自民党総裁選が混沌(こんとん)としている。通常なら、現職の菅義偉首相が強いが、地元の横浜市長選(22日投開票)で支援候補が惨敗するなど、自民党支持層でも「菅離れ」が進んでいる。総裁選レースはどう展開されそうか。自民党政調会長室長などを長年務め、党の裏の裏まで知り尽くす政治評論家の田村重信氏に聞いた。
「たとえ派閥領袖(りょうしゅう)が『菅首相支持』でも、もはや派閥単位で特定候補を推す時代でも、政治状況でもない。自民党の歴史のなかでも、かなりの危機だと感じる。派閥の締め付けが効かず『自主投票』となる派閥も出るはずだ」
田村氏は語った。
自民党が今月中旬に行った次期衆院選の情勢調査について、永田町では「自民党の獲得議席は現状(276議席)から最低40議席程度は減る」との予測結果が出たという情報が流れている。
40議席減では「自公与党で過半数維持」となるが、「楽観的すぎる」との見方もあり、中堅・若手議員からは不満が渦巻いている。
まず、菅首相について、田村氏は「横浜市長選の惨敗は大きい。新型コロナ対策などについて、有権者に菅政権の方針や熱意が伝わっていない。理解してもらっていない。このままでは、菅首相には想像以上に厳しい結果が出るのではないか。補佐役である官房長官としては極めて優秀だったが…」と分析した。
岸田文雄前政調会長は26日の出馬会見で、党役員任期について「1期1年で連続3年まで」とする改革案を打ち出した。田村氏は続ける。
「岸田氏は退路を断ち、『菅首相-二階俊博幹事長体制』への批判票を集める作戦に出たようだ。これまでは、『岸田氏を次期首相に』という期待値は上がらなかったが、現時点で出馬の意向のある4人に絞る世論調査では、岸田氏への『空気』もいい方向へ変わる可能性はある。岸田氏は自民党の強さでもある『分厚い中間層』に何を訴え、支持を広げられるかが課題となる」
「コアな保守層」の支持が高い高市早苗前総務相や、下村博文政調会長は、出馬に必要な推薦人20人を確保したうえで支持拡大がカギとなる。下村氏については、菅首相に任命されて政調会長になったため、「出馬すれば『令和の明智光秀』と批判される」という指摘もある。
田村氏は「コロナ禍だけに、各候補は政策の中身だけでなく、説得力や話し方、質問への応答力などが問われる。菅首相は立て直せるのか。今週以降、さまざまなドラマが展開する」と語った。
これ『「菅首相には想像以上に厳しい結果に」 次期衆院選、党内で「最低40議席減」との予測情報も 政治評論家・田村重信氏に聞く』と題したZAKZAK 2021/09/02 17:12の記事である。
菅首相の自民党総裁の任期が近づき騒がしくなってきた自民党総裁選。
でも公党である最近の自民党には人間的な民主政治は存在しない事が露呈した。菅首相の人間性がどうあれ、昨年党で自ら選んだ総裁であるのに、今になってどうとか言うのおかしな話ではないか。確かに政治の世界は一寸先は闇であり約束手形も通らない別世界と言う事は解かるが、騙しあいも程々にしないと今後に託す子供たちに説明がつかないではないか。昔からウソをつけなければ政治家にはなれないと良く言われて来たが、それも程度が必要だ。
以前拙ブログで岸田文雄前政調会長を女の腐ったような男と批判して来たが、今回の岸田さんは人間が変わったように見受けられたのは何故だろう。何か数十年ぶりに本当の政治家を見せられたように感じた。やはり政治家は政策が命である。如何に国民に最高の政治行政を受益してもらうかであり、それを如何に解かりやすく国民に訴えて理解してもらうかが政治家の使命であり、それを行使して初めて国民から崇められる議員となるのであり、そして国会議員と言う政治家になるのであろうと思う。今回の岸田さんの主張は本当に政治家としての質の高さを感じた。
政治に興味を持って数十年、ここ最近の政治はかなり低俗になって来ていると感じていた。それは恐らく小泉純一郎元首相の時代からではなかろうか。彼は凡そ政治家らしからぬ議員だった。バカの一つ覚えの「郵政民営化」しか知らぬ偏屈な政治屋だった(私は彼を政治家とは思っていない)。
彼がした事は政治をかなり低下させた張本人と言って良い。旧来の自民党政治を否定し、劇場型政治を蔓延させ、政治のセオリーを改変させ国民に政治を浸透させたメリットはあったが、本来の真面目な政治から遠ざけさせた責任は大きかった。それからである、政治家が国民との距離を縮めたは良いが、政治が国民と友達付き合いになり気遣いに欠けた姿勢が多く見られ、逆にフランクになり過ぎて節度が無くなってしまった事が互いの今後に問題を残した事が非常に残念である。