消費増税に備えた「復興法人税廃止」はまるっきり逆である

 自民、公明両党は29日、消費増税に備えて東日本大震災の復興法人税を廃止するとの安倍政権の方針を受け入れることを決めた。10月1日にまとめる税制大綱や政府の経済対策では「廃止を検討する」とし、年末に発表される税収見通しなどを見極めて結論を出す方向で、与党内に根強い慎重論に配慮した。法人税の実効税率引き下げは「速やかに検討を開始する」と記す方向で調整する。
 複数の与党税調幹部が明らかにした。復興増税廃止について甘利明経済再生相は29日、記者団に「年末までに減税が賃金に跳ね返るような仕掛けの作業をしていく」と述べた。
 政権は復興法人税を1年前倒しで来春に廃止する方針を決めている。ただ、与党内には、復興増税廃止による企業負担軽減が賃上げにつながるとの政権の説明に異論が根強く、廃止による復興財源約9千億円の手当ても含め説明を求めた。29日、両党の税調幹部が政権側の回答を議論。その後、野田毅自民党税調会長は「さらに政府として説明の努力を重ねる必要がある」と述べた。
 

「復興法人税廃止、容認へ 自公、最終結論は年末」と題した朝日新聞デジタル 9月30日(月)5時53分配信記事である。
 

 東日本大震災より既に2年半以上経っているにも関わらず、被災地の状況は未だ道半ばである。これを未だかと考える人、ここまでかと考える人それぞれだろうが、少なくとも私から見れば、被災難民から見れば、殆ど復興等出来て無いに等しい。そう言う状況下での、「復興法人税廃止」に「消費増税」である。趣旨はまるっきり違うかもしれないが、歳入の補てんである事は確かだ。しかも最近の大企業への減税を見れば、企業課税の国民への付け替えなのである。しかもその意図は、これでもか、これでもかの大企業へのへつらいである。さぞかし大企業「さすがに居心地悪い」のだそうである。
 政府のこのような大企業寄りの政策は、何の事無い景気を上げるための再三再四の要求、ベースのアップだからである。しかし、企業もズルイと言うよりは、手綱を緩めれば一夜の破綻の悪夢が現実となる。事情は違っても、SANYOやSHARPはたまた現在のPanasonic, SONYを見る鏡である。恐らくどんな事あっても、内部の留保に努めるがオチであろう。こんなにも企業寄りの政策、政府にやられれば、やられるほど、気持ちが悪いだろう。ほくそ笑むがジッっと我慢の心境だろうと私は推察する。
 現在の物価状況を見れば完全に政府の読み完全に外れている。と言うよりは、完全に失敗策である。「アベノミクス」による円安のお蔭で企業の原材料費高騰で幅広い食料品が値上げされる他、年金支給額の削減、それに自動車保険料の値上げに、ガソリンの高騰であり、国民の家計の負担は増大する一方である。例え今後の最後の「三本の矢」が功を奏しても、家計の需給関係の期ズレが生じ、家計への打撃、収拾しきれないのが現状である。こう言う状況では企業への減税やその他の政策等より、「消費増税」の撤回をするのが筋と言うものである。