堺市長選が10日に告示され、大阪維新の会公認の新顔で前大阪府議の永藤英機氏(41)と、無所属で3選をめざす現職の竹山修身氏(67)=自民、民進、社民、日本のこころ推薦=が立候補を届け出た。維新と反維新勢力の一騎打ちとなり、現職の2期8年の評価や、堺市での大阪都構想の位置づけなどを争点に論戦が繰り広げられる。24日に投開票される。
維新か、反維新か。今回の堺市長選の構図は、15年の大阪府知事、大阪市長のダブル選とほぼ同じ。大阪独特の選挙戦と言える。与野党が相乗りしてまで維新に対抗するのは、大阪で党勢を保つ維新の力をそぐ絶好の機会とみるからだ。
大阪市での都構想再挑戦を掲げる維新は、来年秋の住民投票を目指している。大阪府と大阪市では都構想を具体化する法定協議会も始まった。ただ、維新は府市両議会で第一党ながら過半数に届いておらず、キャスティングボートは公明が握る。公明は次期衆院選を見据えてたびたび維新と歩調を合わせ、堺市長選も自主投票と静観だ。しかし、そもそも公明は都構想には反対で、府本部幹部は「結果次第で維新との関係に影響はあるだろう」と、選挙戦の行方を注視する。
看板政策の都構想が進まなくなれば、維新の求心力の低下は避けられない。一方、維新が勝利すれば住民投票へのはずみとなる。市長選の結果は堺市の未来を左右するとともに、大阪の政治力学にも大きく影響する可能性がある。(池尻和生)