民主党首選大連立は政党政治の否定なり

 民主党代表選に出馬の意向を固めている野田佳彦財務相は13日午前、東京都内で記者団に「連立が必要だ。当然3党協議をやってきた自民党公明党の意見をふまえて対応しなければいけない」と述べ、自公両党との連立政権を目指す考えを明言した。
 野田氏はこれに先立ち、テレビ東京の番組に出演し「(今月発売の月刊誌の)論文で、時機が来れば先頭に立つ覚悟を示した」と代表選出馬への意欲を表明。さらに「与野党が胸襟を開いて話し合うことが基本で、救国内閣を作るべきだ。連立しないと政治は前進しない」と強調した。
 出馬の正式表明時期については「菅直人首相が出処進退を打ちだした時に具体的に示すのが筋だ」と述べた。

毎日新聞の報道である。
 
 
 実は4年前の自民党福田政権時に一時浮上した自民と民主の大連立構想とは、状況は全然違う。今回の大連立はそれこそもっともな理屈をつけてはいるが、何の事は無いバリア(障害)の乗り越えでは無くバリアの撤去だからである。つまりは誠心誠意の信頼と努力の怠慢の結果だからである。確かに与野党の国会での「ねじれ」はそれ相当に大変で、政策の実行と行使にはかなりのエネルギーを費やす。がしかし与党である民主党は政策そのものの精査・照査を真剣に野党である自公とやった形跡は悲しいかな皆無である。こう言う状態での大連立構想は拙速であり、ある意味卑怯である。偏向すれば、只のバリアの撤去でしか無い。
 
 見方を変えれば、宮澤退陣後の選挙制度の2大政党制の否定にも行き着く事になる暴挙と私は思う。ならばまず、大連立を考える前に先に選挙制度を変え、中選挙制度に戻してからでないと、整合性が取れないのではと思う。それが正しいのかどうかとは別の話であり、単純に私は国会議員と言うのは実にいい加減であると感じたからである。