今度の米朝首脳会談の決裂やその他の施策を見れば歴代の韓国大統領の中で文在寅(ムン・ジェイン)大統領は最低だ!

金正恩が北京に寄らなかった理由
 米朝首脳会談の決裂が朝鮮半島情勢に波紋を広げている。焦点はずばり、権力者たちの行く末である。北朝鮮金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は生き残れるのだろうか。
 結論を先に言えば、私は2人とも政治的に「極めて厳しい立場に追い込まれた」とみる。これほどの大失態を演じながら、2人が生き残れるとすれば、まさに驚くべき能力だ。今回の結末を見れば、2人にそれほどの能力があるとは思えない。
 まず、正恩氏からだ。正恩氏は首脳会談が失敗に終わった後、予定を早めて帰国の途についた。列車は途中、中国の北京近くを通りながら、正恩氏は習近平国家主席とは会談せず、したがって失敗の報告もせず、さっさと平壌に戻ってしまった。
 会談が成功していたら、正恩氏は得意顔で習氏に成果を報告していただろう。そうしなければならない義理もある。正恩氏にとって、習氏は最大の後ろ盾だ。ことし1月には4回目の訪中で、米朝会談について習氏と綿密に打ち合わせていた。
 昨年6月のシンガポール会談の際は、正恩氏が習氏と会談した後で突然、強気になって、米国のトランプ大統領に会談をいったんキャンセルされた経緯もある。習氏の正恩氏に対する影響力は強い。
 外交上の作法に従えば、会談が成功しようと失敗しようと、正恩氏が習氏に報告するのは当然である。それさえできなかったのは、よほどの打撃だったからだろう。メンツ丸つぶれで合わす顔がなかったのだ。
 堂々と習氏に会って握手していれば、多少とも失敗を糊塗できたのに、できなかったのは「完全敗北」と、自ら白状したも同然である。このあたりに正恩氏の未熟さが出ている。それも無理はない。正恩氏は他人と交渉する必要がない「独裁者」だ。そのひ弱さが出た形だ。
 とくに致命的だったのは「会談は成功間違いなし」と思い込んで、北朝鮮国内で事前に大宣伝を繰り広げてしまった点である。国民は異例の大報道に接して「正恩氏が会談で米国から制裁緩和を取り付けるのではないか」と期待しただろう。
 いまさら失敗とは言えず、国営メディアは仕方なく「協議は継続」と報じざるをえなかった。だが、いくら報道管制を敷いても、情報は漏れる。韓国メディアは「北朝鮮で会談失敗の情報が拡散している」と報じた(https://headlines.yahoo.co.jp/hl? a=20190305-00000043-cnippou-kr)
 こうなると、正恩氏はいくら独裁者とはいえ、政治的に厳しくなる。早くも「会談失敗の責任を側近に押し付けるのではないか」などと観測が飛び交っているが、それで乗り切れるかどうか。それより「裸の王様」になる可能性もある。
 
金正恩が陥った「最大の危機」
 先の自衛隊哨戒機に対するレーダー照射事件をめぐって、金正恩暗殺未遂事件の噂が流れた。「暗殺に失敗した逃亡犯が乗った漁船を正恩氏の依頼で、韓国側が拿捕した」という説だ。真偽はともかく、そんな見方が流布すること自体、権力基盤は盤石とは言えない。
 北朝鮮の国営メディアは会談失敗後、北朝鮮の対応方針を報じていない。崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官が「非核化に対する(米国の)相応の措置がなければ、新たな道を模索せざるをえない」と述べたくらいである。
 まして正恩氏の発言は一切、聞こえてこない。強がりを言いたくても、言葉が見つからないのだ。核とミサイル実験の再開は論外だ。実験を再開すれば、米国は軍事作戦の可能性も排除せず、強硬路線に戻るだけだ。
 非核化を前に進めるわけにもいかない。会談が決裂したのに、非核化の具体的手段を講じれば、自ら敗北を認めたも同然になってしまう。だからといって何もしなければ、経済制裁が続く。国民の不満は鬱積し、正恩氏への忠誠心はますます揺らぐ。
 習氏との会談を避けたままでは、中国にも支援を頼みにくい。習氏は近くまで来ていながら自分に報告しないまま、さっさと平壌に逃げ帰ってしまった正恩氏を不快に思っているだろう。「ふざけたガキだ」くらいに思って当然である。
 ようするに、正恩氏は袋小路にはまってしまった。身動きがとれないのだ。
 いま正恩氏は権力掌握後、最大の危機に直面しているとみて間違いない。実は独裁者だからといって、なんでもできるわけではない。国民を食わせられなければ、やがて権力を失う。正恩氏はいま、この「単純な原理」に恐れおののいているはずだ。
 
