエールを送って維新との連携を探っている。
■「宿敵」とは組めない
 橋下氏は住民投票後の5月末の記者会見で「次の人たちにバトンタッチして、やってもらっていかないと。個人商店じゃないわけですからね」と述べ、政界から身を引く考えを示していた。しかし、首相との会談から一夜明け、ツイッターで民主批判を発信した。
  「維新の党は民主党とは一線を画すべき」「民主党という政党は日本の国にとってよくない」「維新は民主党とは決定的に違う」――。
  大阪選出で橋下氏に近い「大阪組」の一人、馬場伸幸国対委員長も、与党の採決に協力する形になった労働者派遣法改正案などを引き合いに、「この進め方は維新らしさを出している。安保法制もそういう対応をすることに大きな変化はない」と述べ、安保関連法案でも安倍政権に協力する可能性に踏み込んだ。
  橋下氏の発信について、党内では、代表の松野氏が民主を念頭に野党再編を探る中、「民主党と組むのはダメだという牽制(けんせい)球」(党幹部)との見方がもっぱらだ。橋下氏は民主を支持する公務員労組と数々の改革を巡って対決。「大阪都構想」では民主大阪府連や連合大阪が反対に回り、結果的に反対多数となった。その「宿敵」と組むわけにはいかない。
  維新の大阪組にしても、現職や公認候補で選挙区が埋まっている自民との選挙協力は難しいが、かと言って、これまでさんざん批判してきた連合に頭を下げて選挙をするわけにもいかない。当面は、橋下氏の旗のもとで選挙に臨むしかないという事情もある。
■松野氏「民主と合流とは言ってない」と説明
  松野氏ら野党再編派は、こうした橋下氏の動きを警戒する。
  「安倍総理大阪都構想のお礼をするのは構わないが、国会運営や法案でお返しすることは考えないで下さいね」。松野氏は橋下氏と首相の会談直前、橋下氏にこう念押しした。
  松野氏は15日、記者団に「集団的自衛権(の行使容認)の閣議決定をしたところに、憲法学者が唱えているように無理があったのではないか、とおっしゃっていた」と橋下氏の発言を紹介し、安保関連法案で政権と接近しようという党内の動きを牽制。江田憲司前代表も15日、「安保法制は派遣法のやり方を踏襲することはない」と明言した。
  ただ、橋下氏はツイッターで「内閣における憲法の有権解釈者は内閣総理大臣憲法解釈が時代とともに変遷するのは当然のこと」とも述べている。また、橋下氏と首相の会談をどちらが持ちかけたかでも、江田氏が「安倍官邸の強い要請があった。橋下さんが申し入れた会談ではない」と言えば、菅義偉官房長官は15日の記者会見で「橋下氏があいさつに来たいということだった」。党内の疑心暗鬼は膨らみ続けている。
  党内の大阪選出議員を中心に影響を持つ橋下氏が浴びせた野党再編への冷や水。松野氏らが念頭に置く民主との野党再編路線に急ブレーキがかかり、安保関連法案をめぐる与党との修正協議論が台頭すれば、党の分裂につながる可能性もある。
  松野氏は橋下氏の民主批判を受け、「僕は、民主党と(維新という)二つの政党が合流すると言ったことは一度もない」と記者団に説明せざるをえなかった。
  橋下氏の民主批判に端を発した維新の動揺に、民主の枝野幸男幹事長は15日「コメントする立場にない」と述べた。その心を民主幹部はこう解説する。「そのうち『大阪組』と松野氏らは離別してすっきりする。松野氏らが最後まで橋下さんに乗っかると思ったら大間違いだ」(藤原慎一、河口健太郎

これ「橋下氏、野党再編に冷や水 維新、分裂の可能性も」と題した朝日新聞デジタル 6月16日(火)7時55分の配信記事である。

 これは余計な口出しだ。辞めたものが人事にまで口出ししたようなものである。恐らく安保法制で背水の陣にある狂人安倍首相が仕掛けたものであるから尚更である。とにかく死に物狂いの安倍首相、これしかないと思ったのだろうが、支えの無くなった大阪組を孤立させればそれで良しと言う事なのだろう。がしかし、どうせ橋下さん抜けた後は一枚岩で無かったのも事実だったからかえってハッキリして良かったと思う。松野さんは当初より橋下さんとは考えを異にしていた筈、スッキリしたのではないか。私は今の岡田民主とは共闘させたくはないが、現在の選挙制度を考えれば松野さん曰くの、野党共闘しか道が無い事も事実である。彼の方が現実的である。私は松野さんを支持したい。