築地市場の移転先の豊洲市場の建物の下に盛り土がなかった問題で、石原慎太郎元都知事(83)が17日、「(地下に空間を設けることになったことは)一切報告を受けていない」と話した。横浜市内で行われた講演に自宅から出発する際、当時の状況を再確認したとして「やっぱり役人にだまされてたんだ」と話し、帰宅後、当時の状況を確認した結果を明かした。
石原氏は15日、08年5月の定例会見で「コンクリートの箱」を埋め込む案に言及していたことについて、「下(都庁の役人)から聞いたことを伝えただけ」としていた。一方、当時の市場長の比留間英人氏は「知事から調べるよう指示があった」と説明にずれがあった。このずれについて、石原氏はこの日、「ある専門委員から聞いて、私が逆に(比留間氏)にこんな話があると言った」と、15日の発言を補足した。
地下に盛り土ではなくコンクリートの壁で覆われた「空間」が設けられている現状について、都は当時の石原氏の発言が影響していないか調査している。これに対し、石原氏は「私の名誉に関わる」として、当時の特別秘書兵藤茂氏に状況を確認。兵藤氏らスタッフが記録していたメモなどから、「空間」を設ける工法に決まったことについて「(都から)報告もないうちにああいうの(空間)ができて今の事態になった」とした。
石原氏が盛り土に代わるアイデアの1つとして挙げたという「コンクリートの箱」案について、比留間氏はコスト高で断念し、知事にも報告したとしている。実際に工事で選択されたコンクリートの「空間」案がいつ、だれの発案で生まれ、実行に移されたかは、明らかになっていない。
これ『石原慎太郎、空間案に「一切報告を受けていない」』と題した日刊スポーツ
9月17日21時46分の記事である。