愛知県長久手市が、日本で最も「若い」街として成長を続けているのを見るに付け、過疎との地域差が改めて思い知らされた!!

 愛知県長久手市が、日本で最も「若い」街として成長を続けている。総務省13日公表した住民基本台帳に基づく人口動態で、出生数から死亡数を引いた人口の「自然増加率」が全国の市区の中で1位となった。名古屋市などのベッドタウンとして若い世代が流入し、子どもの数も増えているためだ。ただ数十年後には街全体が一挙に高齢化する可能性があり、市は早くも対策に乗り出している。
 長久手市住民基本台帳に基づく2016年1月1日時点の人口は5万5555人と、この1年で1075人増えた。このうち出生数は773人、死亡数は288人で、自然増は485人。人口の自然増加率は0.89%で、全国の市区の中では15年トップだった沖縄県豊見城市を抜き、1位となった。市民の平均年齢も37.7歳(10国勢調査、当時は長久手町)と全国の市町村の中で一番若い。
 人口が増えた理由の1つが、名古屋市にも、自動車産業が盛んな豊田市にもアクセスしやすいことから、若い世代が好んで移り住んできているためだ。保育所の開設も相次いでおり、長久手市によると16年度当初の合計定員数は1420人と、4年前に比べて600人弱増えた。
 07年に豊田市から長久手市に引っ越してきた主婦(38)は、大手自動車メーカーでエンジニアとして働く夫と2人の子どもの4人暮らし。「長久手は緑も多いので、子育てにぴったり。インターチェンジも近いので、夫の通勤にも便利で助かっている」と話す。
 住宅・マンションの開発も相次いでいる。名古屋市営地下鉄愛知高速交通藤が丘駅」の近くや、愛・地球博記念公園近くの「パークサイドヒル長久手」と呼ばれる地域で、マンションや戸建てがここ数年で1000戸規模供給された。16年の地価公示で、同市の地価は住宅地で2.9%上昇した。
 1998年から土地区画事業が始まった市南部の市が洞(いちがほら)地区も人口増が著しい。1900戸弱(約5000人)の住宅が供給された場所で、特に愛知万博以降、開発が進んだ。08年に開校した市立市が洞小学校は毎年40100人ほど生徒数が増えており、現在は1108人と開校当初のほぼ2倍になった。
 13年度には生徒数の増加に追いつかず一時的にプレハブの仮校舎を設置し、14年に3階建て17教室の新校舎を増築した。堀部一成教頭(56)は「生徒数の増加は、もうしばらく続きそうだ。保護者たちは若い人たちが多く、街の活性化が起こっていて勢いを感じている」と話す。
 若い世代の人口が増える同市には商業施設の開設も相次ぐ。イオン傘下のイオンリテールや、ホームセンター大手のロイヤルホームセンターが入る施設が年内に開業予定。スウェーデンの家具大手「イケア」の日本法人、イケア・ジャパン(千葉県船橋市)は中部地方で初となる店舗の開業を目指している。
 もっとも全国のニュータウンと同様、若い世代が急激に増えると、数十年後に街全体の急激な高齢化は避けられない。長久手市も「今は若い街だが、将来の高齢化は明白」と認識している。
 市は「なでラボ」という市職員と住民の若い世代が街の将来について話し合う場を設け、若いうちから街への関心を持ってもらい、行政だけに頼らない街づくりを目指す。高齢化による税収減で住民サービスが急に低下するのを避ける狙いだ。
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これ『「日本一若い街」長久手市 「自然増加率」全国トップ』と題した日本経済新聞 電子版2016/7/14 2:00の配信記事である。
 
 
 愛知県長久手市の住民の平均年齢は38.6歳で、全国の自治体で最も若い(2015国勢調査、全国平均46.4歳)。人口も1990年と比べて1.7倍の5万7500人に増えている。産業が盛んな名古屋市と同県豊田市の間に位置し、緑も多い環境は子育て世代に人気がある。民間が発表する「住みよさランキング」でも上位に入る。
 長久手市は「転勤族が集まり、転入も転出も多い新陳代謝が活発な町」(情報課)と分析する。トヨタ自動車関連の従業員も多い。これまで豊田市に住む人が多かったが、「仕事とプライベートを分けたい」「妻や子供に便利な場所に住みたい」と長久手市を選ぶ人が増えているという。
 子育て世代の需要を取り込もうと、大型商業施設の進出も相次ぐ。1612月に「イオンモール長久手」、1710月に「イケア長久手」が出店した。人口減少、少子高齢化が全国的な傾向の中で、底堅い愛知・名古屋の産業が、若い町をつくりだしている。(随時掲載)
 
 
こっちも『38.6歳 平均年齢が「日本一若い」愛知県長久手市』と題した日本経済新聞 電子版2018/2/2 23:11の記事である。
 
 
今どきこんな自治体は皆無に近い。この状況を紐解くに、都会にありがちなインフラが非常に良く整備されているからであろうと思われる。
昔天下分け目の戦い「小牧・長久手の戦い」の地でもあり、当初より地の利は良かったのだろう。目を引くのは、鉄道等の発達で、東海の首都名古屋と世界有数の大企業「トヨタ自動車」が本社を置く企業城下町豊田市のほぼ中間にあり、共にそのベッドタウンとしての地の利も影響したのだろう。
 
また今年の冷年の年でも、九州四国に雪が降っても、ここは降らない地域性も有利である。
自治体の一つの指標である市の財政状況をみれば良くわかる。この長久手市名古屋市豊田市の影響を受けつつ、比較的楽な市の運営である。東に愛知環状鉄道線、すぐ南にはリニモ線や名鉄豊田線が走っており、その駅にも近い。また傍には猿投グリーンロード東名高速道路に接続されており、同じ日本でありながら、私の東北の雪国とは余りの違いに言葉も出ない。
やはり人の集まる所との違いを見せつけられた思いである。
 
愛知県長久手市の財政状況は下記ページで見れる。