自民党の大島理森衆院議長が度々安倍首相の強引さに辛言してる 同派重鎮の苦言に安倍首相の強権ぶりが如何に酷いか解ろうと言うもの

■政治ジャーナリスト・泉 宏
 臨時国会の閉幕で静寂が戻った永田町で、大島理森衆院議長の言動が注目されている。国会の節目で、安倍晋三首相が率いる巨大与党の強引な国会運営への不満を隠さないからだ。
 自民党国対委員長の在任記録を持つ国会対策のプロで、根回しの強(したた)かさとその風貌から「悪代官」と呼ばれた大島氏だからこそ、横暴とも見えるここ数年の安倍政権の国会運営に警鐘を鳴らすのだ。
 2018年10月下旬に始まった臨時国会は、会期を延長せずに12月10日、閉幕した。
 最大の与野党対決法案だった改正出入国管理法をはじめ、改正水道法、改正漁業法など国民生活にも影響する重要法案は軒並み、会期末直前に成立。その一方で、首相が強い意欲を示す憲法改正発議に向けた自民党改憲案の国会提示は見送られ、改憲手続きを整備する国民投票法改正案は前通常国会に続いて継続審議となった。
 改正入管法外国人労働者の受け入れ拡大が目的で、人手不足解消の切り札として政府が臨時国会に提案した。ただ、19年4月施行にもかかわらず、受け入れ人数の上限などを明示できず、制度の詳細も省令などに委ねるとする政府の姿勢に、立憲民主党など主要野党は「生煮えどころか生そのもの」と反発、与党内からも「急ぎ過ぎ」との批判が出るほどだった。
 しかし、「首相の強い指示」(自民幹部)もあって、与党は「日程ありき」とばかりに、短時間審議で押し切った。
 「事実上の移民政策」とされ、社会の枠組みも変える重要法案にもかかわらず、審議時間は衆参合計わずか38時間で、参院では主要野党が問責決議案などの連発で抵抗する中、「徹夜国会」の末に、12月8日・土曜日の明け方の改正法成立となった。
 主要野党がそろって「国会が官邸の下請け機関になった」(立憲民主)などと批判する一方で、抵抗戦術で足並みが乱れたことで、メディアから「激突ショー」とも揶揄(やゆ)されたが、国民の政治不信を拡大させる幕切れだったことは間違いない。
 
■「大島流国対」は国会の“潤滑油”だったが…
そうした中、2018年11月27日の改正入管法衆院通過に当たり、大島議長が異例の議長あっせんを行った。野党6会派の抗議を踏まえて「政府に政省令を含む全体像を国会に報告させ、法務委で質疑がしっかりできる環境を整えてほしい」と与党に“指示”したもので、与党も「しっかり政府に伝える」と応じた。
 この大島氏の“大岡裁き”で、強硬だった辻元清美立憲民主党国対委員長も「異例の提案で評価できる」と態度を和らげて衆院通過時の大混乱は回避され、同党は会期末の内閣不信任案提出も見送った。
 大島氏は、18年7月下旬の通常国会閉幕時にも「所感」を発表し、財務省の決裁文書改竄(かいざん)問題について「行政監視の根幹を揺るがす」などと政府に猛省を促した。
 今回の入管法審議で、失踪した技能実習生の実態調査結果の集計を法務省が誤ったことでも、不満を募らせていたとされる。大島氏は首相が意欲的発言を繰り返す国会での改憲論議についても「憲法は法律の基本。できるだけ合意形成して進めていかなければならない」と、自民党の独走を牽制(けんせい)した。
 国対委員長時代、同年輩の漆原良夫・公明党国対委員長(政界引退)と、「悪代官(大島氏)と越後屋(漆原氏)」と呼ばれた親密な関係を築いて、国会を切り回したのが大島氏。「おぬしもワルよのう」とのセリフが国会での流行語ともなった。
 「両氏の人相風体からのあだ名」(自民長老)で、実際は誠実さによる相互信頼関係だっただけに、あえて悪役として国会の潤滑油になってきた大島氏にとって、「憎悪と不信ばかりの現状には我慢がならない」(同)のは当然と言えそうだ。  (時事通信社「地方行政」20181217日号より)
 
 
この記事「【点描・永田町】“元悪代官”大島議長の警鐘」と題した時事ドットコム2018/12/29(土)に記事である。
 
 
さすが三木派→河本派の自民党左派のハト派の重鎮だ!同じ自民党の中にもこのような良識派居たんだ。同じ経路を辿った今では安倍のイエスマンに成り下がった高村正彦代議士とは偉い違いである。立法府代表の衆議院議長としてある一定の抑止力を安倍首相に与えた意義は大変大きいものがあると私は評価をしたい。同じ与党それも衆議院の議の長からこのような辛言を頂く宰相等前代未聞である。まっ!それだけ安倍首相の政策行動が標準の域を逸脱してるという事に他ならないし、如何に政治運営に驕りがある事の表れでもある。ここから見ても長期の政権の腐敗が行われている事の表れでもある。もう安倍首相の勝手気ままの限界だ!辞めた方が利口だ!