吹き飛んだ文在寅の思惑
 次に、文在寅大統領である。
 世界に制裁緩和を訴えてきた文氏の戦略は「金剛山観光事業と開城(ケソン)工業団地の操業再開を勝ち取れば、正恩氏も満足するはずだ」という判断に基づいていた。ところが、フタを開けてみたら、正恩氏はそれにとどまらず、全面的な制裁解除を要求した。
 文氏は完全に正恩氏の意図を読み違えた。トランプ政権は完全な非核化に向けて具体的措置を表明すれば、金剛山観光と開城工業団地の譲歩くらいは考えていた可能性がある。ところが、肝心の非核化がゼロ回答では妥協する余地がない。
 文氏は「米朝対立の仲介者」のごとく立ち回ってきたが、仲介者として失敗しただけでなく、正恩氏の意図を読み違えて、本当の役割である「北朝鮮の代弁者」としても失敗した。さらに、トランプ氏の意図を正恩氏に伝えるのにも失敗した。
 これでは話にならない。文氏は正恩氏からもトランプ氏からも信頼を失った。実質的に、もう出番は回ってこないだろう。米朝交渉において、文氏の存在感は「風前の灯火」だ。
 文氏は何を目標にしていたのだろうか。私は、正恩氏と示し合わせて「南北赤化統一」を夢見ていたのだと思う(215日公開コラム、https://gendai.ismedia.jp/articles/-/59896? page=3)。それも、実は「北朝鮮の核付き統一」ではないか。
 表立って言えなくとも「南北は核付き統一なのだ」と世界に思いこませられれば、朝鮮半島の存在感は、核がない場合よりも圧倒的に高まるからだ。だが、そんな文氏の思惑は会談失敗で完全に吹き飛んでしまった。
 文氏はようするに、自分の都合に合わせて夢見ていたにすぎない。これほどピンぼけの大統領がいつまで権力を維持できるか。私は懐疑的だ。
 今回の会談失敗は、文大統領の求心力にも暗い影を落としている。 長谷川 幸洋
 
 
これ『「歴史的大失態」を見せた金正恩文在寅に、この先明るい未来はナシ』と題した現代ビジネス3/8() 7:00の配信記事である。
 
 
私は以前よりこの長谷川幸洋さんをそんなに評価はしていなかったと言うより嫌いだったからと言う方がスッキリするが、今回は違った。上記事には全く同感である。
我日本は拉致問題の対北朝鮮問題と言うより対韓感情がすこぶる悪過ぎる。以前からの慰安婦問題や最近の韓国大法廷の徴用工の争議への日本企業への賠償裁定である。それへの文在寅大統領の対応である。
それには理解しないでもないが、歴代の韓国のトップは対日批判を続けた場合に支持率が上がる従来の政治姿勢が未だ抜け切れていない。それが顕著に出た今回の対日姿勢である。だが外交はそれが許されるほど単純ではない。そこのところが文在寅大統領の経験不足のところもあるが、それを振り切ってでもやれる手腕を期待したが、根が正直なのか、米朝関係を見れば余りにも外交手法が正攻法過ぎた嫌いがある。あのガキのような金正恩に手玉を取られようとは、日米には及びもしなかった。誤算でしかない。そういう意味においては今後が大変である。それをあの文在寅解っているのだろうか。