毒キノコに大笑い

 我妻は面白い女である。
 学生時代は女だてらに山岳部に入っていた。体は痩せてどこにそのパワーがあるのか不思議である。
 会う人会う人に、何にも食わせてないんじゃ無いかと良く言われる。でも食欲旺盛、何でも食べ嫌いなものは只1つミョウガだけである。対して私は小食である。だからどこへ行っても私の残したものはほとんど食べる。それでも痩せてるのは体質であろう。病後に痩せた私と合わせた二人分でも100kg以下である。
 食べ物に限らず、とにかくこの人マメである。ほとんど動いている。だから太らないのであろうか。何かやってないとダメな性格みたいである。一緒になって40年近いがいつ休むのだろうかと思うくらいである。
 面白いのは、たまに歩けない私を連れてドライブに行くと、運転しながらいつ見てるのかと思うほどあちこち見ている。とすると必ず「チョッと待って、5分いや10分待って」と言って車を安全なところに止めて、約1時間は戻って来ないのが普通だ。何をやってるのか言えば、春には山菜、秋にはキノコ、その他は対外野草である。それも良くそれだけ見つけられるものだと感心するくらい採って来る。だから休みと言うと、私の要望の無い日は必ず山に行ってる。
 先日の日曜日、案の定友達とキノコ採りに山に行った。そしたら私に興奮して電話だった。「お父さん1本シメジがいっぱい生えてて、すごい!、今日は夕食期待してて」と言うではないか。「そうかそうか良かったなそれでは期待してます。」と言って、この夏から盃で3杯までだけれども呑めるようになった私は、良いお通しが出来たと喜び、心で舌なめずりしながら夕食を待った。
 仕事も終わり退社時間になったら、その妻がお父さんゴメン、あれ毒キノコで食べれば死ぬんだってと言うではないか。どうして判ったと聞いたら、傍で採っていた、ベテランの方々に聞いてもこれはシメジに間違いないって言われたが、どうにも心配だったので、一緒に行った友達のキノコのご指南役に聞いても、間違いないと言うので確信したところに、たまたま選挙が近いので選挙運動であいさつに来てた、衆議院議員のZ氏(国民の生活第一)がそこに居合わしたら、「うちの運転手キノコ博士だから、聞いて見たらと言う事で、聞いてみたら「はは~ん、やはり間違えたな、確かに1本シメジに似ているがこれクサウラベニタケと言って有毒だよ」と言われたと言ってすぐさま、緊急電話が入って事なきを得た。その様子を聞いて我家族、命拾いをしたと言って、大笑いした一幕であった。これでは命の恩人に、今度の選挙はZ氏(国民の生活第一)に決まったと言ってまた大笑いした。
 
※参考までにその毒キノコの写真を掲載した。
 
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