民主党・小沢一郎元代表は自由報道協会主催の記者会見で、岡田幹事長、執行部、首相支持のメンバーが「菅首相はお盆前に辞める」と言っていることを明かし、それまでは静観する姿勢を示した。【取材・構成 田野幸伸(BLOGOS編集部)】
この記事はBLOGOSよりの転載であり、Q&Aの形式になっている。
転載元:BLOGOS編集部
http://news.livedoor.com/article/detail/5743542/
小沢:立ち上がろうと思って、こないだ6月2日に(不信任案を)やった。総理大臣を変えさせることは制度上出来ない。唯一憲法上認められているのは不信任案の可決。解散は今、震災の状況・党内の状況から出来ない。そしたら総辞職しかないと思ったから、非常の手段でも変わったほうがいいと思い、(不信任案を)やった。そしたら当日おかしくなっちゃって、今になってあのとき(不信任に賛成を)すればよかったって言われてもなあと(笑)
ただ、国会は来月閉じます。どのような手段を取るにせよ、菅さんが自発的に辞めるということであれば大いに結構ですけど。そうでない場合、民主党の議員が意を決するときが来るのではないか。
ただ、国会は来月閉じます。どのような手段を取るにせよ、菅さんが自発的に辞めるということであれば大いに結構ですけど。そうでない場合、民主党の議員が意を決するときが来るのではないか。
Q:小沢さんは次期代表戦に立てないが、次の民主党代表、次期総理の条件は?
小沢:自分自身の責任で決断できる人、約束を守る、大きく言えばみんなが信頼できる人。抽象的だけど。そういう人物がリーダーに必要。
小沢:だって、それ(マニフェスト)で選挙したんですよ?それで政権もらったんです。約束したんだから、実現する努力は一生懸命やるべき。ウソツキになる。
国民との約束
Q:1993年、羽田さんと自民党から離党されました。その後、改革改革と言いながら、山あり谷あり。最後に民主党が勝利し、政権交代したわけですが、今振り返ってみて、成功したと思いますか? そして、この後、民主党が真の政治改革が出来ずに終わったら、その後どうするおつもりですか?
小沢:当時の予定よりも長時間かかりましたが、政権交代ということを成し遂げたことは、大きな満足をしています。ただ、それと同時に民主党に対する信頼は地に落ちている。このままでは(次の)総選挙の惨敗は目に見えている。国民主導、すなわち政治家主導の政治をいまだに確立できていないからだろうと思う。
国民との約束(マニフェスト)を無理だったとか間違えだったとか、おかしな言動につながっている。約束を100%守るということは現実的には難しいが、守ろうとする姿が尊い。約束を捨ててしまっては信頼関係は成り立たなくなる。
それが今日の民主党の現状。政治家は「国民の中に大衆の中に」という事を若い人に言っている。これは我々の目標とする政治の基礎であり、原点、民主主義の原点。選挙でも率先して国民の中に入ってきたつもり。この原点、初心を思い起こし、政治のうえで実践していく。少なくとも努力を全力でやる。それにより国民の信頼を取り戻せる。
菅首相退陣はお盆前
Q:同じ国会の会期内にもう一度内閣不信任案を出す事は制度上可能、もう一度出す気はないか?そして次の総理、意中の人はいるか。
小沢:おっしゃる通り、不信任案は提出者と理由が違えば出せます。ですが、岡田幹事長、執行部、菅さんを支持している方々が、お盆前に辞める辞めると言っている。辞めると言っているので、当面は見守る。それも辞めないとなれば、民主党議員全員が深刻に考え、決断すべき。次の方は、菅さん以外なら誰でもいい。
Q:菅さんが辞めても衆参のねじれ状態は続く。これをどう解決するのか。
小沢:僕が22年前に自民党の幹事長になった時、参議院は少数派「ねじれ」でしたよ。野党が猛烈に反対するPKO法案も通しましたし、ほとんどの法案は通しました。野党だって日本人、筋道があればできる。信頼関係なんです。先ほども言いましたが菅さんの後の人は信頼がある人がなる事によって、たいがいの事は上手く行くと思います。
原発は矛盾したシステム
Q:原発について、どう考えているか?
