西岡武夫参院議長の存在感とそれの無い菅政権

 「国家観、政治哲学を欠いたままでは、国を担う資格なし」-。8日発売の月刊誌「文芸春秋」に寄せた手記で、菅直人首相と仙谷由人官房長官を痛烈に批判している。

 自衛隊を「暴力装置」と表現した仙谷氏については「彼の発言は国会答弁の名に値するものではない。弁護士の経験からつかんだものであろう『法廷闘争』のやり方だ」とばっさり。
 首相についても「あまりに思いつきでモノを言うことが多すぎる」とした上で、「尖閣諸島をめぐる政府の無策ぶりを見ても、菅政権は政策無策にとどまらず、そもそも国家に対する『哲学』すらないのではないか」と酷評した。との報道があった
 
 これは野党の重鎮の言葉ではない。はたまたマスコミメディアの言葉でも無い。西岡武夫参院議長が発した言葉である。
 私は正直驚いた。政権党の重鎮、しかも議長のため党籍を離れているといっても民主党現役の参議院議長である。私は西岡武夫参院議長の気持ちが痛いほど解かる。恐らくここまでにかなりのフラストレーションが溜まったのであろう。私でなくても、元の民主党支持者は、「西岡よ!良く言ってくれた」と思うのではないだろうか。まだある。

 2日の記者会見で、中国漁船衝突事件の船長釈放の検察判断に政治介入はなかったとする政府説明を「あり得ないことだ」と批判した上で「担当検事は国会に来てほしい。国会は知る必要がある」と述べ、一部国会議員に限定開示された事件のビデオ映像については「国民は映像を見たいと思っている」として一般公開が必要との考えを重ねて表明。政府に「中国を刺激するしないではなく、堂々たる外交をしてもらいたい」と求めた事。そして同じく菅直人首相が国会議員の定数削減で年内の与野党合意を目指すと表明したことに対し「極めて不見識だ。参院が首相の指示を受けることは一切ない」と強く非難した。参議院は議長の諮問機関である参議院改革協議会で定数是正や選挙制度改革に向けた議論を続けていると指摘。「私どもにやる気が全くないならともかく、行政府の長が『参議院定数40削減』という具体的な数字まで出すのは極めて不適切だ」と強調した。また民主党参議院選マニフェスト政権公約)で掲げた衆議院比例定数の80削減に関しては「民意を正確に反映するのが比例部分だ。『80削減』を前回衆議院選の結果でシミュレーションすれば、民主党が単独で3分の2以上を占め、一党独裁になる」と批判し、そして、19日の記者会見では、蓮舫行政刷新担当相が国会内で ファッション雑誌の写真撮影に応じたことについて「写真自体に(洋服の)値段が書いてあるから、明らかにコマーシャルだ。国会を特定の商品の宣伝の舞台にしたのはあってはならないことだ」と苦言を呈した。 蓮舫氏は「商業目的ではない」と説明している。西岡議長は「(蓮舫氏は)大した ことないような感じで言っている節があるが、問題の本質をお考えになるべきだ」と批判した。
 
 これらを民主党現執行部は何と考えるかである。卑しくも同党重鎮のしかも参議院議長の言葉である。同胞に対する苦言である。こんな事は日本史上初めての事であるし、ここまで言われた菅内閣と執行部、さて、どう対処するのか見ものである。
 
 ここまでの菅内閣はとてもじゃ無いが酷すぎる。国の政策と国民の生活を真剣に考えているのだろうか。我々政治の素人でも解かる事を何故やらないのだろうか。国策には当然優先順位がある事さえ解からないのだろうか。今わが国の状況を見る時に、何を先にやらなければいけないのか、国民の全てが今「小沢の政治とカネ」の問題を解決しなければいけないと言ってるのか。そんな事よりこのデフレ不況を何とかする方が先ではないのか。今だからこそ野党と一緒にわが国の一大事を乗り越えようとの協議を何故やろうとしないのか。逆説すればそれだけの知識と知能と政治人としての質に欠けていると言わざるを得まい。ならば、迷惑である。これほどまでに自党の西岡武夫参院議長に言われたのである。即刻退陣すべきである。