融資返済を猶予制度と亀井金融・郵政改革担当相に思う

  27日のテレビ朝日サンデープロジェクトで亀井金融・郵政改革担当相は、中小企業などの融資返済を猶予する制度の導入について実現に自信を見せた。元金の話だと思っていたら亀井大臣は、利子を含めた金額そのものをこれから副大臣等と検討するのだそうだ。普通の考えでは有り得ない話だ。当然経済学者や経済通その他出席してた元ミスター円こと榊原英資氏や識者から猛反対と言うか失笑さえ漏れていた。その反対論の中で驚いたのは出席してたあの「バランスシート不況」改善、積極財政政策論者のリチャード・クー氏が、亀井大臣のこの融資返済を猶予する案を否定しなかった事である。あのクー氏がである。私は驚いてその意味に必死に耳を傾けた。私は知らなかったが何年か前同じような事があった時自民党時代亀井さんが提唱した事が現実になり賞賛された事をクー氏は紹介したのだった。その時のクー氏の表情には反対した人達の失笑顔とは違う表情を見た。もしかしたら常識で考えてる我々が間違ってるのでは、また、これが政治なのか、とかこれが鳩山民主党の友愛精神なのかとか色々思った。あまりにも我々の考えとかけ離れていたからだ。零細経営者の端くれである私でさえそんなことをしたらすぐに株価が下落し、銀行経営が圧迫され、今度は銀行救済のために公的資金を注入と言う悪循環を招きかねなく結局悪策と言われるのが目に見えてる。数年前に東京都石原知事が設立し失敗した新銀行東京と同様になる。がしかし、私も経営者として今のこの不況に際し、実際銀行には苦しめられてる。都会の零細町工場の中には黒字倒産が多いと聞く。いわゆるキャッシュフローの出が多く、キャッシュが無くいくらかでもキャッシュを留めるには確かに亀井さんの政策はありがたいと思う。しかしかなりのリスクが伴う。だけれども今までの自公政権のように、かなりのムダ金が天下りの報酬に消えるよりは良い事ではと思えた。
 この9月日銀短観民間予測によれば、ホンの少しの緩やかなる景況感だそうだが、それも地方や都会の零細町工場の末端ではそれを体感できるどころか実際厳しいのが現実である。景気を良くすると言うのは大企業もそうだが、やはり中小零細企業の末端からの景況感を出すのが一番の景気対策ではなかろうか。そう言う意味において私は、亀井大臣のこの融資返済を猶予する案に乗ってみたい。