小沢:私は30数年前に科学技術政務次官をやった。当時は原発は安全で安くて純国産エネルギーになると説明された。しかし、勉強しているうちに、核廃棄物の処理が出来ない事を知った。世界各国で高レベルの(核廃棄物の)最終処分方法が未解決。これが解決しない限りは、事故を考えなくても、原子力発電は土台無理な話。
しかし今まで、大量の電力を作って、その利便性を国民は享受していたから、いますぐ止める訳には行かないけれども、将来的には安全でクリーンで安心な新エネルギーを開発する事は誰しも考えているのではないのだろうか。
ドイツは原発を10年で辞める決定をしたが、ドイツには良質の石炭も鉱山もある。日本は同じようには真似できないが、技術開発を進めて最終的に原発からサヨナラするべきだと思っている。
しかし今まで、大量の電力を作って、その利便性を国民は享受していたから、いますぐ止める訳には行かないけれども、将来的には安全でクリーンで安心な新エネルギーを開発する事は誰しも考えているのではないのだろうか。
ドイツは原発を10年で辞める決定をしたが、ドイツには良質の石炭も鉱山もある。日本は同じようには真似できないが、技術開発を進めて最終的に原発からサヨナラするべきだと思っている。
Q:今の政府の対応では福島の子供の安全が守られないのではないか。政府のやりかた、福島から避難させない事についてどう考えるか。
小沢:地震、津波、そして水素爆発、その直後から、原子炉は破壊されて、燃料は溶融している可能性が非常に高いと専門家から聞いていたので、私はそう話していた。政府は大丈夫だ大丈夫だと言って、3ヶ月して隠し切れなくなって認めた、爆発さえしなきゃ、多少は放射能が漏れたってしょうがないってやり方でしょ?
毎日ずーっと放射能が漏れてるってことでしょう。そういうことを菅さんが来年の代表の任期までやっていたら、東京も何もかも放射能汚染してしまうのではないかと心配している。本当の事をきちんと言わないと。(原子)炉のそばは当分住めないでしょう。それをそのうち帰れると言ったり。「帰れない」とはっきり言って、住民がどこに移り住むか支援しなければいけないのに、真実を言わない。チェルノブイリだっていまだに周辺地域は住めないでしょ。(福島第一原発は)チェルノブイリの何十倍、何百倍のウラン燃料が溶けて取り出せない状態。それをどうするんだ。抜本的な封じ込め対策を政府がしなければならない。
それから補償の話。何から何まで保障するのは事実上難しい。しかし、仮設住宅に入ると補助が止まるとかの問題がある。生活をきちんと保障していく観点から当面はやっていく事、(元の土地に)帰れない人には新しい転地を探してあげる。というように明瞭に話して、対策を取るべき。
毎日ずーっと放射能が漏れてるってことでしょう。そういうことを菅さんが来年の代表の任期までやっていたら、東京も何もかも放射能汚染してしまうのではないかと心配している。本当の事をきちんと言わないと。(原子)炉のそばは当分住めないでしょう。それをそのうち帰れると言ったり。「帰れない」とはっきり言って、住民がどこに移り住むか支援しなければいけないのに、真実を言わない。チェルノブイリだっていまだに周辺地域は住めないでしょ。(福島第一原発は)チェルノブイリの何十倍、何百倍のウラン燃料が溶けて取り出せない状態。それをどうするんだ。抜本的な封じ込め対策を政府がしなければならない。
それから補償の話。何から何まで保障するのは事実上難しい。しかし、仮設住宅に入ると補助が止まるとかの問題がある。生活をきちんと保障していく観点から当面はやっていく事、(元の土地に)帰れない人には新しい転地を探してあげる。というように明瞭に話して、対策を取るべき。
小沢:今のやり方では、使用済み燃料も、溶融ウランも、どうすることが出来ない。今のやり方ではダメだ。こんなことを10年、20年続けるという考え方がいけない。国が総力を挙げて封じ込めをやらなければならない。
小沢新党結成について
Q:小沢さんはこれだけ危機感を持っているのに、なぜ新党を作らないのか。大衆が求めたら作るのか、作らないのであれば民主党内で何をするのか。
小沢:大陸諸国では政府がこんな状態だったら大変な市民運動になると思う。しかし、日本人はお上に従う。表立って行動しない。だが、2年前の夏、思い切って行動に出て、政権を交代させた。今は国民の民主党に対する期待感はかなり薄まった。だからと言って、自民党がいいと言っているわけではない。民主党があの時の原点に返り、(マニフェストで)言っていた通りにやる。震災という非常時は、制度を改革する最大のチャンス。
新党を今作ることは考えていない。過半数の人が新党作れば票をくれるってなら新党をやってもいいですが(笑)そうは国民は動きませんですから。政治は過半数民主主義。考えられる枠内で最も効果的なのは、民主党が本来の原点に帰るということが一番やりやすい。
新党を今作ることは考えていない。過半数の人が新党作れば票をくれるってなら新党をやってもいいですが(笑)そうは国民は動きませんですから。政治は過半数民主主義。考えられる枠内で最も効果的なのは、民主党が本来の原点に帰るということが一番やりやすい。
Q:将来的に東北をどうして行くべきだと考えるか
小沢:当面の震災復興に限れば、沿岸の街作りをどうするか。東北全体、地域全土で言えば、一つは地域主権、本当に地方が自立していける国家の制度にする事。なんで(全て)東京なんですか。霞ヶ関のハンコがないと出来ないんですか。それを地方で出来るようにすればいい。アメリカでもヨーロッパでもどデカイ世界的な企業は地方に本社がある。地方は人も純朴だし、賃金も安いかもしれないし、土地も安い。根本を変えて、全国的な発展を期すべき。
以上である。