「正直、『野党頑張れ』と思ってしまうほど、ずる賢いやり口に見えた」と自民の福岡市議は批判。ベテランの自民県議は「党内に『数があれば何でもできる』というおごりがあるのでは。良識の府とされる参院の歴史にも汚点を残した」と苦言を呈した。自民の北九州市議も「目前に迫った東京都議選にとってマイナス」と困惑を隠せなかった。
自民党県連幹事長の松本国寛県議は「委員会採決の省略というやり方は議会形骸化につながり、残念」と語る一方、「野党が問責決議案や内閣不信任案を出すなど審議に応じない姿勢だったので、やむを得なかったのではないか」と野党に批判の矛先を向けた。
委員会採決の省略は、委員長ポストを握る公明党への配慮との見方もある。公明の福岡市議は「委員会採決で乱闘騒ぎになる可能性があり、やむを得ない」。ただ、党県本部幹事長の浜崎達也県議は「ほとんど聞いたことがない中間報告というやり方は、国民にも分かりづらかったのではないか」と指摘した。
政府の説明にはほころびが目立ち、内容に疑問を残したままの成立となった。自民の北九州市議は「与党の国会議員は検証を続け、問題があれば法律の廃止も含め対策を講じるべきだ」と注文を付けた。