マスコミ報道自公の大勝・圧勝と報道されているが、そうではない実質自公の負けである

 衆院選で自民、公明の与党が圧勝し、安倍政権が再始動する。今回の選挙は消費増税憲法改正などと同時に、安倍政権のこの5年間のあり方も焦点になったのだろう。地方創生も成果が問われる局面に入っている。
 まず北朝鮮少子化という2つの「国難」にふれ、求人倍率や就職内定率を例にアベノミクスの成果を強調する。そのうえで「働きたい人に仕事があることこそ希望のある社会だ」などと締めくくる。安倍晋三首相が遊説で繰り返した内容だ。
 今回の与党の勝利は野党の分裂が主因とはいえ、景気が回復している点も後押ししたのだろう。各地方をみても、地方創生の掛け声のもとで人材が戻る「田園回帰」現象が広がっている。
 島根県海士町や鹿児島県十島村などのように、これまで人口が減る一方だった過疎地で、社会増に転じる地域が出てきた。ふるさと納税を生かした子育て支援策で若年層をひきつける北海道上士幌町、IT(情報技術)企業の立地が相次ぐ徳島県神山町など、各地域は今、移住者の受け入れへ知恵を絞っている。
 一方、東京一極集中そのものは何ら変わっていない。大阪市3388人、名古屋市3265人、仙台市3251人――。2016年に東京圏に対する転出超過数が全国で最も多かった3市だ。さらに札幌市、福岡市と続く。ブロック内では人口を吸引する大都市も、東京に対しては人材流出が止まらない。
 東京圏の16年の転入超過数は合計で11万8千人に上る。政府は20年までにゼロにする方針だが、14年時点よりもむしろ多い。過疎地も大事だが、各ブロックの中心都市が魅力を磨き、雇用吸収力を高めないと一極集中は収まらない。
 なかでも深刻なのは県庁所在市に次ぐ第2、第3の都市の空洞化だ。地方都市は人口減で経済規模が縮小し、それがさらなる人口減少を招く悪循環が続いている。
 企業の本社機能や政府機関の地方移転、高齢者の地方移住、観光振興に向けた広域組織の設立。政府が地方創生に向けて打ち出した施策をみると、地方の拠点都市を強くする視点が弱い。
 安倍政権の5年間で地方分権の優先度も低下した。12年末の政権発足時には道州制基本法の制定を掲げていたが、今は棚上げしている。代わりに希望の党などが道州制を掲げたが、まったく関心を呼ばなかった。東京都の小池百合子知事が打ち上げた東京、大阪、愛知が主導して分権を進める構想も、掛け声倒れに終わる雲行きだ。
 地方創生の最終目標は自治体が自立する基盤を整えることだろう。分権なくして自立はない。自立した地域が連なってこの国を形づくる道筋は今も見えない。(編集委員 谷隆徳)

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これ「与党大勝 地方創生 問われる成果 編集委員 谷隆徳」と題した日本経済新聞電子版2017/10/23 15:28の配信記事である。
 
 
選挙投票日翌日の各新聞トップ記事は軒並み自民大勝あるいは圧勝とのタイトルが並んだが、事実とは異なる。内訳を見れば自民が9議席、公明が6議席落とし、野党とは言えないが希望と維新で合計10議席位落としている。何の事ない、これらの落とした議席は全て立憲民主党に奪われている。総合的に見れば、マスコミ報道とは少し違う状況となっている。その証として勝ったと言いながらも、安倍首相の顔が勝った顔でない事である。だがあの安倍首相の事である、またもや信任されたとして、党内議論も経ず、官邸で全て取り仕切る事だろう。しかし、勝ったとはいえ状況が少し変わって来た、党内の議員今までのようにはいかない事と思われる。まぁお手並み拝見となるが、何となく総裁3選に向かうところあたりから内紛が起きる気がする。