宮川選手の告発会見への塚原女子強化本部長の反論は権力者に良くある言い訳だ!

体操のリオデジャネイロ・オリンピック(五輪)女子代表の宮川紗江選手(18)が日本協会幹部からパワハラを受けたと主張した問題で、名指しされた塚原千恵子女子強化本部長71)が30日、都内で取材に応じ、宮川選手の会見での発言に猛反発した。29日までは日本協会から発言を禁止されていたという塚原氏は「これでは言ったもん勝ちじゃない! もう黙ってないわよ」と語気を強めて憤りをあらわにした。
矢継ぎ早に飛び出す言葉から怒りがにじみ出ていた。宮川選手は29日の会見で速見コーチから暴力を受けたことを認めた上で、塚原女子強化本部長らからパワハラがあったと衝撃的にぶちまけた。一夜明け、渦中の人、塚原氏は会見に対し「うそもある」と切りだし、1時間以上も反論した。
宮川選手は、東京五輪強化プロジェクトに当初参加しなかったことで、16年末に塚原氏らから「五輪に出られなくなる」などと圧力を受けたと訴えた。塚原氏は発言時期は最近とした上で、説明した。「宮川は(7月の全日本)種目別選手権で床7位、跳馬7位。東京五輪はチームと種目別合わせて6人出られるから、彼女は(当落線上の)微妙な状況。けがもしているし『こんなんじゃ五輪にいけないよ』とは言った。言葉の前に前段がある」。言葉の切り取りを指摘し、さらに「五輪は選考会があるし透明性がある。 案は私が出すけれど、選手を決めるのは遠征も含めて全部常務理事会」とため息をついた。
711日に速見コーチによるパワハラの通報を受けた日本協会は弁護士らによる聞き取りを始め、コーチ4人、選手3人から証言を得た。塚原氏も同15日に宮川選手に暴力の有無を確認した。宮川選手は当時の状況を「何度も聞かれた。最後はキレ気味に『あったんでしょ』と。すごく怖かった」と受け止めたが、これにも弁明した。
「宮川は暴力を最初は否定した。認めたけれど、練習指導の一環だと思っていると答えた。『そういう考えじゃだめよ、将来親になって子どもをたたいたりしちゃだめだし、暴力はだめとの認識を持たなきゃ』と。親は知っているのと聞くと『容認しています』という。コーチ、親と一緒にチーム宮川でやってきたと、かたくなに聞かない。暴力があるのを家族も認めているのは異常でしょ? 『あら~宗教みたいね』と言った。それがだめなの?」
 
宮川選手によるとその席で「速見コーチの100倍教えられる」と発言したとされるが、即否定。話し方が高圧的という指摘にも「全部こういうふうに(雑談で)話していることですよ。圧力なんかありませんよ」とけげんそうだった。体操界で「千恵子先生」と親しまれる一方、「女帝」という一部での呼称には「もっといいのないの」と苦笑いした。
また、宮川選手は「最初から過去の暴力を理由に」、塚原氏が監督を務める朝日生命へ勧誘する動きがあったと主張したが、「そんなバカな、誰が勧誘するかいな」と一蹴。「NTCが使えない時は、特別強化選手は朝日生命の体育館が使える。(安全面からも)コーチの補助も必要だから『朝日生命の体育館で練習しなさい』と、親切心から付き人を通して提案しただけ」とあきれ返った。
宮川選手とは主張に食い違いがある。塚原氏はこの日、夫の塚原光男副会長とともに代理人弁護士を立てた。記者会見も検討しているという。「悪いことはしていないし、お金を使ってでも勝てるところまでやる」。パワハラ疑惑を拭うため徹底抗戦する構えをみせた。
塚原千恵子(つかはら・ちえこ1947年(昭22812日、長崎市生まれ。旧姓小田。長崎西-日体大68メキシコ五輪では団体4位入賞に貢献。69年には全日本、インカレ、NHK杯の3冠を達成し「体操の女王」と呼ばれた。72年に引退。朝日生命女子体操クラブの監督として多くの五輪選手を育てる。五輪でも76モントリオール以降、長年にわたり女子の指導を務める。アテネ五輪団体金メダルの直也は長男。
 
 
これ『体操女帝塚原本部長「悪いことしてない」宣戦布告』と題した日刊スポーツ[20188311010 ]の記事だ。
 
 
これ読んでて感じたのは、権力の持った人間の言葉だと即おもった。どうして権力を持った人間とはいつもこうなのかと思う。言った言わないは常である。また真意を聞くマスコミの記者も、最近はどうしこうも程度が落ちるのか不思議である。普通必ず当事者どうしと言う場合は「言った言わない」になるから、パワハラ告発者の宮川選手が言った速見コーチの処分の前の塚原夫婦の呼び出して朝日生命クラブに勧誘した事の確かめが先だったのに、肝心の事の真意を聞けば、それは必ずや「言わない」が当り前だ。要は時系列事実の確かめが先だった。速見コーチの処分の前に呼んで宮川選手が言った朝日生命クラブへの勧誘の事実を聞くべきだった。その返答や表情なりを確かめるべきだった。私はそう思う。後でどうのこうの前に、裁判の論争前の事実認定が先だった。そうすれば言った言わないの根拠が崩れるからだ。
思うに、今回のこのパワハラ事件は体協の権力者塚原夫婦が、常日頃何の疑問も抱かずに日常的に行っていた事(朝日クへの勧誘)が、コーチの処分を不当と感じ日ごろのウップンに耐えかねてと言う事ともしかすれば、処分コーチに頼まれたか(これは私の独断予想)のいづれかの義侠心的意味合いも含めて出た行動だと思われる。あまり独断予想を先行させても良くないのでここで終りたいが、一つ言える事は、体操界の権力者塚原夫婦の不評が半端じゃ無いと言う事だ。今後を注視したい。