9人が死亡、2人が重軽傷を負った山梨県の中央自動車道笹子トンネル崩落事故で、落下した天井板は鉄筋で溶接され、隣接する天井板とつながっていたことが5日、中央道を管理する中日本高速道路への取材で分かった。
崩落は長さ約130メートルにわたって起きており、中日本高速はつながっていたことが要因となった可能性を認めている。県警は、現場検証に同行した専門家らの意見を聴き、押収資料を分析するなどして崩落が広範囲にわたった原因を調べる。
崩落は長さ約130メートルにわたって起きており、中日本高速はつながっていたことが要因となった可能性を認めている。県警は、現場検証に同行した専門家らの意見を聴き、押収資料を分析するなどして崩落が広範囲にわたった原因を調べる。
共同通信の報道である。
私はこの事故の報道でとっさに、あっ!またもウォールアンカーだと直ぐに感じた。私はこのウォールアンカーが学生時代より大嫌いだったからである。
ウォールアンカーと言うのは別図にあるように、コンクリートに穴を開けボルトで緊結するものである。その力のかかる程度により、このボルトが太く大きくなって行くのである。中には穴開けた孔に接着剤で固定するものもある。全てのボルトの緊着先がコンクリートになるので、当然にそのコンクリートの品質に左右されるのは言うまでも無い。私はかなりの力が集中するのをこのボルトで持たせるのは、例え構造計算でその安全性を確かめたとしても安心できず、心配だった。
私の専門は建築学である。好きで構造計算は結構やったほうである。建築はその建物や工作物の安全を算定するのに構造計算を用いる。機械類は材料力学である。学生時代より前記したウォールアンカーはそう言う理由で私は嫌いだと言うより信用したくなかった。現在の建築様式は、工程を詰めるために箱物を早く作り、都合上、緊結はこのウォールアンカー(ウォールナット)に頼る。その良い例が学校等の広い場所の天井を持たせる軽天井である。つい一昨年東日本大震災でこの軽天井かなり落ちたとの報道があったばかりである。私ら建築を学んだ人間にとっては、地震が起きた時の非難場所に、学校等の体育館等はそう言う意味で一番危険で不適当と言える。しかし殆どの地震マニュアルにはどう言う訳かその一番危険と思われる、学校校舎それも体育館等が一番多い。自治体に再考を促したい。
話をトンネル崩落事故に戻せば、役所・役人と言うのはこう言う事故が起きればとにかくその対応が早い。そう目が覚めるくらいに早いのである。それは何故か、何の事は無い、同じ事故が起こり自分の責任の回避に最高に勤しむ。これは本当に役人の天性である。本当に早い。普段の事もこのようにやってもらえれば嬉しいのだが。彼らの場合は自分に責任が向かってくる場合のみである。責任が来ないと解かれば、それもその引く事、その早い事、潮が引く如く早いのである。つまり責任が来ないのにやる事はムダ以外の何者も無いのである。本当に笑うくらいハッキリしてる。この事故において、これから起こる事は我々は100%予想し得る。何をやるかと言えば、まず、国土交通省の大臣か局長名でこんな事故があった、気をつけろと言う様な通達を47都道府県に出すだろう。受け取った47都道府県知事は同じような通達を各市町村に出す。他に関係団体にも出す。そのためには、自分らに都合の良いように、議会で条例を作るのである。大体こんな具合となろう。もう出ているかもしれない。とにかく責任の回避に対する処置はものすごく早い。驚くほどである。まっ!こんな具合だ。
再度話をトンネル崩落事故に戻せば、結果として、維持管理の問題がクローズアップされるであろうが、実際現場サイドから見れば、これは無理だと言ってよいと思う。だって何万何10万とある中からどれか1つ見つけるの容易では無い。初めから怪しいと解かってて探すのとそうで無いのとの違いである。ましてや、人間の技である。ちょうどジャンボ機のボルト1本探すのも同じである。
私はこう言う事故が起きる度に危惧してる事がある。それは全国に何千万台とある自動販売機である。あれ何処で緊結してると言えば、何の事は無い、土間コンクリートにこのウォールアンカー4本で緊結してるのである。一番怖いのは地震が来て倒れて人間に被害を及ぼさないかと言う事である。見てる限りはこの緊結、地震対策と言うより、盗難防止が主みたいだ。事故が起こってからでは遅い。早め事故防止やるべきだ。但し私は維持管理の監督官庁知らない。
でもこう言う事故後だから、もし、私が言ってるこの事、役所が知ったら、その監督官庁の職員飛んでくるだろうナ。
知らない事、起こらない事は平気だが、ひとたび誰かが指摘してる事には知った知らない別に、責任が及ぶ、彼らはそれが怖いのである。
つくづく役人って不思議な動物だ。