ロシアのドーピング隠蔽(いんぺい)工作ホンに良くやったと言うより良くやれたものだ

 世界反ドーピング機関(WADA)の調査チームが十八日に発表したロシアのドーピング隠蔽(いんぺい)に関する報告書は、違反を取り締まるはずの関係機関が、違反選手を守るために工作していた実態を明らかにした。二〇一四年ソチ冬季五輪での検体すり替えや、違反が発覚しにくい方法での禁止薬物の摂取、陽性検体を「陰性」とWADAに虚偽報告する「安全システム」(報告書)の存在などが暴かれ、世界に衝撃が走っている。
 治安維持を担うロシア連邦保安局(FSB)が加担したソチ五輪での検体すり替えの手口は極めて巧妙だった。人目につかない深夜に、陽性反応が出る可能性があるロシア選手の尿検体は、検査所の検査室から「ネズミが通れるほどの壁の穴」を通して隣の“作業室”に渡った。
 これを、下水道作業員を装って検査所に出入りしていたFSB職員が持ち出す。隣接するFSBのビルには当該選手が禁止薬物を摂取していない時期に採取した尿が冷凍保存されており、FSB職員が独自の方法で開封した検体のボトルとともに作業室に持ち帰ると、検査所所長らがボトルの尿を入れ替えた。FSBは大会の約一年前には肉眼で異常を識別できない開封方法を確立していたという。FSBの職員は、不正を主導したスポーツ省次官から「マジシャン」と呼ばれていた。
 モスクワの検査所の元所長は、禁止物質をアルコールと調合した「ステロイドカクテル」の提供も行っていた。選手は口に含んで頬の粘膜から吸収し、その後にはき出す。調査チームの検証によれば、注射したり飲み込んだりするよりも体内からの検出可能期間を短縮できるという。報告書は「一二年ロンドン五輪前には多くのロシアのトップ選手が使っていた」と指摘。ソチ五輪でも使用された。
 日本アンチ・ドーピング機構(JADA)の浅川伸専務理事は「ルールをよく知り、お金も人も潤沢にある人たちが全てのリソースを行使して裏をかいた事案」と手口の悪質性を非難。国際オリンピック委員会(IOC)にリオデジャネイロ五輪からのロシア選手の締め出しを勧告したWADAの姿勢を支持し、「クリーンなアスリートの権利が踏みにじられ、数百、数千人の選手が犠牲になった可能性がある。たとえ相手がロシアでも守るべき大義は守らないといけない」と主張した。
 
 
これ「ロシアドーピング 組織で違反選手守る工作 検体すり替え、尿を冷凍保存… 」と題した東京新聞721 朝刊の記事である。
 
 
ロシアだけでない。今は崩壊した東西冷戦以前のソ連=ロシアや東ドイツ等の社会主義国は国のためと称して、金メダルの代償としての一生楽に暮らせる人生としての身分保障がかかっていた、つまりは金であった。ためにドーピング等厭わなかったと言えたのではなかろうか。自由が無かった分やれた行為と言える。それが今でも続いていたと考えれば、決して不思議ではなかった。でも参考図を見れば良くやったと言うより、良く考えたものだと変に感心する。人間と言うのは昔も今も金のためなら何でもする的思想ホンに恐ろしい!

イメージ 1